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保健室へ向かおうと、泉と紗良が歩き出したときだった。
「ねえ、ちょっと」
背後から声がして、二人は振り返る。
さっき泉を助けてくれた三人が立っていた。
真ん中の陸が、少しだけ照れたように笑う。
「明日からさ……一緒に弁当食べない?」
突然の誘いに、泉は思わず目を瞬いた。
「え……?」
右側の男子――優が、露骨に眉をひそめる。
「は?陸、何言ってんだよ。女子と食べるとか……」
左の眼鏡の瞬が、肩をすくめて口を挟む。
「別にいいじゃん。屋上だし誰にも見られないよ。
友達は多い方が楽しいでしょ」
「……お前まで乗り気かよ」
優はぶつぶつ言いながらも、完全には否定しなかった。
陸が泉に視線を向ける。
「どう?嫌じゃなかったらでいいけど」
泉は少し戸惑いながらも、素直に答えた。
「……助けていただいたので。別に、いいです」
その瞬間、陸の顔がぱっと明るくなる。
「よし、決まり。明日の昼、屋上ね」
三人は軽く手を上げて歩き去っていった。
夕日を背にした後ろ姿が、やけに眩しく見えた。