※誤字脱字・nmmn・学パロ
ご感想お待ちしております。誰のセリフかわからない等、質問はいつでもお答えします。(訂正も加えます。)
受け取ったから 小柳ロウ
満開の桜は散ってしまい所々が緑色に染まり、慌ただしい4月は言っという間に過ぎようとしていた。この学校の2年生は特に学校行事が多いと言われている。体育祭、文化祭等は学年共通だが、学年行事が多いのがこの学年の特徴だ。5月に入ろうとしている今、新しいクラスで仲間意識を高めようとオリエンテーション合宿を行うらしい。
俺にとってはあまり嬉しくない行事だ…はじめましての人が多い中、一緒に自然の中でグループ活動なんて…それに1年の時に行ったホテルとは環境が全然違う。部屋とか風呂とかきっとホテルより綺麗ではない…地獄すぎるだろ…。先生が合宿に関する資料を配り説明をする中、外で体育を行っているどこのクラスかもどの学年かもわからない人達を眺める。
各々で班決め男女比はとはない。この声でクラスが一斉に賑わった。まぁ俺は適当に人数の合わなさそうな男子のグループに…
「…ぁ、」
何処か入れそうな所はないか辺りを見回していた時だった。横をチラッと視線を動かすと隣の席の奴…星導と目が合った。
「あ、小柳くん一緒にグループ組みませんか?」
「はぁ…!?いや、なんで…」
「何でって…組みたい人だから…ですかね?」
クラス全体を見回し、「大体のグループは出来ちゃってますからね~…余り物には福があるとか言いませんか?」と言いながら立ち上がり、俺の意見なんか言わせる隙を見せずグループ用紙を取りに行こうとしていた。なんだよ…組みたい人って…不思議に思いながら再び窓から外を覗こうとした時だった。
「ちょっ誰か!2人で組んでる人いない!?」
勢いよく扉が開き、そっちへ目を向けると高校生とは思えない程幼い顔立ちをした男…?が立っていた。
「どうしたんですかね?」
教室が急な訪問者にざわつぎながら俺の席へグループ用紙を置き、男のことを凝視しながら星導は言った。
「二人組って無理なお願いですよね~。大体4人とか6人なの…に…。」
用紙へ名前を書いていた星導の手が止まった。
「…どうし…」
「やぁやぁそこの”お二人”さん。」
急に手が止まったことに突っ込もうとした時、自身に大きな影がかかっていることに気づき顔を上げる。そこには、先ほどクラスに来ていた男が星導の後ろから用紙をひょいっと取り笑顔で挨拶をした。二人組って…まさか…。
「あ、どこかで見たことがあると思ったらライじゃないですか。どうしたんですか?」
「ちょっ!酷くない!?去年同じクラスだったよね!?」
「いやいや~…俺忘れっぽくって…。」
どうやら星導はライ…?と顔見知りらしい。忘れるなんてことあるのか…?やっぱ色々な奴と関わってると忘れるのか…?
星導は書いていたペンを置き、話を聞く姿勢を取った。
「虚言癖やめろ。」
ライはやれやれと言わんばかりの態度で言った。
「るべち嘘何て付きません~」
「キモ……って今まで何回その言葉を聞いたと思ってんだよ…!だから虚言癖って言われんだよ虚言癖!」
まぁ確かにコイツはだいぶ胡散臭いが…去年の星導は一体どんな奴だったのか…少し好奇心はあるものの聞くと話が長くなりそうだ。そう思い二人の小競り合い?が終わりを迎えるまで静かに窓を眺めることにした。
「って…こんなくだらないことに時間割いてる場合じゃないんだよ…」
小競り合いが静まったかと思い、もう一度二人の方に視線を戻すとライがやってしまった…と険しい顔をしながらグループ用紙を取ろうとしていた。
「るべ俺たちもこのグループに俺たちも入っていい?」
と一言、まぁさっき見て聞いた感じ悪い奴じゃなさそうだが…
「えぇ俺は全然大丈夫ですよ。ウェルカムです。」
満面の笑みで答える。でもどこかスッキリとしているようにも感じ取れる…きっとさっきの小競り合いに勝ったとでも思っているのだろう…
「小柳くんは大丈夫ですか?」
顔を上げ、俺にペンを差し出すように言った。きっとこれはペンを取るとイエスと言う回答になるだろう。まぁ…他の全く知らん奴と一緒にいるよりかはマシか…そう思い差し出されたペンを受け取る。俺の受け取った様子を見てライは安堵の表情を浮かべた。そして名前を記入しようと机の上の用紙に視線を落とした。そこには、星導ショウ、伊波ライ、そして緋八マナと書かれていた。コイツがきっとライの連れだろう。緋八…緋八…?どこかで聞き覚えがあるような…。まぁいい、俺が名前を書き終えるとライは「助かった~ありがとっ!」と嬉しそうに教室から去っていった。
「小柳くんごめんなさい、勝手に決めてしまって…。」
隣から申し訳なさそうな声が聞こえる。この少し胡散臭い声は星導だ。
「…別に」
「そうですか…では改めてよろしくお願いします。」
「…ん、」
コメント
2件
オリエンテーション合宿、何が起こるのか楽しみですね🤭kyngとhbtはどういう関係なのかも気になります,,,!!次回も楽しみに待っております