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君と僕の記憶の日記

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君と僕の記憶の日記

1 - 第1話 大学1年生 夏

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2024年02月23日

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短い髪に長いズボン。黒のパーカーに白の靴。

男の子のような見た目の私が鏡に映っている。少し、女の子というものにも憧れる。

長い髪に短いスカート。白のシャツにピンクのガーディガン。かわいい髪型にかわいい服。周りから見るとつまらない憧れ。私は今日もこの見た目で生きる。

そして、今日私は死んだ。

ただの交通事故だ。バスに跳ねられた。よくある物語では転生やらなんやらなるんだろう。そんな事にはなりやしない。私は死ぬだけ。意識が薄くなる。視界がぼやけている。もう死ぬと思うとつまらなかったなと思う。

「かわいい服、着てみたかった…な。」

私は死んだ。意識が無くなった瞬間、目の前にはどこかの部屋が見える。

死んだ。私は死んだ…?

不思議だと思った私は自分の姿を鏡で見た。

「嘘…」

そこに映っていたのは私が「かわいい」を捨てる1年前の中学2年生、14歳の自分だった。着ていた服や髪型ですぐにそれに気づいた。

でもここは私の家ではなかった。

白のシャツにピンクのガーディガン。短いスカート。長い髪はハーフアップでリボンが結ばれている。

「紗南…?どうかしたの?鏡、なんか変?」

耳元で声がした。驚いた私は勢い良く後ろを振り返ってしまった。

「わっ!なに!?いきなり振り返らないでよ!こわすぎ…」

「…ごめん。」

「大丈夫!はぁぁやっぱ紗南はかわいいなぁ。」

「なにそれお世辞?」

「酷いなぁ。お世辞じゃないよぉ。」

彼女は桜沢那雪私が中学で転入してきた時に最初に友達になった子だ。ファッションを考えたり髪型をいじるのが好きらしい。

だいたい気づいたら髪をいじってくる。

「…勝手に人の髪いじるのやめてくれる?」

その時の思い出を振り返りながら話をする。

なぜ私がかわいいものを捨てたのかが分からない。

「えぇーいいじゃん!かわいいし!」

彼女が言うことは今の私には少し意味が分からない。

「ごめんね。もう帰るね。また学校で。」

今は人と話すのに少し恐怖を感じる。一旦帰って頭を整理しよう。

「分かった!ばいばい!」

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