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「ねえーーーーーー!!どうなってるのーーー!!どうせお前のせいでしょ、”blossom”!!」
今、僕たち視点からも絶対おかしいことが起きている。
まず”予定”なら天神は守護者の所に行かないはずだったんだ。
木更津・花芽・貴志がいて、それをmessiahに狩ってもらう。
それで人数減ってる状況でネームドの人数有利状況を作る。
その後天神以外を着々と殺し、ネームドのうち人間のやつら6人全員で天神をぶっ殺す。
この流れは今まで”192回”も繰り返し、毎回成功している超安全な計画なのに。
なのに!
なんで天神がMessiahを倒しちゃったんだ!?
いや、天神とmessiahがぶつかればmessiahが負けるのは目に見えてる。
つまり、天神がmessiahの近くに湧いちゃったのが原因。
しかもmessiahが木更津の体使って生存決め込んでるし。
そう、それもめっちゃおかしい。
死者蘇生出来るのは”神化人”のbloodと”jealousy”だけのはず…でもbloodは動いてないしjealousyはbloodに監視されてるから動けないはず…となると
そうだ。”プログラム”がおかしい。そのせいでこの謎状況が出来てるんだ。
まるでバグが起きたかのように。
で、プログラム作ってたのはblossomのはずなんだけど…
「俺じゃないですよー!でもプログラムがバグってるのは事実です…」
「そのバグを直すのが君の役目でしょーが!!tearと同じにするよ!!」
「それだけは…まあhappy様の言うとおりになれるなら…へへへ…でも直せないんですよね、直そうとするとバグは発生してませんとか言われる…でもバグあるはずだし…」
「うーわきも。あ、てか木更津は死んでるの?messiahは今どうなってんの?」
「両方死んでます…魂も見えるし幽霊で会話しましたし。でもなんか蘇生してるからてっきりbloodさん側がやってんのかと」
「そこなんだよ!blood?蘇生させたの?」
「俺は何もしてないが」
「えー…てか神視点お前仕事してよ!誰がどうやってこうなったかわかるでしょ!」
「…happy様のお役に立てないのは非常に心苦しいのですが…」
「はーぁ…お前さー!!無能すぎるよー!!人数有利ではあるけどmessiahが裏切ってるみたいになってるし!!まともに動いてくんないとやばいの!」
「焦り顔感謝…妄想がはかどる…あ、happy様がご存じないのなら、bloodさんは190回くらいこの流れしてるんだし知ってるはずですよ」
「確かにそうじゃん!!bloodももしかして裏切ってんの?」
「俺が裏切ればもうこの回は終わってるはずだが」
「それはそうだけど…じゃあ教えてくれてもいいじゃん!僕の栄えある初運営なんだよ!!多少は手伝ってくれてもー」
「今まで、一回目から永遠に用意されていたギミックがやっと発動しただけだ。安心しろ、ギミックは解かれて無効化されるまでがギミックだ。俺たちは出来る限り事前に用意された流れに戻すのみ」
「え、じゃあどうすればいいのさ」
「そこを考えるのがお前の仕事だろ」
「…どうしよう」
まずは元の流れを思い出してみることにした。
最初に木更津と花芽、貴志が死ぬ。
で、ここまででネームドは一切死なない。
その後第二ゲーム。ambitionが指揮または衣川を乗っ取って昼のうちに音端を処理。
できたら乗っ取ってない方も処理する。
ここでまでならネームドは最高二人まで死んでいい。
第三ゲームだとjealousyが死ぬので代わりにmessiahとtearに頑張ってもらい猫手・小指を殺す。
で、第四ゲームでmeurtre、messiah、tear、blossom、生きてたらambition、僕で残りをフルボッコにする。
そしてネームドが勝利、200回に近づく。
この流れに今から近づけないといけないわけだが…
まず木更津と貴志が死んでるのはいい。
でもその影響でmessiahが死んでそうで死んでなくて裏切りを決め込んでいる(バグの影響か?)
そして木更津が蘇生。意味わからん。
本来ならば協力しなさそうなそぶり見せた時点でbloodに殺されるはずなのだが。
blood、裏切りは許さん系だったのに今回後方腕組みなのなんなんだろ。
まあそんなことはいいんだけど。
まず真っ先に行うべきは花芽を殺すこと。
そして、始末してでも木更津(in messiah)を無力化すること。
木更津が死ねば基本本筋だ。でも多分だがmessiahも死ぬ。
彼は能力と性格上「利用しやすい」ので殺すには惜しい存在だが、ここに来たらもう仕方がない。
「blossom。どれくらい勢力あれば木更津とその中のmessiahを始末できそうかな」
「こんなきもい発言してても話振ってくれるんだ…happy様お優しい…今めっちゃ弱ってそうですし、ネームド二人いれば余裕かと」
「あーうん。おっけー。”命令”、blossomはサポートしつつ戦って。ガチで戦わせんのはtearに任す」
「了解です。タイミングはいかがなさいますか?」
「この感じだとmessiahが花芽倒してくれそうだし、花芽が死んだの確認したら投入で。矛先は木更津。messiahもなんか入ってるけどそいつごと貫けって命令しといて」
「承知いたしました。命令の仰せのままに」
「よかったスイッチ入ってくれて。頼んだよ」
「(happy様が俺に笑いかけてくれている…!?三か月ぶりとかじゃ…?昨日は顔合わせただけできもいとか言われたのに…!happy様優しすぎ…これは推せるぞ…へへへ…)」
*
少し前…
「あ?俺死んだはずじゃ…」
俺の視界に色が戻ってきて、さぞ美しい桃源郷が俺を出迎えてくれるんだろと思ったら、なんとあの景色と全く同じ場所が広がっていた。
「お?やっと死んだんですか。計画通りに進んでないからどうなったんだって思ってました」
俺に話しかけてきたやつは、kpopあるあるみたいな服装したツインテの女だ。
言い方的に俺は死んでるんだろうが、天使にしては悪魔すぎる。
まあただものではなさそうだ。
「えあのお前誰?あと初対面のくせに失礼すぎないか?」
「あ、すみません。俺はblossomです」
「…?本当に誰?」
「happyっていう神様…じゃなくて人が話しかけていたと思うんですけど、その方の仲間です」
「頭幸せの親戚?」
「親戚になれるなら光栄な限りです~♥」
「頭幸せ野郎リア充なのかよ…てか俺死んでるんだよな。なんで話せてるんだよ、しかもお前幽霊じゃないだろうし」
「内緒。今は自分の体取り返すのに集中したらどうですか?今あなたの体大変なことになってますよ」
「え」
blossomが指さす先には、俺の体がある。のはいいんだけど、
なぜかめっちゃ動いている。
「おわーーーーー!俺の体が乗っ取られてる…!?」
「なんかやばいですよねーwww」
「わらわらわらじゃないんだよ!お前これどうなってんだ?」
「どうなってんでしょうねー」
「急にオウムになるなよ!本当に…」
「うーん。じゃあ話しかけてみたらどうですか?」
「え、話通じるか?」
「やってみなきゃわかんないですよ」
「一理あるな。やってみるか」
「俺は上司に呼ばれてるんでこれで」
俺は改めて俺の体を操ってるやつの方に向かってみた。
そして今に至る。
「気持ちぃーーー!ガンナーが素で殴ってくると思ってないやつに腹パンするの気持ちぃーーー!!」
めちゃくちゃ印象操作されている。キチガイが憑りついている。
ガンジー?みたいなやつのことはよくわかんないけど、とりあえず血まみれで花芽の腹にパンチを繰り出しまくっている。
シンプルに何があったんだよ。俺は一発で死んだんだぞ。普通ほぼ死んでるみたいな体だよな…。
しかも俺の体の傷は全てなくなっていて、花芽の体から意識がはく奪されている。
こいつの能力で回復したのか?とりあえず聞いてみるしかない。
「おいお前!!俺の事助けてくれたのはいいけど俺に体返せ!!」
俺の体はゆっくりと振り返る。
「私だってお前に体返したいけど戻んねえの!あと死者が話しかけてくんな廃村するぞ!!」
「なんだよそのダイソンみたいなの…てかマジで抜けれねえの?俺に返せよ」
「マジで無理なんだって…おぁ!?今度はなんだ!?」
急に俺が花芽の能力使われたときみたいに下に体が向き、その後下に進んだ。
それと同時に俺の体から透明になった男が現れ、今度は上に向かう。
一瞬すれ違ったかと思えば、俺の体は俺のものになっていた。
「…戻った、のか?」
「木更津ー!お前戻ってきたのか…?」
「多分そうだな」
「何があったんすか?」
「いや…わかんないな…。でも確かに言えるのは、俺は一回死んでるってことだ」
「じゃあ生き返ったってことなのか?やはり暗黒のダークネス生き返る術は存在したのか」
「生き返ってはいるな。でもどうやって生き返ったのか…。あと俺に入ってたやつも」
「なんかmessiah?とか言ってた。多分happyと同じ感じ」
「俺も英単語名前の奴に会ったんだよな」
「え、死んでる最中にっすか?意識あったんすか?」
「そうなんだよな。意識はあったし喋れたし。でもそのblossomってやつは俺が死んでる事認識してた」
「本当によくわからない状況ですわね」
「だな」
「花芽は?」
「お前が死んでる間に殺されてたよ。動きがヤバくてさ、一発どでかいのをくらわしたと思ったら…」
音端が額のモニターに写真を映し出した。
写真には俺が放ったレーザーよりはるかに威力の高そうなビームがある。
次に音端は別の写真を映し出した。
写真では俺の体が笑顔で花芽をぶん殴っている。絵面がひどい。
「そう、急に殴り始めたんだ。能力ほぼ使わずにぶっ殺したんだよ」
「あのビームは使わなかったのか?」
「使ってはいたけど、花芽と反対の方角に撃ってたんすよ。その最中も攻撃されないようにちょっとずつ動いてて」
「fpsゲームだと鉄板の動きみたいなね」
「ゲームか。確かにゲームっぽい事よく言ってたけど」
「そういえば、最後のあたり、あなたとその憑りついてた方でお話されていましたよね?今も話せるのでは」
「え、うーん…確かに。ちょっとやってみる」
確かあいつ上に行ってた気がする。
顔を真上にあげると、俺を乗っ取ってたやつの体が見えた。というより普通に目が合った。
最初に話しかけてきたのはあいつだった。
「ふふふ、私がいかに最強か身に染みてわかっただろ?まああんなチュートリアルで死ぬお前も大概雑魚初心者だけどな。初狩りしなかっただけましだぜ?」
「いや、ほんと助けてくれてありがとな。あのままじゃ死んでただろうし、感謝してる」
「…これ以降助けないからな。絶対。マジで。一生。お前がどんなに泣きわめいても助けないから。最強に会えただけ喜べ」
「一回助けてくれただけで十分、ありがとう」
「絶対助けないからな!!」
「あ、話せたの」
「おう。あもしかして声聞こえない?」
「空気に向かってしゃべってましたよね」
「違うわ」
「見えないけどいるってことですわね」
「というか、今絶好のチャンスっすよ。敵について知れるかも」
「じゃあ、私たちの声は聞こえていらっしゃいます?」
「もちろん聞こえてる。最強プレイヤーをなめるなよ」
「聞こえてるらしい」
「了解です。じゃあまずはmessiahさんについて教えてくださいます?」
「私は敵にやすやすと情報は売らない堅実な立ち回りをする最強プレイヤーだから言うわけ」
「言ってくれなさそうだな、残念。流石にそこまでいいやつじゃないか」
「最強なら私たちに情報を売っても勝てるでしょうに」
「…まっっったくしょうがないなー!そーこーまーでー言ーうーなーらー?特別に教えてあげてもいいけどー?」
「教えてくれるのか?お前本当にいいやつだな、何度もありがとう」
「…!も、もう二度はないからな。お前らは敵だし、いつかは絶対ぶっ殺すから。別に決して全くもってお前らに情が湧いたとかそういうのはないから」
「まあそうだよな。でもお前がいい奴って言うのはわかったから」
「…っ、何から言えばいい?能力?」
「じゃあお願いします」
*
「tearちゃん、happy様から伝言。実質happy様からのご命令だけど私からの命令ってことで。happy様も”命令代償”怖いんだねー。まあhappy様の代償で死ねるなら本望だけどさ」
視線の先にいる女は、俺をどこか上の空な目で見上げる。
「要点を端的にまとめてください」
「”命令”。木更津を殺してこい。中にmessiahがいても殺してこい」
「ご命令とあらば」
女は立ち上がり、私に礼をしたのち、身体を広場の方角に向け、顔色一つかえず走り去った。
「happy様、ご命令は遂行いたしました。ここから俺も援護に移ります」
そう言い残し、俺もtearの後を追った。