以前まで、同じ名前で活動していたにゅんこと申します!前使っていたアカウントがトラブルでログインできなくなってしまい(機械音痴💦)かなり期間が開きましたが、もう一度テラーを入れました!今回は、前垢での1番のお気に入りノベルを、リメイクしてお届けします!ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ウチの名前は夢野秘密子。超高校級のマジシャンという二つ名を持つ美少女なのじゃ。そんなウチは今、他の「超高校級の才能」を持っておる15人と、この「才囚学園」に監禁されておる。監禁なんて、物騒なジョークだと思うじゃろう?じゃが、そうはいかないのじゃ。ウチ達は、この学園でコロシアイをさせられているのじゃ…。
既に事件は2つ起きたのじゃ。1つ目は、超高校級のピアニスト、赤松楓による超高校級の???、天海蘭太郎の殺害じゃった。赤松は、常にウチ達をまとめて引っ張っていくようなやつじゃった。面倒くさがりなウチは、赤松とは気は合わんかったが、正直一緒にいて嫌な気はしなかった。天海も、ウチに兄ちゃんができたような気持ちになるような、よくわからんがいいやつじゃった。
2つ目は、超高校級のメイド、東条斬美による超高校級のテニス選手及び超高校級の囚人、星龍馬の殺害じゃ。東条はウチ達の家事をまとめてしてくれとったし、星も、厳しいがどこか優しさを感じるやつじゃった。
あやつらの死に様を思い出すたび…ウチは思わず身震いしてしまうのじゃ…。
「ゆーめのちゃん!今日も今日とてアジの開き顔が輝いてるね!さっきからブツブツ喋ってるけど、それってビョーキ?」
「げぇっ!」
こやつはウチの宿敵、超高校級の総統、王馬小吉。ウチくらいの小柄で、なのにずる賢さはここの誰よりも飛び抜けておる。そして…
「夢野ちゃん!そんな顔してたらますますブスになっちゃうよ!」
性格と口も悪いのじゃ。
「お主のせいで表情が崩れたのじゃろ!?そもそもウチはブスではないし、今の顔だってブスではないぞ!」
「はいはい、自覚できてないのがホントにかわいそーだよ。それを教えてあげてるオレの優しさに感謝してよね。」
こやつ…毎日毎日ウチのことをバカにしおって…!!いつか魔法でギャフンと言わせてやるのじゃ!
そんな一日一日を過ごしておるうちに、また事件は起こったのじゃ。ウチは被害者が誰かを知った時、現実が受け止められなかったのじゃ。
「アンジー…」
ウチと仲良くしておった、アンジーが犠牲になってしまったのじゃ。現実を受け取れないまま捜査を進めておったのじゃが、更に…捜査途中で、転子もウチの側からいなくなってしまった。一日で大切な友達が二人も失うなんて…ありえないのじゃ。これはきっと夢。アンジーも転子も、ずっとウチと一緒に学校に通って、大人になっても一緒におるんじゃ。これは悪い夢なのじゃ。許せない…。(許せないが、ウチに何ができるんじゃ…!)
最原のような推理力も、ゴン太のような馬鹿力も、王馬のような頭脳も、ウチにはない。ウチは、裁判中もずっと立ち尽くしとるだけじゃった。
犯人じゃった真宮寺がオシオキを受けた。正直、あれくらいじゃあ足りないと思った。ウチには本当になにもできんかった。ウチが真宮寺を止めておれば、異常性に気づいておれば…ウチが、代わりに死ねば…よかったのに。あまりの不甲斐なさを思い知り、ウチの汚いところを見たくなくて、気持ちに栓をしようとした。…じゃが、
「自分につく嘘はよくないと思うよ?」
王馬が、ウチにそう言ったのじゃ。きっと、王馬はウチが1番欲しかった言葉をくれた。泣いてもいいんじゃと、悲しんでいいんじゃと教えてくれたような気がしたのじゃ。
「ウチはいつまでも落ち込んどる訳にはいかないのじゃ!」
ひとしきり泣き喚いた後、ウチはアンジーと転子のことを思い出しとった。2人のような、明るくて笑顔で、強い人間にならないと、生き抜くことはできないのじゃ!毎日精一杯、10何年間も役目を放棄していた表情筋を酷使して人に笑いかけ、培ってこんかった会話術を、できるだけ自然に人に振りまいた。明るく振る舞うことは、難しくて疲れるけど、アンジーと転子が近くに居てくれる気がして、楽しいのじゃ。じゃが…
「ウチも、殺されてしまうんじゃないだろうか…。」
時折、そんなことを考えるのじゃ。力の強かった転子でさえ簡単に死んでしまったし、男である天海も道具を使うだけであっけなく逝ってしまった。力も弱く、小柄な自分が人に狙われたら…生き残れる確率は絶望的だろう。ウチの命は、アンジーと転子が繋いだ大事なもの。でも…
「誰かに奪われるくらいなら…」
そう思い立ってからは、案外行動は早かった。倉庫で頑丈なロープを持ってきて、部屋を一つ使って、外からはなかなか開かない仕掛けを作るのじゃ。自分にあった足場を選んで、ロープで輪っかを作る。さあ、死のう。アンジーと転子のおるところへいくのじゃ。足場を蹴飛ばし、ロープに体重が全てかかる。想像を絶する苦しさに、頭がクラクラする。そんな時、窓の外から、こちらを見る人物がいた。
(王馬…)
最期に見るのが、お前になるとはな。いつも意地悪ばっかじゃったが、あの時、ウチに言葉をかけてくれて、ありがとう…。
「夢野ちゃん!!何やってんだよ!?」
王馬は切羽詰まった顔で駆けてくる。見た目に合わない怪力で、ウチの作った仕掛けを壊しておる。手には仕掛けに使った木の破片が刺さり、白い手から血が出ている。
(その仕掛け、作るの大変じゃったのに…)
部屋に駆け込んだ王馬は、ウチの体を抱き上げた。
(これが…お姫様抱っこというやつか…)
誰かの部屋で意識を取り戻した。誰か、とは言ったが、目を開いた瞬間の声と、その人物の匂いで誰なのかはすぐにわかった。
「なに…やってんだよ!馬鹿野郎!」
次回へ続く
コメント
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こんにちわなりきりしませんか?