「でさぁ!」
「あ、あぁ、」
面白くもなければ、つまらなくも無い話が続いていた。
しかし、僕の頭の中には、50パーセントが期末。40パーセントが体育祭。10パーセントが、颯馬を締めていた。
「ね、ねぇ、獅子野くん。」
急に真剣な顔になった田中さん。
「どうしたの、?」
「前に、告白したこと覚えてる、?」
「私、まだ諦めてないからっ!」
田中さんが、グイッと僕の腕を引っ張った。
…え、?
ほっぺたに残る唇の感触。
今、ほっぺたに、キスされた、?
頬を赤めている田中さん。
「おい。」
すると、聞いたことがある声が後ろから聞こえる。
颯馬…?
颯馬は田中さんをじっと睨んでいる。
すると、颯馬が僕の腕を握り、体育館側へ引っ張って行った。
「っおい!颯馬っ!離せっ!」
僕がそう怒鳴っても辞める気配がない颯馬
痛い、腕もげる、
すると、ちょうどものかげに隠れるところで止まった颯馬。
そして、颯馬の顔がぐいっと近づく。
10センチ、5センチと徐々に距離を詰めて来る。
周りに響くリップ音。
そして、僕はファーストキスを颯馬に奪われた。
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