2章:生と死。
17話:結果と銃罪
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
導奇秋
→視覚 生死を導く能力
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〈注意〉
暴言表現(誹謗中傷)のシーンがあります。原作よりかなり柔らかい表現にし、センシティブ設定を付けていませんが、苦手な方はお気をつけ下さい。
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「はい、先生!そこは分配法則で展開し、カッコを外してから計算します!」
俺はガキの頃から頭だけは良かった。成績は常に上位だし、将来も安泰だろうと家族に言われるほど。
だが…
「またダインだよ。」
「天才アピールうざいよね」
「わかる〜ww」
「ぁ…、…おはようみんな。」
「…。」
「俺、手伝うよ…?」
「…ダインはあっち行ってて!」
「ねぇ…、」
「うざいんだよ、ガリ勉。死ね。」
俺は孤立しているのが自分でもわかるほど、学力のことでいじめられた。
大人じゃない、同学年のガキとして認めて欲しかったのに…
…バカは簡単に人を傷つける。
「嫌いだ」
頭の悪い奴は大がつくほど嫌いだ。
そう感じてから俺は人と群れることを避け、自ら孤立の道を選んだ。
そのまま秀才として俺は育つ。
両親の勧めで、とある教授のもとで勉強することになった。教授は厳しくも暖かい人だった。
「明日は…人生で初めて俺の研究結果を発表する日…!!」
俺の研究結果は複雑で、ネットで一気に配信した方が多くの人に見てもらえると判断された。
教授も応援してくれていた。
大丈夫だ。
きっと人のためになる。
俺の努力が報われる日になる。
そんなくだらない想いを持って、インターネットに配信した。
「なにこれ」「誰でも分かるだろ」 「すごい」 「変なの」「どういう事?」「バカじゃねwこいつww」 「なるほど」 「新人?」「みたいだな」 「大発見だよ」 「←全肯定ニキ」「分からせてやろうぜ!」「叩く?w」「www」「消えろ」「くだらない」「ばーかww」 「やめなよ!」 「しね」「二度と来んな」「いらない」「はい、さようなら」「自称天才さん」
「え…?」
俺はあの日、一生分の誹謗中傷を受けた。
何が違ったんだ?
どこを間違えた?
いや、違うのはこいつらだ。
「俺とコイツらは生まれたときの材料が違ったんだ…。」
そう、言い聞かせるしかなかった。
「哀れですね」
俺が五当主になったのはこの一言でだ。
「は?お前、一体…」
「私はフレイ・ターシス。とある方に従うただのメイドですよ」
そのままフレイは俺に銃を渡してきた。小柄な見た目に反して、押し付けるような強さで渡されたため印象に残っている。
「それは我が**主**からの贈り物です。ダイン様。私たちの仲間になっていただけませんか?貴方が…」
俺は今でも何故だかわからない。だが、こいつらなら俺を…
ダイン・ソウルを、認めてくれると思った。
俺が五当主になって数ヶ月。教授の一番弟子のクル・レイニーと雑談する機会があった。
「そっか!ダインも先生のもとで勉強してたんだね〜♪あ!そうそう、僕今度、自分の研究を発表するんだ♪」
「…どんな内容だ?」
「そ・れ・は・企業秘密?だけど、プログラミングシステムを大幅に変化させた新しいロボットだよ♪」
クルは自信に溢れるような、でもどこか諦めているような瞳で語った。
「ダインも応援してね〜♪」
「…。あぁ。」
どうせ、こいつも。
そんな気持ちで返事をした。
どうせ…
「では登場してもらいましょう!今世紀最大の天才、クル・レイニーさんです!!!」
「みんな〜!こんにちは♪」
ー奴は天才と呼ばれた。
俺はわからなかった。
なんでこいつが?
俺より年下で、ヘラヘラしてて
俺の方がガキの頃から…
なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんでなんで!なんで!!!
ー教授は知っていた…?
俺は教授を撃って逃げ出した。
誰もいらない
「俺を認めてくれたのは教授じゃない」
「主だけだ。」
暗闇の中、怪しげに光を反射している銃に俺は目を落とした…。
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