【注意書】
・この作品はnmmnです
・ご本人様とは一切関係ありません
・誤字脱字、表現のおかしい所などあるかもしれません
・ヴァン🏺
・R-18
・初投稿
少し無理矢理表現あります。 苦手な方はお戻りください
思ったより長くなってしまった
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『特殊刑事課つぼ浦匠、ON DUTY!!』
『ナイスデューティー/おはようございます!』
今日もいつものように無線を入れ、一日が始まった。
今日も大型犯罪が起こっている中、銀行強盗の通知が鳴る。
「銀行強盗…..行くか!」
1人本署に残っていた俺は、ガレージからジャグラーを出し、サイレンを鳴らしながら標識をなぎ倒し走り出した。銀行に着いてみると、やはり皆忙しいようで、来ている警察は俺1人だけだった。
「特殊刑事課つぼ浦現着!!おい犯人!人質解放の条件はなんだ!」
「なんだ、つぼ浦1人か?じゃあ解放条件は2分アタック禁止で」
そしてカーチェイスが始まった。俺は犯人の車目掛けてお得意のアタックをお見舞する。が、犯人に避けられそのまま壁に激突。ジャグラーは煙を吹いて動かなくなってしまった。
「ちくしょう、やられたぜ!」
やはり1人では厳しかったか。犯人の車はとっくに逃げてしまった。仕方ないのでインパウンドしようとすると、
「…ん?つぼ浦じゃないか。何してるんだここで」
黒いスポーツカーが横に止まり、話しかけてきた。ボンネットにはMOZUと書かれたステッカー。窓から見えるのは白髪に黒のサングラスをかけた男性。渋い声でそう話しかけてくるこいつは、MOZUのボス。
「あ?てめぇヴァンダマンじゃねえか」
「ヴァンダーマーだ!で?何してるんだ。
….まあ、大方チェイス中に失敗して逃げられたってところか」
後ろで煙をあげているジャグラーにちらりと目をやって言う。…もしかして今バカにされたか?
「なんだぁ?テメェ、用がねぇなら帰れ!」
「ああ、いや、お前に用はあるんだ。」
そう言うとヴァンダーマーは車から降りて、近づいてくる。
「あ?何の用だよ、っ!?」
近くに来た瞬間に突然、カチャリ、と腕に手錠がかけられる。咄嗟のことで反応出来ず、あっという間に捕まってしまう。
「おい!何すんだ!!外せ!!」
「断る」
(クソ、無線……は、入ってなかった…..!!来る前に報告もしてねぇ…..!)
「おいっ……ん゙?!」
口元に布が当てられ、意識が遠のく。
気を失う直前、ヴァンダーマーが笑う顔が見えた気がした。
「堕としてやる」
「ん゙んっ……ぅ…」
目が覚めると、俺は見知らぬ部屋のベットの上で仰向けに寝かされていた。
「は……どこだ、ここ……」
手は頭上で手錠で一纏めにされていて、更にロープでベットに繋がれている。いくら引っ張っても取れそうになかった。そもそも、なんでこうなってるんだ?気を失う前のことを思い出す。…….そうだ、あの時、ヴァンダーマーに手錠をかけられ眠らされて
「起きたか、つぼ浦」
ふと声が聞こえそちらを見ると、この状況を作り出した元凶であるヴァンダーマーがそこにいた。ベッドの横にある椅子に腰掛け、その顔には妖しげな笑みを浮かべている。
「ヴァンダーマー……なんのつもりだ?俺を攫ってもいいことなんてないぞ」
睨みつけると、ヴァンダーマーは小さく笑いをこぼしこちらに近づいてくる。
「私にとってはいいことがあるんだよ。それと……こうするつもりだ」
そう言ってヴァンダーマーは俺にキスをした。
「…..ッは!?」
まさかそんなことをされるとは思っておらず、少し遅れて自分がされたことに気付き、カッと顔に熱が集まる。
何考えてんだ!?こいつ、まさか俺に気があるっていうのか!?
「っはは、真っ赤じゃないか、つぼ浦。キスひとつで。」
「キスひとつって、お前…….ッ!やめろッ!」
また顔を近づけて来やがったので全力で暴れてそれを拒む。ガチャガチャと頭上の手錠が耳障りな音を立てる。
「チッ、やはり簡単には無理か。」
「あたりめぇだろうが….!!」
何を言ってるんだこのオッサンは…..!!
と、心の中で悪態をつく。
「仕方ない。なら、コレを使うしかないなぁ?」
そう言ってヴァンダーマーは懐から注射器を取り出す。中には蛍光色のピンクの液体が入っており、怪しく揺れていた。ギャングのボスが勿体ぶって取り出すようなものだ。怪しくないわけがない。だが、警察をやっていて薬物や危険物の類は大体見てきたと思ったが、それは見たことも噂に聞いたこともなかった。
「なんだ…..それ…..」
「媚薬だ。とっておきの、な」
「はァ?びやく?んだそれ」
「なんだ、知らんのか。媚薬は気持ちよくなれるクスリのことだ。興奮剤だな。今からお前にこれを打つ」
「なっ、!!」
ンなもん使わせてたまるか、と思い暴れようとする。しかし、強い力で押さえつけられ、思うように動けない。
「ふざけんな!!テメェ!やめっ…..い゙ッ、」
首に痛みが走り、液体が流れ込んでくる感覚がする。最悪だ………!!
「即効性もあるからすぐに効果が出ると思うが…..少し様子を見るか。」
ヴァンダーマーはそう言って俺の服に手をかけた。上は切られて、一枚一枚、丁寧に脱がされる。妙に優しい手つきがくすぐったい。
こいつ、本気で俺のこと…..!
結局全て脱がされ、腹の辺りを優しく撫でられる。
「まじでっいい加減に……..?」
おかしい。
抵抗したいのに何故かうまく力が入らない。それどころか触られている場所がじんわりと熱を持ち始めた気さえする。
「そろそろか」
みるみるうちに体温が上がり、息が荒くなる。 身体中が沸き立つように熱い。
「はーっ、はーーッ……なんだ、これッ….体が、熱いッ?」
「効き始めたようだな。気分はどうだ?つぼ浦」
「最悪だッ…….ッふ、」
腹を撫でられたまま、またキスをされる。
あろうことか舌まで入れようとしてきて、固く閉ざした口をチロチロと舐められる。ふと、腹を撫でていた手が下にのびる。急な刺激に驚きつい口を開けてしまった。
「んなっ….んッ!?ふぅッ…….んぅ….ぅ」
するとすかさず舌が入り込んできて、口内を蹂躙される。上顎を舐められ、舌を吸われる。その感覚が慣れなくて身を捩らせた。
「んんッ……..んッ…….ぅあッ……」
呼吸するタイミングが分からなくて少し息が苦しくなってきた頃にようやく口が離れる。目線を上げるとニヤリと笑うヴァンダーマーと目が合った。
「深い方のキスは初めてだったか?」
「ッ!クソッ…….さっさと、はなしやがれ…..!」
「はっ、それは無理な相談だなぁ」
そう言ってヴァンダーマーは俺の物を扱き始める。薬のせいで普段よりも数倍感度が上がっているソコは、ほとんど触れていない筈なのにしっかりと勃ち上がっていた。
「ひっ……!やめッ……ぅあっ…..んッ、ふッ…..ぁッ」
上から下まで丁寧に扱かれる。先端をグリグリと押されると、強い刺激に腰がピクリと跳ねた。
「ぅ、あ….!….ふッ…..んんッ…..や、めッ…..」
「つぼ浦、一回イってみろ」
ヴァンダーマーはさらに手を早く動かす。
これ以上は…..!
「あッ、やッ….ひぁっ…..あ゙ッ、イ゙ッ」
キュッと体に力が入り、強い快感が全身を襲う。腰がビクリと跳ねて体が震える。余韻でうまく頭が回らず、半ば呆然として肩で息をする。俺は、こいつにイかされたのか?嘘だろ……
「よし、次はこっちだな」
ヴァンダーマーはローションを取り出して俺に垂らす。
「ひっ、つめたっ、」
垂らしたローションを手に取り、馴染ませるように尻の穴を撫でられる。ローションがグチュグチュと音を立て、それが嫌に耳に届く。その音と、普段触られることがない所を触られている恥ずかしさで顔が燃えるように熱くなる。
「テメェ、どこ、触ってッ」
「知らないか?男同士ではここを使ってするんだが」
「んなっ、」
「入れるぞ。力を抜け」
「はっ?まっ、い゙ッ」
くるくると縁を撫でていた指がつぷりと入ってくる。
「やめっ、ぬけッ…..!」
なぜか痛みはそれほどないが、異物感と不快感が体を襲う。動かない手を強く握って不快感に耐える。そんなことは気にもせず、指は中を押し広げるように奥へ進んで行く。
「ふッ…..ぐ…..」
その時。
「ぅあッ……!?」
指がある1点を掠めた瞬間、不快感とは違う別の感覚がパチリと弾けた。ヴァンダーマーは、見つけた、とばかりに笑みを浮かべ、しこりを責めはじめる。指の腹で撫でられ、不意にぐっと押し込まれる。かと思えば爪でコリコリと刺激され、声が漏れてしまう。
「んっ、あ゙ッ…そこっ、やめッ….ッふ、なん、か、変ッ、だっ….ぁっ…」
「ここがイイのか、つぼ浦」
「!やっ、ちがっ、あ゙っ….ひぁッ….」
指はいつの間にか二本、三本と増えていき、グチュグチュと中を掻き回され広げられる。増えた指でしこりを挟まれたり、押されたりするとゾクゾクと快感が背筋を伝った。少ししてずるりと指が引き抜かれる。
「はーーッ、はーッ、もっ、やだ….」
「本番はこれからだぞ?」
ヴァンダーマーは自分のモノをあてがう。その大きさに目を見開く。あれを、入れるって???
「まっ、そんなの、入らなっ、ぅぐっ….!」
ゆっくりとヴァンダーマーのモノが入ってくる。さっきまでの指とは比べ物にならない圧迫感に息が詰まる。だけど、それも一瞬で。しこりに届いた瞬間、ビリッと快感が全身を駆け抜ける。目には生理的な涙が滲み、視界が霞む。そのまま奥まで進んで来て、ピタリとくっつく。
「全部入ったじゃないか、」
満足そうに笑うヴァンダーマーはそう言って腹の上から形をなぞる。それだけでビクビクと体が跳ねた。
「ッふーーっ、ぅ、ぁ….」
「大丈夫そうだな、….動くぞ」
トントンと慣らすような緩やかなピストンが始まる。時折しこりをグリグリと押されて腰が浮く。
「あっ…んッ…あ゙ッ….やッ、ぬけ、…ぅあ゙ッ…!」
段々ピストンが速くなり、それに応じて快感が上り詰めてくる。
「あ゙、ッあ、ん゙…ぅあ゙…あッ、あ゙ッ…やっ、あ゙ッ、〜〜〜!」
ぐりっと強くしこりを押されたその時、視界がパチパチと明滅し、より一層強い快感が襲ってくる。気がつくと俺のモノは白濁を吐き出していた。
「はーーッ、ぁ、」
「もうイったのか、コッチの才能があるんじゃないか?」
「なッ、ちがっ、これはッ、薬のせいでッ…!」
「くくっ、ああ、そうだな、薬のせいだよなぁ」
先程よりも速くなったピストンが容赦なく中を突く。イッたばかりで敏感になっている中を刺激され快感にうち震える。
「あ゙ッ、まっ、いま、むりっ、ッぅあ、や、ぁッ…ひッ….っあ、イ゙ッ…..?!」
「ダメだ」
またイきそうになったその時、キュッと根元を握られ、行き場を失った快感がグルグルと腹の中で渦巻く。
「っあ、なん、はな、せッ」
「出さずにイけるようになったら離してやる」
「はぁ?!んなの、無理にきまって….!」
「それはやってみないと分からないだろう」
そう言うとヴァンダーマーは俺のモノを強く握ったまま動き始める。痛いほど握られているのに、イきそうだったのを止められ昂っていた体は快感を拾う。
「ひッ…あっ、やっ…ッゔあ、あッ、ぁ゙….やめっ、ん゙ッ、あ゙っ、ア゙ぁ゙ッ、〜〜〜!!」
感じたことのないほどの強い快感が駆け抜ける。目の前がチカチカして、何も考えられなくなる。全身がふわふわと浮くような感覚だけが残っていた。
「出さずにイけたじゃないか。偉いぞ、つぼ浦」
「ぅ、ぁ…..今、イッ….?」
余韻から帰って来れなくてまだぼんやりとする。俺のモノを握っていた手が離れ、せき止められていた精液が勢いを失い溢れ出してくる。
「まだへばるなよ?私がイけてないからな」
「ぇ、っあ゙!?うあ゙ッ、はっ、あ、ん゙ぅ、ひッ…ゔ…ぁあ゙ッ、あッ、」
「っは、出すぞ」
「まっ、あ゙ッ、ん゙ッ、っあ、や、またッ、
イぐ、イ゙ッ、〜〜〜!!」
中で出されるのと同時にイってしまう。中でドクドクと熱いものが出されているのを感じる。敏感になりすぎて引き抜かれた僅かな振動にすら反応してしまう。
「ぅぁ…..ッぁ、」
終わった…..のか…..?正直もう終わって欲しい。動く力なんて残っておらず、ベッドに沈んだまま荒い息を零す。このままやられっぱなしは癪だと思い出来る限りの力を込めて睨みつけ、悪態をつく。
「変態….!!」
「あ?なんだ、随分反抗的じゃないか。いいのか?そんな態度とって」
「いいだろ!別に!、クソっ、やっぱり、ワクワクセクハラおじさんじゃねえか….!!」
「…..もう一度言ってみろ」
「あ?耳が悪いのか?お前はワクワクセクハラおじさんだって言って、っうあ゙!?」
腰を掴まれ、一気に奥まで貫かれる。その衝撃で頭がチカチカして、少し冷めていた熱がまた盛り返してくる。
「あ゙っ、なん、でッ、おわったんじゃ、っ、
ッゔあ゙、やだっ、あッ、」
「あんなに煽られて終わるわけないだろう」
「あッ、あおってな、ひッ、やッ、あ゙、ん、ふッ、ゔあ゙ッ…!」
先程よりも早く、自分の快楽のことしか考えていないような荒々しいピストンにも体が反応し、キュウと中を締め付けてしまう。
「あ゙ッ、っ゙あ!?やっ、むりッ、ん゙あ゙、ぁ゙あッ!、ッふ、うぁ゙、イぐッ、イっちゃ、あ゙ッ〜〜〜!!」
また中でイく。ヴァンダーマーは俺がイっても動きを止めない。ごちゅごちゅと奥を突かれて、その度にかろうじて残っていた理性が消えて無くなっていくような気がした。
「はッ、ぁ、やっ、いま、むりッ、うあ゙ッ!、っあ゙、お゙く、やらっ、!あっ、ひッ、!あ゙、またッ、イくッ、〜〜〜♡」
自分の声が甘く、甲高い声になっているのを信じられない気持ちで聞く。
「ゔあッ、やらっ、とまって、ぁッ、むり、ずっと、イって、あッ!ぅあ、ああッ、んッ、ふぅッ、んあぁ♡」
ずっとイかされて何も考えられなくなる。バチバチと目の前が点滅し、強すぎる快感に脳がショートする。
「イイ声になってきたなぁ、つぼ浦。気持ちいいか?」
「あッ、ん、きもち、きもちぃ゙、からっ!とめっ、て、あ゙ッ、ゔぁん、だッ、まぁ♡」
「!なんだ、可愛いことも言えるじゃないか」
「うあッ、かわいく、なッ、んんッ!?」
口を塞がれ、また口内を蹂躙される。それが気持ちよくて、ほとんど本能で自分から舌を絡める。
「んっ、うぅッ、んぐっ、ッふ、んぅ、んん♡」
「っはー….イくぞ、」
「んあ゙、あッ、っあ、んッ、あ゙ッ、イくっ、イッ゙、〜〜〜♡」
一番奥に注がれるのを感じる。締め付けすぎて中で形がわかるほどだった。やがてゆっくりと引き抜かれ、あまい吐息が漏れる。
「んッ….ふっ、ぅ…..♡」
「すっかり蕩けきってるじゃないか、可愛いぞ、つぼ浦♡」
「っ!…..」
言い返す気力もなく、恥ずかしさから目線を逸らす。疲労感で今すぐにでも眠ってしまいそうだった。ヴァンダーマーが顔を首元に近づける。軽くキスをしたかと思えば、じゅっと吸われ、鈍い痛みが走る。
「いっ…!?な、なにして」
「マーキングだ」
「はっ?、なん、ッふ」
首元、鎖骨、腰など至る所にキスを降らす。吸われた場所が赤くなっていく。やがて満足したのか、最後に唇にキスを落とす。
「は…..」
その目が慈しむような、愛する者を見るような目に見えて困惑する。
「おい、!ちょ」
「おやすみ、つぼ浦」
手で視界を塞がれる。疲れ切っていた体はその言葉を最後に意識を手放した。
「ぁ゙…..?っ!、腰いてぇ……」
同じベッドで目を覚ます。ヴァンダーマーにされたことを思い出して顔が赤くなる。立ち上がろうとするが、腰が痛くてろくに動けなかった。手の拘束は外されていた。
「ん、起きてたか。調子はどうだ?つぼ浦」
「腰が痛くて起き上がれねえよ!」
扉から現れたヴァンダーマーに文句を言う。
「っははw、まあ水でも飲め、ほら」
「笑い事じゃねえよ!?…..くれ」
水を手渡され一気に飲み干す。飲み終えたところでヴァンダーマーがじっとこちらを見ているのに気づく。
「あ?何見てんだよ」
「いや…..いい姿だな、と思ってな」
「は?…..っ!///」
改めて自分の姿を見てみると服は何も着ておらず、体の至る所に赤いキスマークがついていて、誰がどう見ても完全に事後だ。
「お前っ….!そういうのは早く言えよ!!」
「なぜだ、いい姿だと言っただろう」
「ぐっ、いいから早く服よこせ!」
「わかったわかった、ほら、これ着ろ」
そう言って渡されたのは黒を基調としたシャツとズボン。そういえば俺の服切り刻まれてたな。不服ではあるが裸よりマシなので渡された服を着る。
「…..そういえば、なんで俺にあんなことしたんだよ。普段の腹いせか?」
正直心当たりは山のようにある。普段から好き勝手やっているし、特にヴァンダーマーには色々とやってきた自覚もある。だから余計に、腹いせだと、そうだと言って欲しかった。
「ん?あぁ、それはな….。お前が欲しいからだよ、つぼ浦」
「….は?欲しいってまさかMOZUにか?悪いが俺はギャングには」
「違う。『私』の物にするためだ」
「…..意味が分からないぜ」
嫌な予感がする。じりじりと後退するが、ベッドの上ではろくに逃げ場なんてない。近づかれ、ガッと腕を掴まれる。
「好きだ、つぼ浦」
「へっ…..??しょ、正気か?お前」
「当たり前だ。違ったらこんな事しない」
正面から言われ面食らう。固まっていると、ヴァンダーマーにまた深いキスをされる。薬はもう抜けているはずなのに、ひどく気持ちよくて力が抜け、ゾクゾクと背筋が震える。
「んっ….んぅッ…..ぅ…..ふ….ッぁ…..んんッ…..んぁッ」
「お前が堕ちるまで逃がさないからな」
「ぇ、」
ドロドロと、こちらからは計り知れない程の様々な感情が溶けた瞳と目が合う。深淵を覗いてしまったような、そんな言い知れぬ恐怖感で身体が強ばる。その瞬間、ああ、逃げられない、と悟る。ベッドに押し倒され、頬をすりと撫でられる。
「早く堕ちてこい、つぼ浦」
ドクンと心臓が鳴ったのは、恐怖からなのか何なのかは分からない。
それからの生活は意外と普通だった。家からは出られないが、普通に食事も取れるし、テレビも、スマホも使える。リクエストすればわざわざその飲食店まで買いに行ってくれた。ギャングの仕事で家を空けていることが多いかと思えば、数時間だけ出かけて割とすぐ帰ってくるので案外暇なのかもしれない。普通じゃないとすれば、毎晩犯されることくらいだ。
1週間ほど経ったある日。この日は忙しいようで、早くに家を出て深夜になった今もまだ帰ってきていなかった。
「もしかして今日は帰ってくるの遅いか….?」
幸い食料は冷蔵庫にあるし、1日くらい帰ってこなくても大丈夫だ。テレビを見たりスマホを見たりして過ごす。いつの間にか夜の3時を回っていた。3時も過ぎて、そろそろ眠くなってくる時間だというのに、何をするでもなくボーッと過ごす。することがないなら寝ればいい。だけど、寝るにはまだ早いような気がして。俺は何を待っているんだ?何かを期待している….?その時、ガチャリと玄関が開き、こちらへ向かう足音が聞こえた。
「….!なんだ、まだ起きてたのか?」
「寝れなかったからな。….おかえり」
「ただいま、つぼ浦」
驚いたようにヴァンダーマーはこちらを見る。それも一瞬で、疲れた様子でソファに腰をかける。
「ふぅ…….」
「今日は随分遅かったな、忙しかったのか?」
「ああ、そうだな。….お前、もしかしてわしが帰ってくるのを待ってたのか?」
「っ、え?……」
否定しようとしたが声が出なかった。俺はヴァンダーマーが帰ってくるのを待っていたのか?分からない。不意にヴァンダーマーに抱きこまれる。
「おわっ!?ちょっ、」
この行動も1週間でもう慣れたもので、大人しく腕の中に収まる。膝の上に座らされ、向かい合う姿勢になる。
「好きだ、つぼ浦」
「….おう、知ってるぜ」
「お前はどうだ?わしのことをどう思う」
「どうって……」
「嫌いか?」
「いや、嫌いでは無い、と思うが」
「そうか。なら、正直に答えてくれ。こうされるのは、嫌か?」
頭を撫でられ、手が優しく頬に触れる。
「…嫌じゃない」
「じゃあこれは?」
手が背中や体のラインをなぞる。少しくすぐったくて身をよじる。
「っ、嫌じゃ、ない」
そう答えると、ちゅ、ちゅ、と軽く触れるだけのキスをした後、舌が入ってくる。甘いキスに腰が揺れる。
「ンンッ、っ、んぅ、ぅ、んッ、は、ぁ♡」
「これはどうだ?」
「….いや、じゃ、ないッ…..///」
「普通は好きでもないやつにこんなことされたら嫌なんじゃないのか?」
「っぇ、?」
そう言われ困惑する。確かに、好きじゃなきゃやらない行為だろう。でも嫌な気持ちはしなかった。今までそういう経験が無かったせいで、好き、というものが分からない。グルグルと思考が巡る。
「なァ、どうなんだつぼ浦」
「ぁ、おれ、わ、わかんない」
「つぼ浦」
「な、なんだよ….っ!」
ふわりと頭を撫でられまたキスをする。右手が腰に回され、逃げられないようにぐっと引き寄せられる。ほぼ無意識にヴァンダーマーの首に手をかけ、キスを貪る。数分か、数十分か。長い間舌を絡めあい、口の端から、もはやどちらのものか分からない唾液が溢れ出す。ようやくゆっくりと口が離れ、お互いの間に糸が引く。酸欠で頭がくらくらした。
「んん♡♡ん♡んぅ、ん♡っ、ぅ♡っはぁ♡」
「つぼ浦。好きだ、愛してる」
「っ!///」
「お前は、どうなんだ」
名前を呼ばれて触れられる度に、力が抜けて何も分からなくなる。
「なぁ、つぼ浦」
「わ、わかった、わかったから!….俺も、す、好きだ…..多分」
恥ずかしくて声がしりすぼみになる。それでも聞こえていたようで、ぎゅっと強く抱きしめられる。
「ちょ、おい、苦しいって」
「ん….あぁ、悪い。嬉しくてな」
口ではそう言いつつも、力を弛める気配は無い。その姿がちょっと意外で驚く。
「…..」
仕方ねぇから大人しく抱きしめられといてやるか。
『特殊刑事課、つぼ浦匠ON DUTY』
『ナイスデューティー!/おはよう〜』
皇帝「おー、つぼ浦!久しぶりだなあ!元気だったか?」
「はい、久しぶりっすね。元気っすよ俺は」
ひのらん「何かあったんですか?」
「ん?まあ、色々な。でももう大丈夫だ」
ひのらん「なら良かったです!!またなんかあったら相談乗りますからね!」
「おう、ありがとなひのらん!」
久しぶりの出勤だがいつも通り仕事をする。キャップをバットでぶん殴ったり、犯人を爆破したり、キャップを車ではねたり….。いつもと違うことといえば───
3時を過ぎて人も少なくなった頃。スマホにメッセージが届いた。それを見て無線を入れる。
『つぼ浦退勤しまーす、お疲れ様でしたー』
人気のない本署の裏には、黒い高級車が止まっている。退勤後、まっすぐ車まで向かい助手席に乗り込む。
「帰ろうぜ、ヴァンダーマー」
「ああ、そうだな。つぼ浦」
───これからは毎日、ヴァンダーマーの家に帰るということだけだ。
終わり
ストックホルム症候群
(Stockholm Syndrome ):
人質や被害者が自分を誘拐、監禁している人に対して好意的な感情を抱く心理的現象
コメント
3件
ハッピエンに見せかけたバトエンで大変心いい意味で乱されました。ありがとうございます。
最高すぎます!!!!!!!! フォロー失礼します🙇