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「ここは『現実』の世界なんかじゃない……」
「君だって知っているはずさ……」
「この場所は、もともと存在してはいけないんだよ……」
それは……「個」を持たない者の嘆きだった。
人は孤独を恐れ、寄り添うことで生きようとするが故に自ら孤独を選ぶことがある。しかし、「孤立する自我を持つ個人」「他から独立した自我を持つ集合的無意識の集合」「集団化された集合的な自己暗示による共同体」などが生まれることで、「個の喪失感から逃れるために別の集合体を作る」という行動パターンが生まれたといえる。
「わたしはここで生まれた。だから、ここが帰る場所でなければならないの!」
少女はその身を震わせ、叫んだ。自らの運命に対する憤りを込めて。
(ここにいれば大丈夫よ怖くなんてないわ!あなたならできるって信じてるから!)
(またね! 明日学校で会おうね!)
(じゃあねぇ~!バイバ~イ♪早くしなさいよー!お兄ちゃん!遊ぼ!!一緒に食べようぜっ!!!)
(また明日なっ!!)
あの日交わした約束の言葉が次々と浮かんでは、闇の彼方へと溶けていきます。あなたとの想い出を反故にしてしまったことを、どうかお許しください。私はただ怖かったのです。私の手を握ってくれたあなたまでが私から離れていってしまうことが。だからあんなにも醜くて卑怯な方法を選んでしまったんですね。愚かだった自分を責めても時間は戻せないけれど、せめて最後にあなたの言葉を聞きたかったです。ごめんなさい。こんな身勝手で愚鈍でどうしようもない私があなたを愛していました。ずっと愛しています――
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※ 朝起きるとベッドの上に置いてある目覚まし時計を見て絶望した気分になることがある。どうしてアラームをセットしていた時間の五分前に目が覚めてしまうんでしょうか。寝過ごしたわけじゃなくて良かったけど、なんだかもったいない感じですね。それにしても、いつもより早起きして二度寝するのは気持ちいい。ああいう感覚は何なんでしょうね? ちょっと損をしたようでいて、それでいて得したような気分になりませんか?……あ、ダメですよ兄さん! 今日だけはちゃんとした格好で出かけてくださいよ! デートじゃないですか! はぁ~っ!? 誰がお前みたいなガキなんかと一緒に買い物行くって言ったんだよ!! 俺は忙しいんだからさっさと失せやがれ! えへぇーっ、だって最近兄さんとお話しできてなかったしぃ~。一緒にいたいなあって思ってぇ♪ うざってぇなこいつぅ!! よし決めた! 今日こそ俺の前に顔を見せるなって命令を下してやるぜ! おいお前らよく見ておけよぉ! 俺の妹は超わがままだからこうしてやればすぐ大人しくなっちまうんだからよぉ! こうなった以上もう絶対に言うことを聞いてくれねぇからな!