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前から温めていた銀河鉄道の夜のパロディです( > · <⸝⸝^
かなり長いので前後半に分けています。
自分で言っちゃうのもあれかもしれませんが本当にめちゃくちゃで変なんで…、なんでも大丈夫だよって方だけ見てください🥹
crxv nmmn
青橙(ほぼ友愛です)
橙視点
死ネタ
年齢操作(14、5歳だと思っていてください)
「銀河鉄道」
晩夏のある夜、今日は少し幸せな気持ちで布団に入った。
夕方からお祭りがあったからかクラスメイトに呼び出されていじめられるというのがなかったからだ。その上、早く帰って妹の宿題を見たり、弟を早く保育園へ迎えに行けたりと家族といつもより一緒に居れたと思う。それだけでなく、父親もまだ帰ってきていない。
一緒の布団でうとうととしている一番下の弟の頭を撫でながら何気なく窓の外に目をやった。嗚呼、カーテン閉め忘れたなと一度起き上がって閉めようとしたその時、気分が良かったからか特に理由はないけれど星が見たいと思った。ガラッと小さな窓を開けそこに顔を突っ込んで辺りを見渡す。田舎町の…、その上外れの方なこともありたくさん星が見える。その中に白いもやのようなものもあった。銀河だ。肉眼でも見えることに驚きつつ、いい夜だなと瞬いているそれらをぼーっと眺めた。
だんだんと瞼が重たくなってゆくのを感じてきた頃、温かい布団の中に戻った。今夜はよく眠れそうだ。
しかし、この小さな幸せな日も早くに明けてしまうのだった。
怒鳴り声で目が覚めた。
横に置いてある時計を見るとまだ三時を指していた。辺りは真っ暗…、夜中であった。
まだ響き続ける怒声、微かに聞こえる啜り泣く幼い声。壁が薄いためよく聞こえる。これは…、三男だろうか。俺が寝る前にはちゃんと同じ部屋で寝息を立てていた。隣で寝ている他の兄弟が寝ていることを確認して、恐る恐るドアを開けリビングの方を覗く。弟は首根っこを掴まれて泣いていた。
咄嗟に二人の間に飛び出し父の手を掴む。きっと今回もどうでもいいことなのだろう。
「お父さん…!」
「もうやめてーや…」
「俺も怒っとくからっ」
今度はこちらに向いてくる乱暴な声と増える傷は正直怖い。どうしようもなく。それでもこの子は、弟はどんなに怖かったのだろう。痛かったのだろう。盗み見た小さな腕にはたくさんの痛々しい痣があった。
感覚が薄れていく中で、ふと近所迷惑だろうなと思った。申し訳ないなと思った。しかしそれと同時にアパートだから隣人は気づかないはずがないのに、なんて考えてしまう。別にどうでも良いのだけど。
数年前に母が死んでから父は変わった。本当に変わってしまったのだ。病気だろうとなんだろうと子供に手を出す免罪符にはならない。
全部全部大嫌いだ。
ガンッとすごく嫌な音がして頭がズキンと痛み、頭を打ったのだと理解する。薄く目を開けると弟が泣きながらこちらを覗き込んでいた。
父はまだ苛立っているのか舌打ちをしてから弟の後ろに歩いた。もう長く耐えたというのにこれ以上何を奪うというのか。
変なところを打ってしまったのか痛くて立てやしない。このままじゃだめなのに…。俺が守らんとやのに…。
「お兄ちゃん…っ」
嗚咽混じりで呼ぶ弟の声が嫌に遠くに聞こえた。
ゴトンゴトン…
橙「ん…ここ…?」
青「あ、起きた?」
ぼーっとする頭でうんと頷く。ここはどこだろう。目を擦り辺りを見渡そうと顔を上げる。
青「おはよ」
橙「んんー…、へ、?」
橙「しゃ、青…⁉︎」
青「青だよ‼︎(目細」
なんの冗談だろう。目の前には懐かしい彼がいた。
気づけば目頭が熱くなって、久しぶりだねと笑う姿があまりにも親友のそれで、ついには涙が止まらなくなってしまう。
青「驚いた?」
橙「嗚呼、なんで青が…っ」
橙「青っ(抱」
青「ふふ、久しぶりだね…(ゝ返」
橙「ほんまに、置いてきやがってっ(泣」
青「ごめんね(涙拭」
青「少しは落ち着いたかな?」
橙「すまんな、嬉しくて(笑」
青「俺もまた会えて嬉しいよ(笑」
橙「あ…、ちゅーか俺なんでここにおるんやろ…?」
青「んーと、話せば長くなるんだけど…、橙が気がかりで毎日お願いしてたんだ」
青「そしたら、橙がもうすぐここに来ちゃうから会って追い返してきなさいって云われちゃったんだ(笑」
橙「…?誰に?」
青「うーん、内緒」
青「ここは夢とでも思っておいて♪」
笑顔が、声が、仕草がどうしようもなく懐かしかった。
青は一年前に事故で亡くなっていたはずだった。俺を遠ざけずに普通に接してくれた唯一の親友。夢でもなんでも、また会えて嬉しかった。
橙「というかここどこや?」
橙「…列車?、やんな?」
青「お、せーかいっ‼︎銀河鉄道だよ」
橙「銀河鉄道…?」
橙「宮沢賢治の?」
青「そんな感じ…うーん俺もよくわかんないや(笑」
青と懐かしい話をして笑い合っていると、ふと、ものすごく時間が経ったような気がすると思った。青と会ってから…、夢を見始めてからまだ五分くらいしか経っていないのに。明晰夢は時間の感覚すらあるのかと感心まで覚えた時、ハッとした。弟は、他の兄弟はどうしているのだろう。俺が寝ていたらだめなのではないかと。
橙「…あ、‼︎」
橙「…あのな、青…」
橙「○○が…っ俺帰らんと…」
青「…あー、知ってるよ(頭撫」
青「○○くんは大丈夫だよ」
橙「え…、」
青「あのね…、」
青「…その」
青「今橙は死にかけてる…、」
橙「え、⁉︎」
青「でも俺が向こうにちゃんと返すから安心して‼︎」
橙「ほんま…?」
青「打ちどころが悪かったって聞いてる…どこかぶつけなかった?」
橙「あ…そうかもしれん」
橙「でも俺っ…」
青「大丈夫、絶対に死なせないから(撫」
こんなことを聞かされては落ち着かないものでそわそわと移り変わる景色を見たり、懐かしいと青の顔を盗み見たりしていた。
ゴトンゴトンと揺れる車体、談笑している数人の乗客、妙な暖かさ。暗くて外はあまり見えないけど、確かに列車に乗っているようだった。
向かい合う形の座席は少し珍しい気もするが、それも含めて雰囲気が出ていた。
しかし妙な現実味を帯びているそれらは、どこか欠けている。青の言うとおりこれは夢なのかもしれない。これが夢なのならば余計寂しくなることはわかっているのになぜこんな夢を見てしまうのだろうか。
青「あ、そろそろ雲抜けるよ」
橙「雲?」
橙「わ⁉︎きれー…」
青「綺麗でしょ(笑」
橙「綺麗やな…」
青「変なところだよねえ」
トンネルを抜けると数えきれないほどの青白い星々や花火でいっぱいのような天の川が輝いていた。その綺羅星や銀河の光を受け芒が金色の波を立てている。更に、風花なのか真上には雲はないはずなのにどこからともなく雪が降っていた。どこまでも変な世界なのだなと思う。
橙「わっ(笑」
橙「青、竜胆咲いとる‼︎もう秋なんやなあ(微笑」
青「ここの竜胆は萎まないらしいけどね」
橙「えー枯れないん?ほへぇ…」
青「ふふ、もうそっちは秋なんだね(笑」
やけに暖かい空気に耐えられず、窓を開けてつんとした風を飲み込む。
見渡せば芒の隙間から竜胆の青やら紫やらが顔を出して笑っていた。列車に乗っているから次から次へと花々がやってくる。霧がかった原はどこまでもどこまでも続いているように思えたんだ。小さな列車は銀河の天の原を切り裂くように駆けて行く。
何気なく外に顔を出し前や後ろを覗いているとあることに気がついた。架線がないのだ。架線もなければ石炭が燃えるときの油の匂いもしない。
橙「あれ…これってどうやって走ってるん?」
青「走ると決まっているから走っているんだって教えてもらったよ」
橙「だ、…っ、そうなんや」
青「電気でもないし石炭も炊いてないし、あの時のおもちゃみたいにアルコールランプでもないって」
青はいつの間にかどことなく大人びているようで俺にはよくわからない難しいことを言ったけど、「誰に教えてもらったの?」という出かけた言葉は飲み込んだ。きっと俺にはまだわからなくてもいいのだと直感的に感じたからだった。
ぼんやりとまとまりのないことを思っていたその時、一際大きく車体が揺れた気がする。それでも音を立てずに列車は川の上を渡って行くのだった。すると、もうすぐ白鳥の停車場に着くよと青が微笑んだ。少し遠くに十字架が見えていた。
間も無く駅に着くと、乗客達は一斉に降りて行ってしまい、がらんとした車室に青と俺の二人が残された。「俺たちも行こうか」と少ししてから駅へと降りて行くと、改札口のない無人の駅、時計の下に小さく書いてある「車停分十二」の看板、水晶細工のような銀杏の木。よく覚えていないけどこんな描写があった気がする。もしかしたら俺は今、「銀河鉄道の夜」の世界にいるのかもしれない。
もう誰もいなくなった白い道を歩いて河原へ行くと水晶の小石が確かにたくさんあった。何より中が燃えている小石と水銀色に煌めく水が綺麗だった。
大学士の言っていたことはよくわからなかったけど、幼いとき一緒に裏山で遊んでいたことを思い出しながら風のように駆けるのはとてもとても楽しかった。
白鳥の停留所、化石を発掘していた大学士、隣に座ってきた鳥を捕る人、その彼がくれたチョコレートのような雁、アルビレオの観測所。様々な人と出会って様々な場所を見て、早く帰って目を覚まさないといけないのに楽しく思えてしまう。それに青が隣で笑っていることが何より嬉しく楽しかったんだ。
きりが悪いですが一旦ここで切ります。
見てくれた方ありがとうございます♡💬👤よければぜひ> ̫ <
銀河鉄道の夜は著作権がもう切れていたはずなので青空文庫とかにあったはずです。多分‼︎←
面白い名作ですのでよければ見てみてくださいね🐹🤍