さゆり23才

時計の針は進み、退勤の時間になろうとしていた。

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今期入社した皆さんは来週、健康診断を受けてもらいますのでそのつもりをしておいて下さい。

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上司からの言葉に動揺するさゆり。

隣の同期は何食わぬ顔で話を聞いている。

学生の頃は学校で身体検査があったのだが、社会人にもなると病院で健康診断をするのが一般的だ。

去年まで、とゆうか先月までであればなんの問題もなかったであろうことも、今のさゆりにとっては何もかもが一大事である。

23才の女性がつけているのはパンティではなく赤ちゃんと同じ紙おむつ、

しかもいつ漏らしてしまうかも分からないのだから…

考えると気が重くなる。

就業のアラームが鳴り、帰り支度を始める社員たち。

さゆりも帰る準備を進めていく。

帰る準備と言ってもまだ入社して間もない新人社員は特に片ずける物もないのですぐに帰れることになる。

先輩や同期に気づかれないように早足で会社を抜け出す。

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