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4週目
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「あ〜惜しかったァ〜…」
もう四度目となる景色の中、アスカが悔しそうに言う。
「にしても、今回はなんで鬼が出たんだろ?」
ナギが、不思議そうに言いながらスマホを開く。
「あっ」
その瞬間、ピシッとナギの動きが止まった。
「どうしたの?」
「これ…」
そう言って見せられたスマホの画面には、何も書かれていないメモが映っていた。
「あっ」
レイナもそれを見て自分のスマホを確認する。
そして、前回メモした内容が全て消えているのを見て、何が起こっているかを理解した。
『マジかぁ…』
2人の声がハモる。
「なになに?どうしたの?」
アスカがそんな2人を見て、ナギのスマホを覗き込んだ。
「あ〜…メモの内容が消えたのか…」
ソウもナギのスマホを見せてもらい、何があったかを理解したらしい。
「死んだら全部1日目に戻るから、メモをしても意味ないってことだね…」
「うん。全部自分の頭で覚えとかないと…」
ナギとアスカのやり取りを聞き、レイナはもう1人メモを取っていたヒトを思い出した。
「そういえば、エドのメモは?」
「あれの内容も消えてるんじゃないか?」
「でも、私らはスマホにメモしたのに対して、エドは紙だったよ?」
「それでもリセットされるから変わらないんじゃ?」
「そう…だよね」
もしかしたらと思ったが、ソウに反論され確かにそうだとエドのメモは諦める。
「まぁ、それはウミ達が来たら分かるよ」
「そうだな。来るまで待つか」
4人は、ウミ達が来てから今回することを決めることにして、それぞれテレビを見たりし始めた。
「ちょっと私庭のほう行っていい?」
やることがなかったレイナが、3人に訊く。
「いいよ〜ウミ達来たらLINEするね」
「うん。ありがと」
「俺も行っていい?」
「いいよ。行こ」
アスカにウミ達が来たらLINEをしてもらうことにして、レイナはナギと一緒に庭へと向かった。
「にしても、なんでいきなり庭?」
「ん〜…なんとなく?」
「なんとなくか。なんかレイナがこういうのするの珍しいね」
「そう?」
「ほら、殆ど待ち時間とか行動するのってアスカ達じゃん」
「確かに」
そんな会話をしているうちに、庭に着いた。
「やっぱ紅葉綺麗だね〜」
「あっちじゃあんまり見れないからね」
「気温が変わんないせいかな?」
そう会話しながら、レイナは紅葉の写真を撮る。
「ナギ、撮るよ」
「えっいきなり!?」
ふと悪戯心が芽生え、いきなりナギにカメラを向ける。綺麗にナギが驚いているのが撮れた。
「撮る時は撮るって言ってよ…」
「ごめんごめん笑」
困りつつも笑っているナギを見て、レイナも笑みが零れる。
「なんか懐かしいね」
レイナが、撮れた写真を見ながらふと呟く。
「?懐かしいって?」
「だって、昔も…あれ?」
その時、頭がズキリと痛んだ。
「レイナ?大丈夫?」
ナギがレイナの顔を心配そうに覗き込む。
「っ…なんでもない。大丈夫だよ。多分疲れてるんだと思う」
「そっか…レイナ、ループするの初めてだもんね」
レイナの返答に、ナギが安心と心配が混ざった表情をする。
(なんだこれ?どっかで見た事ある様な…「懐かしい」?私、今まで秋をこんな風に過ごしたことなんてあったっけ?…なんかおかしい。なにこれ…いつの記憶?)
謎の既視感と懐かしさについて考え込んでいるレイナは、ナギの表情に落胆も混ざっていたことに気が付かなかった。
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あの後、なんとなくなく雰囲気が気まずくなった2人は自室に戻った。すると、そこではアスカ達がトランプをしていた。
「お、2人とも戻っ…え?なんかあった?」
行きと比べ、少し暗めの2人を見て、アスカが心配そうに言う。
「大丈夫だよ」
レイナは先程の事をなかった事にして言う。
「そっか…」
「そういえば、ウミ達はまだ来てないの?」
まだ心配そうなアスカに、ナギが問う。
「うんん。来てない」
「もしかしたら今日は来ないのかもな」
「じゃあもう行動始めちゃう?」
「そうだね」
なかなか来ないウミ達より先に、4人は行動を始めることにした。
「まず、前回レイナが報告する前にやられちゃったから、レイナから報告お願い」
「うん。まず、鬼の性別なんだけど…」
レイナがそう言いかけた時、また当たりが暗くなると共にあの太鼓と笛の音が聞こえてきた。
「うそっまた?」
レイナとアスカは押し入れ、ナギとソウは棚に慌てて隠れる。
部屋に鬼が入ってきたが、暫くすると諦めたかのように黒い霧に包まれて消えた。
「あっぶなぁ…」
押し入れから出て、安心したようにアスカが言う。
「にしても、なんでまた…」
「もしかしたらなんだけどさ、鬼の性別やら性格やらに関わることは禁句なんじゃ…」
レイナは、ふと思い浮かんだ考えを話した。何故思いついたかと言うと、前回と同じくレイナが「鬼の性別は女」と言おうとしたところで鬼が出たからだ。
「あ〜そうかもな」
「じゃあ、筆談した方がいいのかな?」
「どうだろ?鬼が「自分の事について話される」って分かったら出るのか、ただ喋ったらアウトなのか…」
「やってみる?」
ナギの疑問に、レイナは前回調べた事をメモアプリに打ち込み始める。
「え、こんな短時間に2回はやばくないか?」
それを見て、ソウが不安そうに言う。
「大丈夫でしょ。次も隠れればいいよ!」
それを見て、アスカが明るく言った。ソウは「そうじゃなくて…」と言いかけるが、諦めたのかそれ以上は何も言わない。
「よし、できた」
メモに簡単に調べたことを書き終わり、3人に見せる。
「…どう?」
「…来ないね」
その後、少し経っても鬼は現れなかった。
「意外とガバなんだね」
言葉で話さえしなければOKということで、今後全員調査中に新たにわかったことがあったらメモをするということに決まった。
「よし…じゃあ、今後は何か分かったらメモするってことで…」
「了解」
レイナとナギがスマホをポケットにしまう。
「じゃあ、次何調べる?」
「時間的に旅館内で調べた方がいいよな」
ソウの言葉に時計を確認すると、針は15時を指していた。
「お風呂入るのが6時だとして、夕飯が7時くらいでしょ?」
「あと3時間はあるね」
神社と旅館の徒歩での往復でだいたい40分くらいだが、あの石段で疲れる分を入れると恐らく1時間はするだろう。それでも、2時間は残っているので十分調べることは出来る。
「二手に別れる?」
「そうするか。わざわざ全員で行動する理由もないしな」
「じゃあ、僕とソウが旅館の方で調べてるから、2人は神社の方お願い」
「うん。行ってくるね」
丁度レイナも神社で調べたいことがあったので、その振り分けに反対することも無くあっさり決まった。
どうも。最近欲しい小説や漫画が多すぎて本棚が足りない主です。マジでどうしよう…部屋片付けようかな(汚部屋)
それでは、さよなら〜( ᐙ)/