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コンコンコン
「ウェンく〜ん」
さすがに起きてないか。
※時系列
早起きできた!↓
みんなに朝ご飯作るか!↓
ウェンくんの部屋にアポなし凸!
↑今ココ
わたしひとりじゃごはん作れないんだもん。
…さすがに自己中すぎかな??
でもみんな、なんか困ったらいつでも部屋来ていいよって言ってくれてるもん。
今絶賛困り中なんだからいいよね?
「ウェンくぅん…」
そう呼ぶと、隣の部屋のドアが開いた。
「あれっ?なんでひよこっち来てん」
マナくんだ!
「わぁっごめん、起こしちゃった?」
「いや、俺5時くらいから起きとったで」
「あほんと…早起きだねえ」
「なんか目ぇ覚めてもうて」
「えっ同じだ!」
運命感じてきた…
「ウェンに用やった?
なんか音したから出てみたんやけど」
「早く起きれたから朝ごはん作ってあげようかなっていう…」
「おっ!ええやん!
俺でええなら一緒に作るで?」
「えーっ!えーっえーっ優しい!」
「まあっ、こーゆーところがモテるんやろなぁ〜俺ぇ」
「あーちょっとその一言いらなかった」
そのままマナくんと食堂に降りる。
「そういえばいつも朝ごはんは誰が作ってくれてるの?」
「ん?みんなで冷蔵庫のをチンやね」
「あっ、冷凍なんだ…」
「ひよのお父様がちゃんとしたやつ買うてくれてんのよ」
我が家にはメイドや執事はいない。
いや、いたんだけれども、皆がわたしの世話を焼いてくれるようになったから、必要なくなってしまった。
で、その人たちはお父さんと一緒に別宅に移行。
違う家っていうか、真横だし、なんなら繋がってるんだけど。
で、夜ご飯はさすがに自炊しんどいから、
お父さん宅のお手伝いさん達が作りに来てくれる。
我が家のつくり複雑すぎるんだよなぁ…
だから他人に説明したくない。
めんどくさくて。
「…ていうか冷凍をチンならやんなくていいかも…」
「あらっ。1から作りたかったん?」
「だってさぁ〜、包丁とかフライパンとか使いたいよ〜」
「だーめ。ひよは自分のことを大事にせな」
「みんなにやってもらってるばっかりじゃあ、わたしなんもできなくなっちゃうよ」
「俺らがやるからええやん?」
「そーいうんじゃなくて…」
皆なんかちょっとズレてるんだよなぁ…
「例えばわたしがどっかに嫁いだらさ」
「えっ?嫁ぐん?」
「わかんないけどね?」
「そしたら嫁ぎ先を潰すしかないやん。
それか俺らも一緒に嫁ぐ」
「ええっ…。ンー…
嫁ぐっていうのが悪かったかな。
いずれはみんな、この家を出ていくわけじゃん?」
「いや、ひよと一緒にいるつもりやで」
「えっ、好きなことしていいんだよ?」
「…一緒はヤなん?」
ちょっと拗ねた感じで言われる。
「嫌っていうか…
みんな好きなことをやるためにどんどん別れていくって、そういう感じだと思ってたんだけど」
「絶対ならんと思うに一票」
「えぇ?なんでぇ?」
「だってみんなひよのこと大っ好きやもん」
「…ナルホドねー」
なんか呆れちゃった。
理由しょーもなっ。
まあ、いろいろできるようになるのは大人になってからでもいいかも。
「あれっ?マナにひよちゃんだ!」
「あーっ、ウェンくんだ!」
「2人ともお腹すいちゃったの?」
「なんかひよが早起きしたから朝ごはん作りたいって」
「そーだったの?僕にも声かけてくれれば良かったのに〜」
声はかけたんですけどね…
「今日トーストだから一緒に作る?」
「えっ?」
「えっ?」
わたしはマナくんを見る。
「そ、そうやったっけー…」
「冷凍だけじゃないじゃん!」
「いや、全部冷凍やったらおかしいやんけぇ!トーストもサラダも…」
「…それはそうだ。
じゃあマナくん悪くなかった。
トーストいっしょにつくるー!」
「作るって言ってもバター塗るだけなんだよね」
「バター塗るの!?やりたいやりたい!」
「やけどせんようにな」
・・・
「と、ゆーことで!
今日の朝ごはんはひよちゃんがバター塗ってくれました〜」
「えースゴイやん!」
「バターぬれるんだね」
「バターくらい誰でも塗れます〜」
まあ今日が人生で3回目くらいだけど…
「じゃいくよ〜
せーのがさんし〜?」
『いただきまーす』
なにげにウェンくんのいただきますせーのがさんしー定着しつつあるんだよなぁ…
わたしはそっとパンにかぶりつく。
バターおいしい…!
やっぱり自分で塗るのおいしいな…
「うま!
なんか雛が塗ったってだけで特別感ある」
「うめ〜」
「バター塗り職人なれるよ」
「体にとてつもない力がみなぎってきた」
「さすがに皆言い過ぎだけどありがとう」