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犬神様とそのお嫁

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犬神様とそのお嫁

2 - ー1日目ー昼に

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2023年06月16日

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1話の注意事項を読んでからお進みください。

ーーーーーーー

「じゃあな犬神、また昼に」

初めてだったこっちを振り向いてくれたのは、さよならって言ってくれたのは。

今までの人間は、俺の頭に付いている耳や尻尾を見て気味悪がった。眉を顔の真ん中に寄せて化け物を見たと言わんばかりに置く物置いて帰ってった。

でもあの人はそんなの微塵も見せないで、暗闇でよく見えなかったけど…微笑んでた。

珍しい人間だなぁ、これ以上考えるのも面倒くさくなってきた。

〜1日目、昼〜

「さて、そろそろ時間か。」

太陽を見ると空の真上に上がり今が昼だと言うこと知らせてくれる。

自分のはもう食ってあるので犬神の分の飯を運ぶのみだ。

そーいや食う前に追い出されたから、食器受け取れなかったな…わりぃことしたかも。これから食い終わりそうな頃を見計らって取りに行くか。

「昼飯だぞ〜」

小屋の戸を開けると牢の中は相変わらず真っ暗だった、しかし以前と違うのはまだ牢に光が届く場所で犬神がちょこんと壁に背を預けて座っていたことだ。

「そんなに飯が楽しみだったのかよ、あっそうだ食器回収すんの忘れてごめんな!これから食い終わる頃に取りに来るから!」

牢の中に入り、両手に手を合わせてごめんと謝る、すると犬神は首を横に振りぺしぺしと床を叩く。それが何を表しているのか暫く考え込む

「不満だったか?でもお前も嫌だろ?食い終わった皿と過ごすの。」

もう一度先程の動作を繰り返す犬神

どうやら取りに来る云々が不満ではないそうだ。なら何だ?もっと他の事で対策しろってことか?なら床を叩く理由が無いか?

「あ〜もしかして、ここで食い終わるの待ってていいってこと?」

冗談混じりでそう問いかければ犬神は首を縦に振る。マジか正解だった、てかお前朝は食い始める前に追い出したじゃねぇか。いや距離が縮まったと思えば悪い気はしないが。

すると犬神は俺の足に頭をスリスリと押し付けて飯を置けと催促する。

「飯だな、ほい。」

床に飯を置くと犬神は手を伸ばし手掴みで食べようとする。

「いや!待て!箸使えと!箸!」

流石に手掴みはやばいと犬神の手の平に箸を押し付ける。すると犬神は不思議そうに箸を見つめたあと、どうでも良くなったのか箸をぽいと捨てようとした。

間一髪で止めたが、こいつは箸の持ち方が分からない様だしかと言ってホカホカの飯を手掴みで食わす訳もいかない。火傷されたらこちらの良心が痛む。いや神って火傷すんのか…?こいつ箸使えねぇし、俺が食わすしかねぇよな。

「しゃーねーな…はいあーん」

飯を掴んだ箸を相手の口元に差し出す。不思議そうに箸に掴まれた食材をスンスンと香りを確認する犬神だが、安全とわかった瞬間パクっと飯を食う。

それを確認して俺も流れ作業のように次々と飯を運ぶ俺。そうしていくとすぐに飯は無くなる、犬神は長い間食ってないのか朝の分では物足りなかったみたいだ。

「おし、よく食えたな!」

ふわふわな犬神の頭を撫でると目を細めて嬉しそうにする犬神だった。よく見ると犬神は肌に汚れがあるし、部屋も砂やホコリでまみれている。

「お前…こんな部屋でよく過ごせるな…ちょっと待ってろ!直ぐ帰ってくる!」

朝の分も合わせて食器を持っていく。さて、掃除出来るものを持ってこないとな!


一方犬神は御影玲王が戻ってくるまでの間、撫でられたことに驚き硬直していたそう_


暫くそのまま硬直していると世話係が帰ってきた。さっき撫でられたのもそうだけど、本当に唐突に行動するから混乱する。

しかも今回は水の大量に入った桶と石鹸、雑巾、箒を持ってきた。何をするのかと考える余裕も与えず、世話係は水を桶から掬いこちらに掛けてきた。今までにも気味悪がられてそういうことをされたことはあったけからまたか…と思ったけど世話係は石鹸を手に持って俺を洗い出した。

「目に入ったらごめんな〜少し目瞑ってていいから。」

髪から始まり、顔、腕、胴体、足と体を手際よく洗ってくる。基本世話係の世話は食事を持ってくるのみで他はされたことがない。村の奴らにとって俺は村の存続のための道具に過ぎなくて、俺も養分が無くなると力が無くなって辛いからこうして加護を与えている一瞬の契約のようなものなのだけど。何故かこの世話係は体を洗っている。何故だ?意味が分からない…それにこの人に触れられるのも悪くないし、取り敢えずはこの行為を受け入れることにしようかな。面倒くさいし…

「おっし!完璧、着替えはここに置いとくな〜」

世話係のものだと思う白と紫色の着物を着る、俺と世話係の身長があんまり変わらないおかげで他人の物だけど着ることが出来た。てか流石村長の息子クオリティ、質が良くて生地が心地よい。今まで同じのを使い回してきたから気づかなかったけど、たまにはこんなのもいいかもね。面倒くさいから自分からは多分動かないけど

世話係はいつの間にか牢の掃除もし終えていてふぅと一息着きながら壁の寄りかかっている。

「お前もお疲れ様。どうだ?さっぱりしたか?」

こくりと頷く。俺はまだ養分が足りなくて喋ることが出来ないし派手な運動は出来ない、だからこうしてジェスチャーで会話するしかないけど。いつか会話をしてみたいなとはちょっと思っちゃった。

「そういや、まだ俺の名前教えてなかったな!俺は御影玲王、宜しくな!お前は?」

言葉が発せないから返事もせずじっと世話係改めて玲王を見つめていると。

「…もしかしてお前喋れない?朝からずーっと喋ってないもんな…」

こくり

「おし、じゃあお前の名前が分かるまでの間までお前の名前はわたがしだ!」

ワタガシ…わたがし…

多分俺の髪の毛からだよね。綿ってことは。初めて貰った愛称になんとも言えぬ暖かい気持ちを抱えた、正直愛称だけで嬉しく思うなんて気色悪いとは思うけど初めてくれたんだからしょうがない。

「じゃぁな、わたがし!」

そう言って振り返る玲王の後ろ姿に手を振ったら玲王は少しびっくりしたように目を見開くとニカッと笑ってなんだ笑えんじゃん!と呟いた。

ーーーーー以下あとがき

よかったね…やっと進展が書けたよ….ヨカッタネ。更新遅くなっちゃってごめんなさい。でも1週間以内なのでセーフ。許せサスケ。

好感度的には

玲王→←(←←←←←←←←←←)凪

になるのかな。

あと時代背景が謎すぎるのはすみません。パッションで見てください。



では、凪玲をペロれ


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