私のことを知らない人が大勢だと思っています。ほんの少し前にかじった程度にnmmnを書いておりました。いつだったかに書いた話をあげてみます。
本人様とは関係なし
水桃、青桃、水白
あーる18
happyendになったらいいな
通報だけはやめて
パクリ等してません
自分の書きたいように書きました
「ないちゃん。飴林檎食べに行こうよ」
『林檎飴』じゃなくて『飴林檎』
「え、なんで…..?」
朝目覚めると、水色髪の君は寝室のベットに腰掛けていた。
一緒に住んでいるわけじゃない。それに、
「林檎飴なんてもうどこにも売ってないでしょ?」
「ん?なに言ってんのないちゃん。夏祭りに行けばいいんだよ」
ガチャ
「は…..」
寝室の向こうは廊下のはずだ。
それなのに、その向こうは夏祭りのごとく、紺色の空と色とりどりの屋台。そしてたくさんの人々。ただし、全員が動物のお面をつけている。お面をつけていないのは、俺とほとけっち。
「なにここ…..みんなお面つけてて、不気味」
「ふふ、そうかもね。でも、お面つけていない人もいるよ?」
「あ、本当だ。」
ほとけっちが指さした方向には確かに数人がお面をつけていなかった。
「さあ、ないちゃん、飴林檎食べに行こう?」
差し出された手を素直に受け取った。断る理由は…..ないから。
「りうちゃーん。飴林檎一つ!」
「ほとけっち久しぶりじゃん。いいよ~欲しいの買ってって」
赤いオオカミのお面をつけた少年がやっている店につれて来られた。
口元だけが見えているが、彼の微笑みはゾクッとするほど美しかった。
「りうちゃん、って知り合いなの?」
「そうそう、あれ、ないちゃんと会わせたことないっけ?」
「はは、ほとけっち忘れっぽいなあ。初めまして、ないこさん。俺はりうらって言います。ほとけっちとは腐れ縁ですけどね」
「りうちゃん!?腐れ縁て何!?」
「うそうそ、お友達だよねえ」
そう言ってニッコリと笑うと、次はあどけない幼さが出ていた。
変な人。妙な魅力がある彼は林檎飴を一つ差し出してもう一度笑った。
「はい、サービス。大っきいやつあげる」
「ありがとうございます…..いくら?」
「8000円」
「ええったっか!?なにこれ、ふじりんごなの!?(ちなみにそれでもちょっと高い)」
「冗談だよ。ほとけっちってホント冗談通じないよねえ。500円だよ」
「よ、よかった…..までぃでそんなお金持ってきてないって」
そんなやり取りのあと、ほとけっちはこちらに飴を差し出して笑った。
「はい、ないちゃん。僕の奢りね」
「え、いいの…..?」
「うん、ゆっくり食べてよ」
「この世界が消えちゃうからね」
「どういう、こと?」
「ううん。さ、行こ。もうすぐ花火も始まるから」
手を引かれるままに、ほとけっちについて行く。
「じゃあね~今度は2人で遊びに来て~」
握られた手にゆっくりと指を絡めた。
「ないちゃん」
「あっごめん…..」
そう、やっぱりダメだよね。
ずっと前から、彼のことが好き。
ずっと、ずっと好きだったのに。
『ないちゃん!僕あの人と付き合うことになったの!』
もう、そのときなんて言ったかなんて覚えてない。思い出したくない。
『そっか。良かったね。幸せになってね』
異空間。
俺の寝室をでたところにある、訳の分からない世界。
今なら、なんとなく許される気がしたの。
ギュ
「あ…..//」
「今日だけね。今だけ」
そのまま指を絡めてくれた。
ああ、なんでそんなにかっこいいんだろうね。
俺よりも背も低くて、かわいらしい顔立ちで、声もみんなとは違う甘い声。
そのギャップに、むしろ惚れてしまったのだろうか。
顔が赤くなったことにバレたくなくて、うつむきがちに林檎飴をかじった。
サク、ジュッ…..
普通の林檎飴と違って、飴の上にほんのりとアイシングのような砂糖がかかっている。
林檎の甘酸っぱさと砂糖の甘さが広がった。
「いいなあ。ないちゃんが食べてるの見たら僕もおなかすいたなあ」
「ほとけっちも買えば良かったのに」
「うーん、まあ、いいの。ないちゃんが飴林檎を食べることが必要だったんだから」
「…..なんでさっきからよくわかんないこと言ってるの?」
「大丈夫、最後にはきっと分かるから。それが嫌だったら、花火が始まったら教えてあげる」
知りたいような、知りたくないような。
この世界が終わったら、きっと関係は終わって…..
「いむくん?」
「しょーさん!!」
いむ、くん。
しょう。
こんなに嬉しそうなほとけっちの声、聞いたことない。
「あ、もしかしてないこさん?初めまして初兎です」
顔を全て覆った兎の面。
こちらに話しかける声は少しくぐもっていながらも、透き通った声が聞こえる。
「そうです。初めまして。ほとけっちの恋人さん?」
「//はい。恥ずかしながら。」
「そう。お幸せに、です」
気づくと、左手の温もりは消えていた。
「いむくん、その甘え方はおなかすいとるやろ?」
「あ、バレた~?しょーさんなんかおごってよ!」
「え~いむくん僕の貯金いくらか知っとるやろ?」
「一桁?」
「二桁はあるわ!アニキの店に行けば綿飴くらいおごってくれるんちゃう?」
「アニキ店出してんの?」
「ないちゃん!アニキの店行こうよ!」
また、手を握って引っ張られた。
振り向くと、しょうくんが
手を振っていた。
嫉妬すら、されてないみたい。それがとてつもなく悔しくて寂しい。
「アニキー久しぶり!」
「おお、ほとけやん。」
左下だけ、欠けたようなお面をつけている髪の長い人はアニキと呼ばれた。動物はライオン、だろうか。
どうやら、焼きそばの店をしているようだ。
「アニキももしかしてないちゃんと初めましてじゃない?」
「おお、そうやな。この人がないこさん?」
「初めまして。ないこです」
「俺は悠佑。まあ、アニキって呼ぶ奴ばっかやけどな」
ニッと笑う笑顔は輝きを放っていて…..
あ。
あ。
彼のこと、知ってる。
「ないこ?」
「いふまろ」
青い髪は紺の闇に溶け込むことなく、青い瞳は星空をふくんでいた。お面はつけていない、君。
分かっているけれど、この気まずさは何?
「いふまろ、いつ日本に帰ってきたの?」
「先週」
「え、いふくん日本にいなかったんだ」
「おん。ニューヨークで仕事しっとた」
「うわ、さすがエリート」
もともと、ほとけっちといふまろとは幼なじみだった。
その関係は続いているかは分からない。
「ないこ、ごめん。謝っても許されないけど」
「ううん、気にしてない。俺も抵抗しなかったでしょ」
ほとけっちに失恋して、いふまろが海外に行く二日前。
「いふまろ、飲みにこない?」
一人じゃ寂しい。
酔い潰れてたら明日二日酔いコース確定だから、お酒に強い親友を呼んだ。
「ええけど…..ないこなに飲むん」
「いふまろ、家来るまでにコンビニで買ってきてよ。強いやつ。うちほろ酔いと氷結しかない」
「ないこお酒強くないやろ。死ぬで」
「いいよ、もう。なんか買ってきて。お金も出すから」
ガチャンッ
ピンポーン
通話を切ってしばらくして、いふまろが家に来た。
「お邪魔しまーす。うわ、目赤。どしたん?」
「どうせ後で話す羽目になるんだからさ、飲もうよ」
プシュッ
『乾杯』
「しつれんしたの。ずっとすきだったのにね?いつのまにかどっかいっちゃった。」
「うん」
「なんでかなあ。たかのぞみかなあ」
「…..」
「ね、いふまろ、おれってそんなにみりょくない?みずしらずのやつにとられちゃうほど?」
「ないこ」
「そんな訳ないやろ」
彼に押し倒されても、抵抗しなかった。
卑猥な音が頭の中に響く。
「はっ♡//…..んあ”ッ、ひゃあ♡とまんな、あ”~~~♡♡」
「お願い。こっち見て。」
「んええ”♡//….」
妙に彼が寂しそうで、でも嬉しそうで。
「ふ♡…..あ”あ…..」
口に流されたお酒はなんだったか。
「ないちゃん?どうしたの?」
「ん、ああ」
気づくとほとけっちは大っきな綿飴を持ってこちらをのぞき込んでいた。
「見て見て!この綿飴アニキがおごってくれたの~」
「よかった、ね?」
「ああ、ええの、ええの。俺の幸せは課金やから」
「アニキ太っ腹!」
この人にやらせてはいけないことが多そうだな…..
「さあ、ないちゃん。食料も確保したし」
「?」
「この世界を見に行こうか」
3800字読んでくれたあなたに感謝!
少しでも反応いただければ書きます
Maybe. To be continue…⇢