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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「その全身が水で出来ている男は、精霊か?」


「そうですよ、ラスティ様。大精霊・オケアノスです。わたくしの家系は代々、水の精霊に愛されているんです。ご先祖様が高い魔力を持つ女性召喚士だったようで、大精霊と恋に落ちたとか」


へぇ、召喚士なんだな。

聞いた事がある。世界には精霊や英霊と契約し、戦う者達がいるとか。そういう冒険者や専門のギルドも存在するようだ。


しかし、貴族が召喚士とはな――いや、あり得ない話ではないか。召喚士ではないが、俺の兄貴……第一皇子・ワーグナーも『氷帝』の異名を持つ魔法の天才。


「助けてくれてありがとう、ストレルカ。じゃあ、俺たちは行くね」

「ちょ、それだけですか!?」

「あー、うん。俺とスコルは今日、二人きりの約束だから」


「――なッ」


口をパクパクさせるストレルカ。

次第に表情を変え、恨めしそうにスコルを睨む。一方のスコルは、なんか知らんが可愛いドヤ顔。……おいおい、また火花を散らす気か。まったく、仲良くやって欲しいものだ。



「すまない。でも、近々船にはお邪魔したい。約束するよ」

「ラスティ様~♪ はい、首を長くしてお待ちしております」


ご機嫌になるストレルカは、改めてスコルを見下す。


「な、なんですか……こっちを見ないで下さい、ストレルカさん」


「エルフだか聖女だか知りませんけれど、半端者である貴女の安っぽい恋路なんて簡単に塞いで差し上げますわ! オホホホホ!!」



上品に高笑いしてストレルカは去っていく。その後ろ姿を「ムキー!」とか

言って、スコルは怒っていた。……可愛い。


「まあまあ、落ち着いて」

「お、落ち着いてなんていられないですよぉ……! ラスティさんが取られちゃうかもしれないんですよ!?」


「それはないと思うけど。まあ、仲良くね?」

「わたしだって喧嘩はしたくないですよ。でも、あのストレルカさんが……」


俺は、スコルが言い切る前に右手を取り、上に挙げた。


「スコル、みんな仲良くいこう!」

「うぅ……分かりました。努力します」


諦めたのか、スコルは渋々納得してくれた。もしかしたら、ストレルカだってこの島の住人になるかもしれないし、そうなれば貴重な戦力になるだろう。あの“大精霊”は魅力的だ。





――さっきの戦闘でスコルのスキルレベルがアップしたらしい。……でも、おかしいな。倒したのはストレルカだ。俺ではないし、どうなっているんだ。



[キリエ][Lv.3]

[スキル]

[効果]

自身か対象に支援魔法を掛ける。

全ステータスに +3% の補正を与える。更に、幸運を上昇させる。レベル『1』上がる毎に補正が +3% 上昇する。スキルの最大レベルは『10』。



[グローリア][Lv.3]

[スキル]

[効果]

自身か対象の攻撃・移動速度を 3% アップする。レベル『1』上がる毎に補正が +3% 上昇する。スキルの最大レベルは『10』。




なんと、レベル3に上昇していた。あの大量のグリューンゴブリンを倒したからっぽいけど、普通は上がらないだろう。あとでハヴァマールに詳しく聞いてみるか。



不思議なレベルアップに首を傾げながら洞窟へ入る。オケアノスの放った水属性魔法で洞窟内は水没していなかった。どうやら、時間が経過して消えたみたいだな。水や氷、岩などを魔法で作り出し攻撃した場合、一定時間が経つと自然消滅する。

魔力を借りているだけだから、そういうモノらしい。でも、中には半永久的に残る魔法もある。それこそ大魔法を超える奇跡だけど。



時間がもうないので、ゲイルチュールでサクサクっと『鉄鉱石』を確保。



鉄鉱石×67



こんなところだろう。

収集を終え、後は少しだけダンジョンを覗こうと思った。しかし、洞窟の奥は暗闇で、たいまつを灯しても奥が見えない深淵。


あの中から、モンスターが出現しているのだとすれば、ダンジョンは確かにあそこに存在するに違いない。


「行くぞ、スコル」

「えっ……奥へ、行くんですか?」

「大丈夫。俺が守ってやる。でも、怖いのなら外で待ってくれていてもいいよ」

「嫌です。わたしは、ラスティさんと一緒じゃないと泣いちゃいます」



そう涙目で不安そうにスコルは、俺の左腕を抱えた。……や、柔らかいモノが――いや、今は意識するな。前にだけ集中だ。前進あるのみ――。

無人島Lv.9999 無人島開発スキルで最強の島国を作り上げてスローライフ

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