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大会が終わり選手や来場者が解散していく中リナはスズカと共にアキト達の元にと合流をしようとしていた。
「それにしてもアンタ捨身技すぎるでしょあれ?」
「瓦礫に埋もれるっていう選択でしょ?アレはぶっちゃけ賭けだよ。ライトシールドで自分の頭上だけでも防いで自身を守りつつ肘とかのプロテクター部分で降ってくる瓦礫を弾き飛ばして出来るだけ動ける場所を確保したんだよね。」
「自分の体大事にしなさいよ?あんな攻撃した私が言うのも変だけどあの瓦礫によるダメージ洒落にならないからね?」
「そんときはそん時よ。」
「あんたねぇ…。」
ハナカとカナが前を歩きその後ろをリナとスズカが見守りながらこちらも会話をする。
「スズカさんってかなり寡黙な感じを想像してたけど意外と熱くなるんですね?」
「それは…その………。」
「勝手ながらに僕はミカゲさんの刺客って言うもんだからどんないやらしい敵かと思ってたらこうも熱い人とはね。見た目的にもそっち系だからそれ含めたギャップでね。」
「……その、あれは普段の私とは違って…。私にも少し事情があって…………。」
「なんにせよ僕はスズカさん自体には特に悪いイメージは持ってないよ。でも、スズカさんの上司であるミカゲさんはちょっと気味悪くて好きじゃないんだけどね。」
「リナさんの立場ですと…そうなりますよね。私個人からすれば恩人なんですけど……。」
「まぁ、僕個人がミライソフトを敵に回してまでミカゲさんにあれこれするまでは行かないけど」
そんな話をしながらアキトとミカゲと合流し片付けが始まりだした飲食スペースの一席を借りて約束通り天使創造計画について詳しく話を聞くこととなる。
「約束通り天使創造計画について語ってもらうぞ。」
「もちろん、約束だからね。ただ先に話しておくとこの天使創造計画とは都市伝説のようなものでネットの海に転がってるものと僕が知ってるもの。それらを合わせたものだからそんなに信憑性はないだろうしあんまり鵜呑みにはしないように。それを了承してくれるかな?」
「眉唾ものの情報でもいいから僕はその情報が欲しいんだ。カナが何者かを知る為にもね。」
「俺もどんなものでもいい。知り合いに天使創造計画を追ってる奴がいてね。そいつにも情報を渡して更にこっちで調べる予定だからな。」
「りょーかいした。それじゃあみんな知ってるようなところから話していこう。」
まず、『天使創造計画』そもそもこれ自体なんなのか?それを話そう。天使創造計画とは『覚醒』を持つ戦姫を数体創り出すそういう計画だ。これを発案した人物は不明で、その戦姫を生み出した会社の名前もどこにも転がってない、しかしそこで生み出された戦姫達『天使』についてはざっくりとだが情報が出ていた。
バランス型、物理近距離、ビーム近距離、物理遠距離、ビーム遠距離、この五体が存在したと言われている。そんな彼女らは先程話した通り【覚醒】を持っており戦姫としてかなり有名だった。残念ながら悪い意味でだが…。
覚醒を持つ彼女らは性格がお世辞にもいいとは言えず、対戦した戦姫の心を折るようなプレイングをしていた。悪魔のような所業なのに彼女らの名前やその見た目は天使であることから『天使の行進』なんて言われてたんだ。そんな悪魔のような天使を抑えるために**天使のような悪魔の戦姫**が現れ天使を倒した。そしてその悪魔は天使とともに姿を消した。これが天使創造計画とそれによって起きた事件だ。
ちなみにカナちゃんを狙っていた理由はその天使創造計画の『天使』を作る為のオリジナル体『堕天使』だと思ったから。だから君を何とかして手に入れて失われた『意図的に覚醒を持つことが出来る技術』を独占してこの界隈のトップに立ちたかったんだと僕は結論をだした。少し話がズレたね。
とにかく天使創造計画とは『覚醒』を意図的に所有することができないかを試した企画であり結果としてそれは作り出せたが性格に難があり悪評が世間に伝わる。そしてそれを無くすために『悪魔』と言われる戦姫も現れことを収めた後、天使と悪魔その両方は制作会社と共に闇に消えたっていうまとめかな?何かもう少し聞きたいことはあるかな?
「天使創造計画については理解した。それで僕の戦姫であるカナはその覚醒の祖となる戦姫では無いという結論でよかったのか?」
「どーだろうね?まだ確定ではないけど少なくとも今のところは『堕天使』でもないしさっき話した『悪魔』の特徴にも合ってない。【第三の覚醒を持つ戦姫】ていう位置付けになるかな。」
「なら、次は俺からの質問だ。何故ネットにも転がってない情報を俺達に渡した?社外秘とかじゃないのかそれは?」
「社外秘でもなんでもないよ。だってそもそもこの『天使創造計画』は都市伝説のようなものとして語られているためみんな信じてないし、真剣に調べようともしてないからね。」
「はぐらかしてる……ていうわけでもないのか」
「先程も話した通り会社は君の力を欲していたようだが、それは【覚醒】というものを調べるため、その力を独占しようとしたため。けど、僕が天使創造計画について語らなければ君は狙われなかったかもね。」
「余計なことを話してくれたな…」
「でも、そのおかげで君はこうして私と会えている。そこは感謝して欲しいもんだよ。」
「クソが…」
「とにかく僕から話せることはこんなものだ。後は僕から得た情報を元に個人的に頑張ってくれたまえ。私は勝手な行動をしたぶん会社の再起に尽力しないといけないのでね。それじゃあ帰ろうかスズカ?」
「はっ………はい!!」
席を立ちスズカとともにその場を後にする。残されたアキトとリナは少し今後について話したあと今手に入れた情報をカレンに伝えさらに深く情報を獲得しようという結論を出し二人もその場を後にするのだった。
「あ、あの………。ミカゲさん?」
「ん?」
「私ちゃんと仕事出来たでしょうか?」
「あぁ、ハナカがしっかりとデータを取ってくれただろ?」
「そーいう話だったからね。とはいえ、覚醒はついぞ使わせることは出来なかったよ。」
「それはそれでよかったよ。覚醒なしでの実力を知れたという点とその成長具合。彼女は間違いなく特別な戦姫だろう。それを確かにする情報になったんだ。なにも覚醒だけを使わせることが君達に任せたお仕事じゃないからね。」
「そうですか。一応お仕事は出来たみたいで良かったです。」
「ま、そのお仕事は会社からのもので僕個人の目標としては君達を『外』に連れ出す事だったからね。」
「私を…外に?」
「開発部門は基本あの部屋からは出ないだろ?だから視野が狭まってるんじゃないかと思ってね。刺激を与えるのも必要かと。」
「そんな…私何かのためにそこまで……。」
「まー、重荷になるかもしれないけど僕は君に期待してるからね。」
「…!分かりました。ご期待に添えるか分かりませんけど、私なりに何とか頑張ってみますね!」
(……ミカゲ様そんな適当な言っていいんですか?)
(適当なことなんて言うわけないでしょ?確かに僕は彼女に”期待”してるんだ。だからこうやって刺激を与えて成長してもらわないと僕の『計画』に支障が出ちゃう。)
(人を駒としてしか見てないのですか?)
(心外だなぁ?僕は本当に彼女を信頼して期待してるんだ。何かを成すためには自分含め人は必要さ。彼女はその必要な人物の一人ってわけだ。)
(あなたの戦姫となってから一向にあなたが何をしたいのか私には測りかねますね。)
(でもなんだかんだ言って僕を慕ってくれてるじゃん?)
(底知れぬお人でも『マスター』である以上それは従います。そういう風に私は造られてますから。)
(うーんお堅いねぇうちの戦姫は。)