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あれから数年の時が流れ、榎煉と私は大学生になった。
榎煉は医学部に入り、医者を目指しているらしい。なんでも、病気になって辛い思いをする人が少しでも減ってくれたら俺は嬉しい…だって。
そして今日は手術日と重なり、卒業式に出られなかった榎煉の為に二度目の卒業式を行うことになっている。しかも休日の誰も居ない高校で。
「あ!先生!」
「大きくなりましたね、みなさん。」
「そういや、榎煉は?」
「もうすぐ来るよ。」
門の前で榎煉を待っていると、慌てながら走る、榎煉が見えた。
「黒川ー!おっせえぞ!」
「ごめん」
「ほんっと、誰の為だと思ってんのよ。」
「はいはい、それじゃあ始めますよ。」
榎煉、ほんとに今まで色んな事があったね。でも、これだけは言えるよ。私と付き合ってくれてありがとう。それと、生きててくれてありがとう。
「鈴木芽依!」
「はい。」
私にとってかけがえのない時間をくれてありがとう。
「以上で!○✕高校53期生は本日をもって卒業します!」
私達にはこれから、色んな事を経験すると思う。それでも、この高校であった数年、数日を忘れることは絶対にない。
「榎煉。」
「どうした。」
「生きててくれてありがとう。」
綺麗な黒髪に戻った榎煉はより一層、太陽に見えた。
「誰?あのイケメン。」
学校の外から金髪のギャルたちがこっちをみている。
「すみません…あの不良は私の彼氏です。」