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…といっても、そんな急には俺もできないもんで。こういうのは心の準備ってものが必要なんだよ。

キャンプの部屋割は完全に仕組まれたものだった。FBときっくんは下の階、残った俺らは上の階。完全に分断されて良いシチュエーションじゃないか。ベッドも隣同士で、なんていうか、テラスハウスみたいな。俺にはほんとこういうの向いてないって思うんだけどね…



F「お前ら上な」



事あるごとに俺らを二人きりにしたがるメンバーに、少し怒りすら覚えていた。そこまであからさまにしたらいくら鈍いコイツだって気付くって。

火起こしも一緒。と言っても俺の方が慣れてるからほとんど1人でやってたけど。えおえおはタオルとかアイスリングとか渡してくれて、それはマジで助かった。

肝試しなんて子供だましみたいなことをやる羽目になって、そこでも一緒。途中から飽きて銭湯に行くことにした。

別にやましい気があるわけではないけれど、風呂の中では極力一緒にいないようにした。煙たがられても困るし。

でもその帰り道。盛大にえおえおが転んだ。



E「いった…」



音に気づいて振り返ると、手のひらには血が滲んでいる。今さっき風呂から出たばかりなのにもう砂まみれになっていた。心配して見に行くと、



E「痛いけど我慢できるから」



強がったセリフを吐いた。そんなこと言ったって眉間にしわ寄せてるじゃん。素直に言えばいいのに。俺は何を思ったのか、その手の砂を払って…舐めた。

ほら、舐めれば治るって言うだろ?あれだよ。

当の本人は何やら難しい顔をしている。どんな感情だよ、と心の中でツッコみつつ、俺にこんなことされてどんな気分?と聞きたい気もあった。Sっ気ありすぎだな、俺。



E「あり…がと…」



そんな途切れ途切れの感謝の言葉を聞いて満足した俺は、ある意味困らせてやろうと、普段ならしないようなことをしてみた。手を繋いでみたり、コテージで手当をしてみたり。案の定ずっと不思議そうな顔で俺の行動を見ていたえおえお。



『なんでここまでしてくれるの』

とか、

『あろまらしくないよ』

とか、

俺の何を知ってるんだっての。そんなことを聞かれたもんだから加虐心が湧いて、逆に聞いてみることにしたんだ。



A「なんであんなことしたか、当ててみろよ」



帰ってきた答えは、無言。いや、答えは『沈黙』じゃねーよ。それは今は意味ねぇからな。

てか、本当にわかってそうにない。このままじゃ一生気付かない、そう思った俺は



(言うしかねぇか…)



自分の中に秘めた気持ちを伝える決心をした。






ToBe Continued…



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