驚愕の部屋

あの日、鏡の世界は異様な静寂に包まれていた。

鏡の圭吾は、影の力に溺れ、己の存在すら見失いかけていた。

彼は本来の自分を保とうと必死だったが、影の力は暴走し、理性を蝕んでいた。

その時、鏡の美月は彼のそばで必死に支えようとしていた。

「圭吾…お願い、戻ってきて…！」

だが、圭吾の暴走は止まらず、彼の手から放たれた影の刃が美月を襲った。

「いやっ…！」

鏡の美月はその刃を受け、深く傷つく。

その痛みは、現実の美月にも伝わり、彼女の心に深い傷を刻み込んだ。

鏡の圭吾は一瞬我に返り、美月の傷を見て震える。

「ごめん…美月…」

だが、その時にはすでに遅く、鏡の美月は自分の意識の一部を現実の美月に託し、鏡の世界に消えていった。

美月はその記憶の断片と痛みを引きずりながら、現実の世界で圭吾を憎み、そして求める複雑な感情に苦しむこととなった。