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#東方Project
冴月ゆずる
1,071
レモンスカッシュ2号
1,341
冴月ゆずる
106
深雪 楓
135
根源記録域が、悲鳴を上げる。
巨大な構造体が展開する。
無数の環。
重なり合う幾何学模様。
中心には、“整合中”の文字列が走っている。
紫が低く言う。
「第二防衛層….. 世界の自己修復機能」
永琳が冷静に補足する。
「存在の固定が完了する前に、排除しようとして
いる」
マシロの体が、再び揺らぐ。
妹紅が強く抱き寄せる。
「消えるな」
管理機構が宣言する。
「幻想郷の安定を最優先」
光の輪が展開。
空間ごと切り裂くような演算波。
霊夢が前へ出る。
「夢想封印!」
光と光が衝突。
だが演算波は止まらない。
魔理沙が叫ぶ。
「霊夢、下がれ!」
星の弾幕が炸裂。
咲夜が時間を圧縮し、連続攻撃を叩き込む。
しかし。
攻撃のたびに、設計図が再構築される。
「無駄」
冷たい声。
その瞬間。
妹紅の炎が、設計図の中心へ伸びる。
焼くのではない。
“刻む”。
「私は、不死だ」
炎が線を辿る。
「時間の外側にいる」
永琳が目を細める。
「… 自己定義を書き込んでいる」
妹紅が叫ぶ。
「こいつは余剰じゃない!!」
炎が白く、さらに純化する。
設計図に文字が浮かぶ。
【藤原妹紅が守る存在】
紫が即座に境界を拡張する。
「外界との接続を一時遮断!」
幻想郷という箱が、わずかに独立する。
霊夢が叫ぶ。
「今しかない!」
こいしが前に出る。
「見えないよ」
無意識が広がる。
管理機構の演算対象から、マシロが一瞬外れる。
その瞬間。
魔理沙のマスタースパークが、核を直撃。
咲夜が時間を固定。
永琳が言う。
「存在固定、完了まで三秒!」
妹紅が、最後に叫ぶ。
「マシロ!!」
マシロが涙を浮かべる。
「忘れないで」
「忘れない!」
炎が爆ぜる。
白い光が、設計図全体に走る。
そして–
静寂。
巨大構造体が、ゆっくり崩れる。
管理機構の声が途切れ途切れになる。
「再計算…… 不能…….
核が収縮。
光の線が、安定する。
マシロの体が、完全な輪郭を持つ。
足が地面を踏む。
はっきりと存在している。
幻想郷の設計図に、新しい一行が刻まれる。
【名:マシロ】
紫が息を吐く。
「…..固定された」
永琳が小さく微笑む。
「世界は壊れなかった」
霊夢が肩を回す。
「やっと終わり?」
だが。
管理機構の中心に、小さな光が残る。
完全消滅ではない。
「….. 監視モードへ移行」
微かな声。
紫が目を細める。
「消えたわけではないわね」
妹紅がマシロを見る。
「それでも」
マシロが笑う。
「生きてる」
こいしがくるりと回る。
「だから大丈夫」
魔理沙が笑う。
「バグを世界仕様にしたってわけか」
咲夜が静かに言う。
「幻想郷らしいわね」
設計図が、ゆっくりと閉じていく。
裂け目が消える。
現実の地底へと戻る一行。
静かな空気。
妹紅が空を見上げる。
炎は、安定している。
マシロは、確かにそこにいる。
だが。
紫が最後に呟く。
「“監視”が残ったということは……」
永琳が続ける。
「再発の可能性はある」
霊夢が肩をすくめる。
「そのときはまた叩くわよ」
妹紅が小さく笑う。
「何度でもな」
マシロが、そっと言う。
「ありがとう」
幻想郷は、壊れなかった。
空に桜が舞う。
今度は、ちゃんと下に落ちる。
みんなが笑っている。
観測も、物語も、もう関係ない。
ここは幻想郷。
楽しいが最優先。
妹紅が小さく呟く。
「….. 悪くねぇな」
ましろが笑う。
「うん」
その笑顔は、消えない。
完
コメント
1件
くまちゃん、最終話お疲れさま!!😭💕 「刻む」って表現がめっちゃ熱くて、妹紅の不死を設計図に書き込むシーンで涙腺ヤバかったよ…! マシロがちゃんと存在できたのも、みんなの笑顔が戻ったのも本当に良かった✨ 監視が残ったって伏線も気になるけど、とりあえずお疲れさま!最高だったよ🌸🔥