「なんか忘れてる気がする。」
突然、クルルが言い放った。
「なんで?」
サーフィーがキョトン顔で言うと
クルルが、マッコウクジラの
キーホルダーをイジりながら答える。
「分かんないけど、本当に渡してはいけないものを
渡されたような感じなんだ。」
クルルの発言が気になったのか
サーフィーが首を傾げた。
「え?まさかマッコウクジラのキーホルダー?」
そう言い、マッコウクジラのキーホルダーに
視線を移すと鉄でできた少し重そうな
マッコウクジラが目に映った。
「?」
「切れ目が入ってる?」
マッコウクジラの横腹に線が入っていた。
「回転させたら開くんじゃない?」
サーフィーが言うと
クルルがキーホルダーを回転させた。
すると紙切れが出てきた。
「手紙?」
その紙切れを開いてみると
【أهلاً. كيف حالك؟
بحلول الوقت الذي تقرأ فيه هذا
قد لا يكون الأب في هذا العالم.لكن لا تنسى
.أبي يراقبك دائما.】
【翻訳)やぁ元気にしているかい?
君がこれを読む頃には
パパはこの世に居ないかもね。
けど、忘れないで。
パパはいつも見守っているから。】
と記されていた。
これを読んだクルルたちは混乱し
すぐに依頼者にメールを送信した。
【今すぐ来てください!
渡すものがあります!】
サーフィーの手には冷や汗が流れていた。
「は…はい…?どうしました?」
依頼者が到着すると、クルルが紙を渡した。
「受け取ってください。
クジラのキーホルダーの中に
入っていましたのでお返し致します。」
「これは…貰えませんよ。」
『はい。』と依頼者の手に紙をおいて、こう言った。
「貴方は被害者です。
貴方を悪者にしたのは加害者です。」
「当然相手が悪いし貴方は悪くない。
だから安心してください。
脳のない猿の話は聞かなくて良いんですよ!」
クルルが元気よく言うと
依頼者は安心した顔をして、『はい。』と言った。
「加害者を突き止めたよ。
現在大企業勤めで体がすらっとしていて
モデルみたいなカワイイ顔してる子。」
サーフィーがクルルに
パソコンを見せてそう言う。
パソコンの画面には
透き通るような白い肌をした美女が映っていた。
だが二重部分や鼻に違和感がある。
妙に食い込んでいたり凸凹しているのだ。
「整形してるな。バレバレだわこれ。」
クルルが鼻を指さして言った。
「確かに整形してるね。じゃ、元の顔暴いてみるか!」
サーフィーが指パッチンをする。
クルルもニヤリと笑い同意した。
そう…ここからが地獄の復讐劇となるのだ。