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沙羅(さら)
116
#曲パロ
玲奈
146
みなさんいちごです。
久しぶりに書くのでゆるしてください🙏🏻🙏🏻
jr × hk です。
「北斗、今日も俺んち来る?」
楽屋で帰り支度をしていると、樹が当たり前のように聞いてきた。
「……昨日も行ったけど」
「うん。だから今日も」
ソファに寝転がった樹は、隣のスペースをぽんぽんと叩いた。
北斗は呆れた顔をしながらも、結局そこに腰を下ろす。
「お前、俺のこと好きすぎない?」
冗談のつもりだった。
いつもみたいに「うるせぇよ」と返されると思っていたのに。
「……うん、好きだけど」
「…………は?」
今度は北斗が固まる番だった。
樹はスマホをいじったまま、何でもないことのように続ける。
「何? 今さら?」
「いや、そういう意味じゃ……」
「どういう意味?」
「……知らねぇよ」
北斗はクッションを抱きしめ、顔を隠した。
耳が熱い。
絶対に赤くなっている。
そんな北斗を見て、樹は楽しそうに笑った。
「かわい」
「言うな!」
「はいはい」
そう言いながらも、樹は北斗の頭を優しく撫でた。
北斗は、その手を振り払えなかった。
本当はずっと、こうしてほしかったから。
樹は、少しずるい。
北斗が寒いと言えば上着を貸してくれるし、眠いと言えば肩を貸してくれる。
ほかのメンバーと楽しそうに話していると、いつの間にか隣に来ている。
「北斗、こっち」
そう言って手招きするから、北斗はいつも樹のところへ行ってしまう。
期待してはいけないと分かっているのに。
友達として大切にされているだけなのに。
そう思うたび、胸の奥が少しだけ痛くなった。
「……樹ってさ」
「ん?」
「好きな人とか、いんの?」
自分でも驚くくらい、自然に口から出た。
樹の指が止まる。
「いるよ」
たった三文字。
それだけで、北斗の心は簡単に沈んでしまった。
「……ふーん」
「気になる?」
「別に」
「へぇ?」
樹はスマホを置き、北斗の顔を覗き込んだ。
「じゃあ、俺がそいつと付き合ってもいいんだ?」
「……好きにすれば」
思っていたより冷たい声が出た。
樹は一瞬だけ黙った。
「……そっか」
その声が少し寂しそうに聞こえて、北斗は後悔した。
違う。
好きにしてほしくなんかない。
誰かのものになってほしくない。
でも、そんなことを言える立場じゃない。
「……北斗」
「なに」
「こっち向いて」
北斗が顔を向けると、樹はいつになく真剣な目をしていた。
「俺が好きなの、お前なんだけど」
時間が止まった気がした。
「……え?」
「だから、北斗。お前」
樹は照れ隠しのように鼻をこすった。
「何回言わせんだよ。恥ずいだろ」
北斗は何も言えなかった。
嬉しい。
信じられないくらい嬉しい。
でも、ひとつだけ聞きたかった。
「……なんで、もっと早く言わなかったの?」
樹は少し考えてから、北斗の手を握った。
「お前が俺の隣にいてくれるから、言わなくても伝わってると思ってた」
「……伝わるわけないだろ、ばか」
「ごめんって」
樹は笑った。
そして、絡めた指に少しだけ力を込めた。
「じゃあ、これからはちゃんと言う」
「……何を?」
「好き。大好き。俺の隣にいて」
北斗は俯いた。
もう、顔を見られない。
「……俺も、好き」
やっと伝えられた言葉に、樹は嬉しそうに笑った。
「よし。じゃあ、今日から俺の彼氏な」
「……勝手に決めんな」
「え、だめ?」
「……だめじゃ、ないけど」
「かわいすぎんだろ、お前」
樹は北斗を抱き寄せた。
北斗も今度は、素直にその胸に顔を埋めた。
ずっと欲しかった温もりが、今は自分だけのものみたいに感じられた。
「なあ、北斗」
「……なに」
「明日も来てよ」
「……明日も?」
「うん。明後日も、その次も」
「お前、俺のこと家に住まわせる気?」
「それもいいな」
樹は笑いながら、北斗の髪を撫でた。
「だってさ、俺、もうお前がいない夜とか無理なんだけど」
そんなことを真顔で言うから、北斗はまた困ってしまう。
「……ほんと、ずるい」
「何が?」
「……全部」
樹は理由を聞かず、ただ北斗の手を握り直した。
その夜、北斗は初めて、明日が来るのを楽しみにしながら眠りについた。
翌朝。
北斗が目を覚ますと、樹は隣でまだ眠っていた。
テーブルには二人分の朝食。
その横に、見覚えのない小さなノートが置いてあった。
何気なく開いて、北斗は息を止めた。
最初のページには、一年前の日付。
その下には、短い文字が並んでいた。
『北斗とご飯を食べた日』
『北斗が俺の上着を着て帰った日』
『北斗が隣で寝ちゃった日』
ページをめくるたび、北斗との何気ない日々が記録されていた。
そして、最後のページ。
昨日の日付の横には、こう書かれていた。
『北斗が俺の気持ちに気づいてくれた日。明日からは、恋人として隣にいてもらう。』
「……何だよ、これ」
思わず呟くと、背後から眠そうな声がした。
「……見た?」
振り返ると、樹が少し恥ずかしそうに頭を掻いていた。
「捨てろよ、そんなの….」
「やだ。俺の宝物だもん」
樹は北斗の隣に座り、ノートをそっと閉じた。
「これからも書くよ。北斗と過ごした日」
「……いつまで?」
樹は少しだけ考えてから、北斗の手を握った。
「ずっと」
そして、照れくさそうに笑った。
「北斗が隣にいる明日を、ずっと当たり前にしたかったんだよ」
北斗は何も言えず、握られた手にそっと指を絡めた。
一年前からずっと、樹は同じ未来を願っていたのだ。
そしてノートのいちばん最初のページには、まだ二人が友達だった頃の日付と一緒に、こんな言葉が残されていた。
『いつか、こいつの恋人になれたらいいな。』
そして、その下には小さい文字で、
「なーんてな。」
と書いてあった。俺はそれを見た瞬間目頭が熱くなり、
「俺の一生をかけてこいつを守る。」
と心に誓った。
コメント
1件
わああああもう待って待って待って!!😭💕💕💕 樹くんの「好きだけど」からの流れ、心臓止まるかと思った…!しかも一年前からノートに想い刻んでたってずるすぎるでしょ…「いつかこいつの恋人になれたら」って最初のページに書いてあるの見た瞬間、涙腺崩壊したよ😭✨ まだ1話なのに密度エグい…続き絶対読みたい…!♡ いちごさん久しぶりとは思えないクオリティ、待ってた甲斐がありました…!!🌸