コメント
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見るのめっちゃ遅れた… 色々と危機が……!! 首輪最高だ!!! 自然な演技?の藤澤さんも凄いし、流れを変えれた2人の連携が凄い!!
うんわ、危なかった…!! 湯ノ内ナイス!って思ってしまうのは私だけか…、、)) とりあえず最高です👍🏻
首輪、、湯ノ内がすると何とも言えないw 危なかった、、!怖かった、❕ 続き楽しみ過ぎる~✨
第13話 首輪
あらすじ
大森は湯ノ内の手の平でただ、転がる事しかできない。
それでも、大森は湯ノ内に隙が生まれる瞬間をじっと待っていた…
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大森は、歯を食いしばりながら返事をした。
「…わん」
湯ノ内が、にんまりと笑うと大森の頭をなでる。
大森は手にも噛み付いてやろうかと思ったが、どうにか抑えた。
湯ノ内は秘書の方を見ると、なにかの合図をした。
それを受けた秘書は頷くと、部屋から退出して行く。
大森は 秘書を瞳で追った後に、湯ノ内に目線を戻す。
まだ何か企んでいるのかと、訝しげな表情で睨んだ。
湯ノ内は目線を合わせると、大森の頬を撫でる。
そして、耳元で囁いた。
「君へのプレゼントを用意してるんだよ」
大森は 露骨に嫌そうな顔をすると、これ見よがしに ため息を着いた。
秘書が部屋に戻ってくると、何かを手に持っている。
大森は秘書の手元を、じっと見つめた。
距離が近づいて来ると赤色の何かが、ちらちらと見える。
秘書がそれを湯ノ内に、渡す時。
やっと、何か分かった。
それの正体は、赤色の首輪だった。
大森は驚いて、思わず二度見をした。
その後に恐る恐る、湯ノ内を見る。
湯ノ内は、テキパキと首輪のバックルを外していく。
そして、それをつけようと大森の首に近づけた。
大森は思わず仰け反ると、首輪ごと湯ノ内の手を掴む。
絶対に、こんなものを身に付けたくない。
大森は人生で一番というほどの力で、首輪を押し返した。
大森が無言で自分の意志を伝えると、 湯ノ内はうんざりして 天井を見上げた。
息を吐きながら顔を戻すと、大森を見る。
「君が約束を守らないのなら、私も守る義務はないね?」
そういうと、机の上のスマホを手に取る。
そして、例の動画を見せた。
大森が湯ノ内の股間に顔を埋めている動画だ。
湯ノ内は、珍しく苛立ったように言った。
「やはり、これを公開しよう 」
大森は、じっとスマホを見つめる。
どうしよう
やはり、ここは折れた方がいいに決まってる。
大森自身もそんな事は分かっているが、この首輪に関しては嫌悪が強い。
今までの湯ノ内は、 大森を追い詰める。
そういう目的で、動いている雰囲気があった。
しかし この首輪に関しては、ただの湯ノ内の趣味という感じがする 。
これを受け入れたら、湯ノ内の色に塗り替えられる恐怖があった。
湯ノ内が、もう一度首輪を首に近づける。
しかし大森は、 どうしても動けない。
動画が流失した未来を想像すると、従うしかなかった。
するりと 首輪を首に通されると、ぎゅっとキツめに絞められる。
「…ぅ、」
大森は、つい首輪を掴んだ。
思った以上に息苦しい。
「あ、の…もう、ちょい緩く」
大森が 困惑しながら言うと、湯ノ内が手に握っているリードを引っ張った。
首輪がぐん、と引っ張られる。
大森はその反動で、湯ノ内の胸に飛び込んだ。
突然の事に、頭が動かない。
意外と容赦なく引っ張るんだなと、恐怖が湧く。
大森が 胸の中で身を固めていると、湯ノ内が首輪をぐるっと半回転させた。
首輪が擦れると、摩擦でヒリっと痛む。
「っ、い、」
大森が首輪に手を触れようとすると、湯ノ内が首輪を上に引っ張った。
大森の首がぐっと喉が締まる。
「ぐぅ!!」
突然、釣り上げられたのでカエルの様な声が出た。
その衝撃で、息を吐き出してしまう。
しかし、湯ノ内はそのままリードを引き上げ続けた。
大森も 初めは配信を気にして出来るだけ声を、上げないようにしていた。
しかし、考えがみるみると変わって行く。
あまりにも苦しい。
急激に口の中に、酸味のある唾液が溜まっていく。
心臓は速く脈を打ち、頭は覚醒するように霧が晴れた。
大森は、苦しそうに喘いだ。
ストレスで歪む視界の中、湯ノ内の顔に手を伸ばす。
湯ノ内の目を狙って、突き刺すように人差し指を走らせた。
しかし湯ノ内は すぐに察したのか、その手を叩き落とす。
大森はそれでも、抵抗しようと手を伸ばした。
すると 秘書が後ろから、大森の両手を掴む。
腕を捻って頭の上で抑えると、動きを封じさせた。
湯ノ内がさらに、追い込むようにリードを上に引っ張りあげる。
大森は喉から搾り出るような、唸り声を上げた。
「ぐ、…ぅ゛」
本当に、死ぬかもしれない
感じたことの無い程の巨大な恐怖が、大森を包む。
息は吸えないのに、肺からは空気がどんどんと出ていく。
その度に、未体験の息苦しさに襲われた。
大森はあまりの苦しさに、まるで魚のように暴れた。
足がソファーに当たると、どんどんと音が鳴る。
もう配信の事など、頭から抜けていた。
それでも 秘書も湯ノ内もどちらも、手を緩めてくれない。
なんで、もう限界なのに
大森の瞳から、 生理的な涙がこぼれた。
もしかして、湯ノ内は気づいてないんじゃないか
大森は必死で、それを伝えようとした。
しかし、湯ノ内は解放してくれない。
むしろリードを、さらに高くあげた。
大森は呻き声すら出せない。
あ、殺されるかも
大森は、ふっと思う。
頭の中が渦のように、混ざる。
自分という存在すら混ざりそうになった瞬間
湯ノ内がリードを緩めた。
大森の肺が、空気を取り込もうと勢いよく広がる。
「は、…ごっほ!!げ、ほっ!!」
大森が激しく噎せる。
藤澤は 急いで画面外に移動すると、若井にジェスチャーを送る。
藤澤は自分を指さしてから、咳をするジェスチャーを取った。
若井は理解すると、どうにか冷静を保って言う。
「り、涼ちゃん大丈夫?」
こんなもの付け焼き刃だ。
大森が咳をした瞬間、藤澤は画面に写っていた。
ラグも発生してない配信で音がズレるのは妙だ。
それに 大森の咳が必死すぎて、ただ咳き込んだ様には聞こえない。
それでも、二人はそれを演じた。
しかし、残念ながらコメントには “もっくん” の文字が並んだ。
今の咳を、藤澤ではなく大森だと推測するコメントもいくつか流れる。
藤澤は苦虫を潰したような顔をした。
咳だけで気づかれた訳ではないだろう。
今まで おかしいと思っていた視聴者が、これを皮切りに声を上げ始めた印象だ。
“なんか変” “もっくん!!” “前いるのだれ”
“咳” “本当に2人だけ? “
様々なワードがコメントに飛び交う。
大森の咳が治まったので、 藤澤は画面に戻った。
そして冷静を装って話す。
「いや…ごめんなさい
空気乾燥してて」
若井がコメントを読む振りをする。
「元貴…ね、今日は別の現場」
藤澤が、さらっと言う。
「そう、撮影があって…」
若井は驚いて藤澤を見た。
藤澤も口を塞ぐと、しまったという顔をして固まった。
今のは、解禁前の情報だ。
実際最近は、大森と別現場になることが多い。
映画の撮影をしているからだ。
コメントが一気に、そちらに引っ張られる。
若井は、心の中でガッツポーズをした。
同時に、藤澤の自然な演技にも驚いた。
実は今日、大森は撮影をしていない。
藤澤がコメントの流れを変えるために、スポを演出したのだ。
藤澤が慌てた様子で、訂正をする。
「ごめんごめん、今の内緒」
そういうと、人差し指を唇に持っていった。
若井は、すかさず止める。
「ちょ、それもだめ…」
藤澤は一瞬、キョトンとすると自分の指を見つめる。
そしてこれが “真相マーク” だと気づくと、そっと人差し指をしまった。
藤澤が、どうにか修復しようと慌てる。
「あ…、まぁね!!あの!」
若井は本当に演技なのか、素なのか
よく分からくなって来た。
しかし、コメントはさらに加速した。
“今のなに!?” “撮影ってドラマですか?”
“いち” ”涼ちゃんスポ担当”
若井はほっとした。
流れを完全に変えられた。
藤澤も慌てる振りをしながら、心を撫で下ろした。
一方 大森は何とか咳は治まったが、荒い呼吸を繰り返していた。
大森の反抗心が驚くほど萎む。
言う通りにしないと、次こそ殺される
大森はそんな現実的ではない強迫観念に、囚われた。
身体の震えも、零れる涙も自制しようと言う気にもなれなかった。
とにかく、この人の言う事を聞かないと。
それだけで頭が一杯になった。
その様子を見ていた湯ノ内が、ぐっと首輪を軽く引っ張る。
大森はそれに、弾かれるように反応した。
湯ノ内が顔を寄せてくる。
大森は震えながら、何をされるか悟った。
これ以上、状況を悪くしない方がいい。
大森は瞳を閉じると、それを受け入れた。
湯ノ内が唇を合わせると、大森は子犬の様にブルブルと震えた。
湯ノ内は少し反省した。
やり過ぎた様だ
大森ほどの じゃじゃ馬でも死をチラつかせると、ここまで大人しくなるのか
湯ノ内は、心のラインをゆっくりと下げて支配する事を楽しむ。
ここまで一気に堕ちてしまうと どうしても、もったいなく思えてしまう。
しかし、まぁどうせ堕ちたならと大森の口内に舌を入れ込む。
大森は、素直にそれに従った。
むしろ懸命に、舌を絡ませてくる。
ただ従うだけではなく、好かれようとする姿勢に湯ノ内は隙を感じた。
あれほど 高かった心のガードが、ほぼゼロになっている。
今なら、深い傷も作れそうだ。
大森の耳元で囁く。
「私に自慰行為を見せなさい」
大森が目を見開くと、大きな黒目が揺れた。
恐怖と懇願が混ざった表情で、湯ノ内を見つめる。
湯ノ内は無言で、リードを引っ張った。
大森が はっとして身震いすると すぐにズボンのチャックを下ろした。
震える手で、下をスボンの外に出す。
一瞬の間があったが、右手でぎゅっと下を握るとゆっくりと擦る。
湯ノ内はどこをどのように触るか、良く観察した。
自分で触らせると、だいたい人は二つのパターンに分かれる。
自分の好きな場所、好きな触り方を示す者。
そして、その辺には全く触れない者。
大森は後者だと湯ノ内は予想している。
懸命に、下を擦る大森に湯ノ内は囁いた。
「ちゃんと普段やっているようにしなさい」
大森の肩が跳ねると怯えたように、湯ノ内を見つめた。
「そうだね、 20分でイケなかったら…
さっきの遊びをもう一回してみよう」
大森が泣きそうな顔をすると呟く。
「さっきの遊び…?」
湯ノ内は頷くと、にこやかに微笑む。
「今度は、あれより先に行ってみよう
あの遊びは本来、意識が落ちるのを楽しむものだからね」
大森の麻痺した心に、焦げるような恐怖が広がる。
慌てて、下を両手で掴むと急いで動かす。
しかし大森は、人前で絶頂を経験した事が無かった。
それほどの快感を、感じ取れなかったからだ。
大森は行為後、すぐに避妊具を捨てるようにしていた。
そうすれば、絶頂をしていなくてもバレない。
そういう過去が たった今、仇になっている。
いつか、そういう日が来るだろうとは思っていた。
でも、相手が湯ノ内の様な人間だとは思わなかった。
しかも、言う通りにしないと あの地獄が待っている。
大森は 必死に手を動かした。
しかし 元々の性質と恐怖が合わさって、快感を拾うなんて所ではない。
瞳を閉じて 自分の指に集中しても、頭の中はごちゃごちゃだ。
様々な感情が快感を打ち消した。
むしろ、触れば触るほど心の芯が凍りついた。
それでも、大森はどうにかしようと必死だった。
とにかく、この心を解凍しないと行けない。
大森は耳鳴りが鳴るほどのストレスの中、編み出した答えを実行した。
湯ノ内を見つめると 顔を寄せてキスをする。
湯ノ内もさすがに驚いたのか、身体を固めた。
大森はこうでもしないと、冷えきった心を溶かせなかった。
もう 人間の体温があるものなら、なんでも良かった。
大森は唇を離すと、縋るように懇願した。
「お願い…触って、ください」
湯ノ内がじっと、大森を見る。
「私は自慰行為を見せろと言ったんだけどね」
大森は、ぶんぶんと首を振る。
「ひとりじゃ、 無理」
大森が涙が零れる寸前の瞳で、湯ノ内を見つめる。
「ほんの少しでいいから
お願い、触って」
湯ノ内は 目を細めると、口角を上げて呟いた。
「いい眺めだ」
大森の瞳からついに、雫が零れた。
濡れたまつ毛が揺れると、声まで濡れているような声色で言った。
「だめ…ですか」
湯ノ内は、考える仕草をする。
「うん…だめというのも可哀想だね」
大森が、救いを求めるように湯ノ内の服を掴む。
湯ノ内は、唇の隅を微かに上げた。
「…だが、それを求めるのなら
プライベートゾーンなんて言う下らない物は捨てなさい」
大森の顔が、一瞬泣きそうに歪む。
しかし、ぐっと我慢すると引き攣った笑みを浮かべた。
無理やり、目を細めると涙が零れた。
「…はい、捨てます」