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真夜side
私はどうしたかったんだろう。
「真夜。」
さっくん(綿貫桜哉)に呼ばれ、私は首を傾げる。
「どう、したの?」
さっくんは私の頬を優しく包む。
小さい頃、私が悲しい時、やってくれる行動だった。
さっくんは決まってこう言う。
「真夜は、俺に嘘、つかないよな?」
私は黙ってしまった。
嘘が嫌いなさっくんに嘘をついてしまうかもしれないからだ。
「…うん。」
やっとの思いで出した声にさっくんは、優しく笑って私の頬から手を離して、頭をいつものように撫でてくれた。
この一室は私の好きな物を集めた部屋なんだってさっくんが、目を覚ました私に言ってくれた。
寝具には私の好きなクッション、狐のぬいぐるみ、ふわふわの布団。
まるでこの世で1番、私のことをわかってるんだって言っているみたいだった。
さっくんは私に大きな水色のクッションを持たせて、言った。さっくんは、私が持つ水色のクッションをフニっと触る。
「ふわふわだろ?俺が買ってきたんだ。」
私は、うん、と頷いた。
私はクッションを見て、泣きそうになる。
(「真夜ちゃん。」)
私のことを大切に呼んでくれる彼。
私の手を引いてくれる彼。
私と一緒にご飯を食べてくれる彼。
私にバトミントンとカバディを教えてくれた彼。
山崎さん。
優しい、あなたに会いたいです。
あなたに、好きと伝えたかったんです。
「…、真夜、ごめんな、」
私、知ってるよ。さっくん。
さっくんたちは、椿に逆らえないんだって。
私、わかってるよ。
さっくんがなんで、私と一緒にいてくれるか。
私が泣かないようにだよね。
「だ、大、丈夫、だよ。さっくん。」
しょうが、ないんだよ。
私はなんと言われても、椿と契約しないといけない。
さっくんは私に抱きついて、私の肩に顔を埋めた。私はそんなさっくんを受け止めることしかできない。
「ごめんなぁ、ごめんなぁ、まよる。」
さっくんの声はどんどん、涙声になっていた。
私はさっくんの頭を撫でながら、
「大丈夫だ、よ。だい、じょうぶ、」
こんな言葉しかいえなかった。
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ネコの退屈