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壁外調査から数日後。
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幹部会議が開かれていた。
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重い空気。
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それも当然だった。
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犠牲者は少なくない。
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多くの兵士が命を落とした。
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その現実は変わらない。
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だが。
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同時に。
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大きな成果もあった。
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女型の巨人。
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その正体に迫る手掛かり。
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巨人化能力者という存在への確信。
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そして。
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人類側が初めて掴んだ情報。
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決して無意味な戦いではなかった。
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会議室。
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長机を囲む幹部たち。
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エルヴィン・スミス が資料を見ながら口を開く。
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「成果は大きい」
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静かな声。
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だが力強い。
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「代償もまた大きかったが」
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誰も否定しない。
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事実だからだ。
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その隣では。
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ハンジ・ゾエ が新たな考察を書き込んでいる。
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「あの巨人の行動原理も見えてきたよ」
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興奮を抑えながら。
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目は輝いている。
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普通なら。
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こんな状況でそこまで前向きにはなれない。
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だがハンジは違う。
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絶望の中でも。
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必ず何かを見つける。
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それが強さだった。
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〇〇は二人を見つめる。
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改めて思う。
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凄い。
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本当に。
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エルヴィンは前を向かせる。
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ハンジは希望を探し続ける。
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だから。
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調査兵団は折れない。
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会議は数時間続いた。
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課題。
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改善点。
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今後の方針。
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一つずつ整理していく。
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そして。
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夕方。
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今度は全兵団員を集めた会議だった。
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広間に兵士たちが集まる。
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空気は重い。
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当然だ。
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仲間を失った。
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新兵たちも。
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初めて現実を知った。
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死が身近にあることを。
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調査兵団の本当の姿を。
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皆の前へ立ったのはエルヴィンだった。
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堂々と。
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迷いなく。
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その姿だけで安心感がある。
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「今回の壁外調査で我々は多くの犠牲を払った」
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静まり返る会場。
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誰もが聞いている。
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「だが」
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エルヴィンの声が響く。
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「彼らの死は無駄ではない」
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兵士たちが顔を上げる。
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言葉の選び方が上手い。
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本当に。
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決して嘘は言わない。
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現実からも逃げない。
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それでも。
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前を向ける言葉を選ぶ。
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「我々は確実に前進している」
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「真実へ近付いている」
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「人類の未来へ近付いている」
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少しずつ。
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兵士たちの表情が変わる。
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絶望だけではなくなる。
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希望が混じる。
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それがエルヴィンだった。
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そして。
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空気が張り詰め過ぎたところで。
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ハンジが前に出る。
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「はい!」
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突然元気な声。
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皆が振り向く。
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「暗い顔禁止!」
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沈黙。
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そして。
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「私たちまだまだやることいっぱいあるんだから!」
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身振り手振りを交えながら話す。
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深刻になり過ぎない。
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でも。
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決して軽くもしない。
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絶妙だった。
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兵士たちの表情が緩む。
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104期の新兵たちも。
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少しだけ肩の力を抜いた。
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〇〇は思う。
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凄い。
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本当に凄い。
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この二人だから。
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ここまで多くの人を導ける。
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会議が終わる。
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兵士たちはそれぞれ持ち場へ戻っていく。
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少しだけ顔を上げて。
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少しだけ前向きになって。
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夜。
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仕事を終えた後。
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〇〇とリヴァイは人目の少ない廊下を歩いていた。
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並んで。
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静かに。
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「今日」
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〇〇が口を開く。
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「改めて思った」
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「何をだ」
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「エルヴィン団長とハンジさん」
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リヴァイが視線を向ける。
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「すごいなって」
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素直な言葉だった。
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「団長は人を前向きにするのが本当に上手」
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「そうだな」
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「ハンジさんは絶望の中でも明るさを失わないし」
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リヴァイも頷く。
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事実だから。
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長年一緒にいる。
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だからこそ分かる。
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二人がどれだけ異常な人間か。
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良い意味で。
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「尊敬する」
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〇〇が静かに言う。
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「私にはまだあんな風にはできない」
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その横顔は真剣だった。
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リヴァイは少し考える。
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そして。
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「いや」
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短く言う。
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〇〇が振り向く。
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「お前も十分だ」
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「え?」
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「エルヴィンは兵士たちを導く」
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「ハンジは希望を見つける」
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少し間を置く。
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「お前は人を支える」
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〇〇が黙る。
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予想していなかった言葉だった。
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リヴァイは続ける。
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「それぞれ役割が違うだけだ」
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本心だった。
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エルヴィンは必要だ。
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ハンジも必要だ。
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だが。
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〇〇も必要だった。
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兵士たちが笑える理由。
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帰りたいと思える場所。
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心を折らずに済む理由。
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それを作っている。
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本人は気付いていないが。
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ずっと。
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「だから」
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リヴァイは言う。
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「比べる必要はねぇ」
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〇〇はしばらく何も言えなかった。
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そして。
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少し照れながら笑う。
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「リヴァイってたまにそういうこと言うよね」
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「たまにじゃねぇ」
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「たまにだよ」
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「そうか」
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二人とも少し笑う。
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夜風が吹く。
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その先には。
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まだ困難な未来が待っている。
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きっと。
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何度も壁にぶつかる。
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失うものもある。
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それでも。
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〇〇は思う。
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尊敬できる人たちがいる。
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共に歩ける仲間がいる。
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そして。
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隣にはリヴァイがいる。
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それだけで。
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少しだけ未来が明るく見えるのだった。
コメント
1件
みゅうさん、第28話読みました。 エルヴィンの演説とハンジの絶妙な間の取り方が本当に素敵で、二人がいるから兵士たちが折れずに済むんだなと改めて感じました。リヴァイが主人公に「お前は人を支える」「比べる必要はねぇ」と言う場面、じんときましたね。それぞれの役割を認め合える関係が本当に温かいです。お疲れ様でした!