デートが終わって手をつなぎながら帰る2人、このデートを通して左の距離は大幅に近くなった。カバンに着けたお揃いのキーホルダーをな眺めながら歩いていると、正面から2人の女子高生が歩いてきた。その女子高生を見た夢彩は和人の腕をぎゅっと握りしめ彼女達に見られないよう背中に隠れた。
「どうしたの?」
和人がそう聞くと、夢彩はとても不安そうな顔で恐る恐ると声を出した。
「なんでもないよ、、、」
明らかに怯えている夢彩。
でも何故がその場で言及する気にはならなかった。2人の女子高生が通り過ぎると、一つ深い溜息を吐きいつものようににこりとした笑顔で言った。
「ごめんね!この後どうする?」
そのいつもの笑顔にどこか不安を覚えたが、いつも通り接してくる夢彩の姿が何処か追求を避けているようでとてもモヤモヤした気持ちになりつつも今後の予定を話し始めた。
「この後喫茶店に行こうと思ってるんだ!」
「喫茶店!いいね!」
その他わいのない会話で、もう夢彩の不安気な所は無くなっていた。
そのまま何事もなく喫茶店でひと時を過ごして帰路につく。
「今日は楽しかったよ!ありがとね!」
「僕も楽しかった!」
「また行こうね!絶対!」
「うん!」
そんなたわいもない会話をしているうちに改札の前へと着いた。少し寂しそうな顔をしながら手を振る夢彩、僕も手を振り返し、そのまま夢彩が改札をくぐっていった。
夢彩と別れたあとそのまま一直線で家へと帰った。
時刻は午後8時リビングからは母が作るカレーの匂いが漂っていた。
「ただいまー、今日の晩御飯カレー?」
「そうよー、もうできるから手洗ってきなさい。」
言われるがままに手を洗い、食事の席へと着く。
その直後携帯から通知音が鳴った。
それは、夢彩からのメッセで今日はありがとう的な内容だった。
ニヤニヤと返信を返す僕を、母がニッコリと笑いながら見ているのが目の片隅に入ったが、何も言ってくることは無かったのでそのまま返信した。
しかし次の瞬間とんでもない事実がメッセで送られてきた。
「母さん、ご飯後で食べる。」
食べかけのカレーを後に駆け足で自分の部屋へと戻っていく。
メッセの内容は、デートの途中で会った2人の女子高生についてだった。
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