それからというもの、わたしはまともにサトルと居ることができなくなってしまった。
『ランダル?もうちょっとこっちにおいでよ』
「いや…ここでいいよ!大丈夫」
サトルは優しいから、わたしが基本何を言っても許してくれる。
でも、不服そうな顔をしていた
はぁ、好き
好きってこんな感情なんだ
ずっと一緒にいられたらなぁ…
「ねぇサトル」
『なぁに?』
「わたしとずっと一緒に居てくれる?」
『もちろん。いるに決まってるよ』
ほらね、サトルは見ての通り優しいんだ。
どこに行くのにも何をするにもずーっと一緒。
この感情をサトルも抱いてくれてないかな。
わたしがサトルを好きなんだから、きっとサトルもわたしのことを好きになってくれてるだろう。
サトルになら何されても構わない。
腕を切られようが内蔵を引きずり出されようが
わたしがサトルを好きな気持ちは変わらない。
それくらい好きなのに
なんで
なんでサトルは平常心なんだろう
「…ンダル…ランダル!」
『えっ?』
『もー、聞いてなかったでしょ?』
「ごめんごめん、考え事しててね。」
『まぁいいけど。』
『それよりランダル、もう起きる時間じゃない?』
「あ、ほんとだ。」
『じゃあね。また今夜』
「うん!」
この瞬間がいちばん辛い。本当はいつまでも一緒にいたい。
ほんと好き。大好き。
「…ダル…ランダル」
『あ、おはよ…兄さん』
「今日もあの少年と会っていたの?」
『もちろん。好きだからね。』
「わお、愛だね♡」
兄さんは時々語尾にハートをつける。きっと可愛いからだろうね。
「ねぇねぇニェン」
『…ンだよ』
「サトルとずっと一緒にいたいんだけど、どうすればいいかな?」
『付き合えば?』
「付き合う…?」
『好きです。って告白すんだよ。それで相手から自分も好きですーって言われたら告白成功』
『ひとつ言っとくけど失敗することもあ…』
「ありがとうニェン!わかった!!」
『…あのガキ』
ニェンにいいこと聞いた!じゃあ告白する時の言葉をニョンと考えよっと
ニョンはドラマとか見てるし、そういうのに詳しいだろうし。
「ニョン」
『ひぃっ…』
「そんなに驚かなくても」
『右手にナイフ持ってたら誰でも驚きますよ…』
「えー?そう?」
『もちろん…』
「てかそんなことより、わたしと一緒に告白の言葉を考えてくれない?」
『え…?』
なんでだろう。ニョンが凄く驚いていた。
わたしが告白するのってそんなにおかしいかな?
『ごめんなさい。な、なんて言うかその…』
『わたしなんかが考えた言葉でいいんですか…?』
「いいから言ってるんだよ」
『えっ…!じゃ、じゃあ頑張ります…』
よし、そうこなくっちゃね
「まずなんて言えばいいの?」
『率直に好き…とか?』
「あ!いいじゃんそれ!」
「言ってくる!」
『えっ、あっ、弟さん?!』
絶対成功する!成功するに決まってる!
だってサトルもきっとわたしのこと好きだから!
じゃなかったら一緒に遊んだりするはずないし、手も繋がないよね。
おやすみ
「サトル!」
『あ、ランダル』
「実はわたし、サトルのことが好きなんだ」
『ぼくも好きだよ』
「知ってる♡」
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