1話の続き〜…
気になる人は1話から読んでね!
♢♢♢
「…騎士学校に行きたい?」
父は眉間にしわを寄せ、考え込むように冬弥を見た。当然の反応と言える。
王家の第三王子として将来何不自由なく暮らせるはずの冬弥がいきなりこん
なことを言いだしたのだ。よほど想定外だったのか、父は言った。
「こんな時に冗談はよせ」
「いえ、冗談ではありません」
即、否定した。
あれから、冬弥自身も騎士についてかなり勉強した。騎士とは何か、騎士と
しての役目は何か。基礎的な学力はつけたし、体術だって申し分ない。
「学校側には、もうすでに許可を得ました」
「…お前、いつの間に外に出た?」
入学の手配については、城の中のただ一人の協力者である執事に感謝しか
ない。ここまでかなり世話になり、やっと入学許可までこじつけてくれたの
も執事だった。
「全くお前は……。だか、今回ばかりはだめだ。冬弥、自分の立場を考えろ」
冬弥の立場。王家の第三王子…そして。
「悪魔の子」である立場のこと。
「「悪魔の子」を外に出して、国民の不満を買うのは誰か? この私だ。
そんなリスクまで負って、お前を学校に行かせる必要はない」
冬弥は思う。つくづく厄介な人間だ、俺は。
改めて、自分に貼られたレッテルの厄介さに直面したような気がした。
(……でも)
でも、あきらめたくない。
俺が騎士学校で、俺としての居場所を、やりがいを見つけられたら。
「悪魔の子」でもない、「王家の第三王子」でもない……「青柳冬弥」として
の居場所を、見つけられたら。
それで、騎士になって。人の役に立って。
どうしても、思ってしまう。
この揺りかごの中で縛られるより、もっとずっといいじゃないか!
「私とお前が、縁を切るなら話は別だがな」
「私と…父上がですか?」
思わず声に出す。一度選択肢を出されてしまってはもうどうしようもない。
「…………わかりました」
「入学をあきらめる気になったか?」
「いえ、そうではありません」
しっかりと、前を向いて。
冬弥は……言い切った。
「私は今日を限り、王家の人間ではありません。騎士学校には、どうせ寮が
ある。父上との縁を切り、早急に城を出る準備をしてまいります!」
呆然とする父の姿、使用人の姿。
たくさんの人を前に…言い切ったのだ。
「……いいのか?」
「いいんです。私はどうしても……騎士の道に惹かれてしまう」
「……そう……か……」
「ええ。俺…いや、私は、どうしても騎士になりたい。城の中で一生「悪魔の
子」として生きるより、自分の力で予言を書き換えたいんです!」
その日から、王家の第三王子は存在しなくなった。
城を出るとき、執事に言った。
「執事、今まで本当にありがとう。俺は…執事のおかげて学校に入学できる」
「……いえ」
執事も笑顔で、言った。
「冬弥様には、城の中より、そちらのほうが似合っていますよ」
「…そうか」
夜に映える城を見つめ、冬弥はしっかりと最初の一歩を踏み出した。
「……行ってきます!」
♢♢♢
2話終わり〜いえ~い!
みなさん! 彰人とかこはねちゃんとかいつ出るの!? って思ってます?
思ってますよね! ですよねですよね! うんうん!
大丈夫です! 3話からしっかりばっちり出てきます! ご安心を!!
それではまた3話で会いましょう! ばいばい!
コメント
2件
( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )ピェェェェェ
ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪ すてほやの新作だーー!!! 書き方が上手すぎる…