2025 8⁄30
嗚呼…
俺もお前等の様に”普通”の色が見たい
注意
本作品に出てくる色覚障害はストーリーに合わせ脚色しております
実際の症状とは異なりますのでご注意ください
本時間軸は現代未満、戦後以上でございます
旧国が出てきます
俺がソレに自覚を持ったのは昔のことだった
その日は薄い紫と薄い橙の夕焼けだった
灰色のような空は何とも言えない不快感があった
ナチス「今日の夕焼けはやけに綺麗だな…」
日帝「へっ…?」
その夕焼けに見惚れていた先輩を見て俺は疑問に感じた
この空の何処が綺麗なのだろうと
翌年は何故か枢軸組と連合組で苺狩に行くことになった
実際憂鬱だ
だってあの米国も来るんだから
最悪…地獄になりそうだ
早く帰りたかった
たが…
地獄はこれからだった
日帝「苺…」
ナチス「ああ…」
ナチス「それは緑色だろ?」
日帝「………ええ」
ナチス「それはまだ熟していないイチゴだ」
日帝「ではこれですか?」
ナチス「むむ…」
ナチス「これもあんまりかもな」
ナチス「とても赤くて大きいイチゴを採るんだ」
日帝「赤くて大きい…」
ナチス「例えば――」
プチッ
ナチス「これとか?」
日帝「なるほど…!」
物覚えは早い方だったから熟している苺と熟していない苺の違いはすぐに分かった
日帝「あ、これ凄い美味しいかも」
日帝「でも少し小さいか…?」
日帝「まあ良いや」
プチッ
アメリカ「日帝Chan〜!」
アメリカ「どうどう?」
日帝「お前が来て最悪になった」
アメリカ「酷いなぁ〜」
アメリカ「…!」
アメリカ「あ、そのいちご」
日帝「美味しそうだろ?」
日帝「少し小さいが…」
アメリカ「……え?」
日帝「ん?」
アメリカ「い…や」
アメリカ「何でも…ないよ」
アメリカ「じゃあね!」
日帝「…?」
日帝「なんだったんだ…」
アメリカ「ちょちょちょナチス!」
ナチス「どうした煩いぞ」
アメリカ「あの…日帝Chanっていちご狩り初めて?」
ナチス「ん〜…………」
ナチス「分からん」
ナチス「けど多分初めてだろ」
アメリカ「日帝Chanにしっかり美味しいいちご教えてあげなよ!」
ナチス「…は?」
日帝「んん…」
日帝「甘くないな…」
日帝「やはり小さいのは駄目なのか」
ナチス「おい…」
ナチス「俺しっかり赤いイチゴ採れって教えたぞ?」
アメリカ「ならなんで緑のいちご採ってるの?!」
ナチス「知らねえよ俺に聞くな!」
日帝「2国ともうるさ〜い」
プチッ
日帝「アムッ…あ、美味い」
ナチス「…今採った隣にすっごい赤いイチゴあるぞ」
アメリカ「でも少し小さくね?」
ナチス「日帝なら気づくはず」
アメリカ「…あ?」
アメリカ「まさか…んな訳ないよな」
アメリカ「ちょっと待ってろ」
ナチス「は?待て!」
ナチス「チッ…何をアイツブツブツと…」
アメリカ「日っ帝Chan〜」
日帝「なんだ…」
アメリカ「どっち欲しい?」
日帝(大きくて濃い苺が2つ…)
日帝「ん〜…右で」
アメリカ「うえっ…右でいいの?」
日帝「美味しそう」
アメリカ「………」
アメリカ「左あげる」
日帝「なんで聞いたんだよ…」
アメリカ「じゃ!」
日帝「はぁ…モグモグ」
日帝「…?美味いじゃないか」
アメリカ「確信した…」
ナチス「ああそうだな…」
アメリカの右手には大きいが緑色のイチゴがある
一方左手には熟したイチゴがあった
独米「日帝/Chanは色覚障害だ」
日帝「…ピクッ」
日帝(俺が見てたのって…普通じゃなかったのか?)
「この色褪せた世界にハナタバを」の仮書きです