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時を渡る古龍。
龍の足跡は池や湖に、
進む勢いは嵐や台風を、
凄まじい啼き声は大地を削り、
穏やかな呼吸であらゆる生命をその地に宿す。
龍は止まらない。止められない。
死をも超越した存在が、世界と世界を渡り進み続ける。
誰もが龍を恐れ、祀り、崇拝した。
この世は龍によって創り出された…
龍が死ぬ事があったなら、それはこの世が終わる時。
いつまでも、何処までも進むその姿。
まるで弓から矢が放たれた様に只々前へと向かってゆく。
この世界の神とは龍の偶像だ。
龍自体は神では無い。
龍はこの世界そのものだ。