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異世界転生


俺、何してたんだっけ。お袋と出かけて、それで…。ダメだ、頭が痛い…思い出そうとしたら頭が痛い…。

目を開けろ、俺…頼むから…!

そうやって、俺は目を開けた。目を開けた瞬間、世界が見えた。


「…あ?此処、何処だ?俺、今何処に…?」


辺りを見回す。見たことの無い世界。

もしかしてこれって…


異世界転生しちまったのかよォ〜〜〜〜ッ!!!!


俺はどうやら異世界転生をしてしまった様だ。

承太郎さんも居なければ、億泰達も居ない。

どーしたらいいんだよォ〜〜〜ッ!って、考えてる暇はねぇんじゃあねぇか…?


「…リーゼントはそのまま、服装はボロっちい、どーなってんだ。」


ゆっくり立ち上がる、そして背後から声がした。


「ジョースケ、オレ。」

「あ?!クレイジーダイヤモンドッ?!おま、喋れたのかよッ!」

「喋れた、じゃなくて、喋れるようになった、ノホウガイイかも。」

「…な、成程?」

「ジョースケは、転生したのかも。オレも同じ。だから、今、居るのはスラム街みたいな、貧相な場所。」

「成程な、じゃあ俺、貧乏になっちまったっつーことかよ?!」

「うん、でも、その…」


クレイジーダイヤモンドはボソッと言う。


「ジョースケは、王子の立ち位置なはずなんだよ。」

「…は?」

「訳あって、ここに居る。だから、その…」

「いや、何となくわかったぜ。ありがとな。つまり俺は追放されたっつーことか?」

「ウーン、ちょっと違う…此処に逃がしてもらった、の方が正しいかも…?」

「…逃がしてもらった?」

「…ウン。」


ゆっくり話を聞いた、どうやら俺はジョースター家の4男で、幼い時に此処に逃がしてもらったのだそうだ。


グレートに驚いたもんだぜ、まさか自分が王子様なんだってな。

クレイジーダイヤモンドは続けて言う。


「ジョースケは、その…ジョセフ・ジョースターに…その、逃がしてもらったんだ。そして、今まで此処で過ごしてきたみたいだ。」

「言われてみれば、なんか見覚えあるなぁとは思ったけどよォ〜ッ、流石にこれは驚いたな。」

「ウン、デモ、ジョースケはオレが守るから、安心して欲しい。自分を少しでも回復できるように、ちょっとだけできるようになったンダ。」

「すっげぇ〜ッ!!お前成長したな〜ッ!!ありがとよ、グレートだぜ!!」

「エヘヘ、アリガトウ…」


スタンドの声が聞こえるとは思っていなかったぜ…。

とはいえだ、成長したクレイジーダイヤモンドを見ると、すごく嬉しくなる。


クレイジーダイヤモンドに聞いてみたいことがあったので聞いてみた。


「なぁ、俺の家族は今何処だよ?」

「…今は、家、つまり…城に居る…デモ、ジョースケを覚えているかなんて、分からない…。迎えに来てくれるかトカモ、分からない…ゴメン…」

「気にしなくていいぜ、ありがとよ、クレイジーダイヤモンド。家族が無事っつーのを知れただけで嬉しいからな。」

「…ソッカ、力にナレナイ。」

「大丈夫だっての、俺は大丈夫だからよ。」


そんなことを話している間に俺は腹が減ってしまった。

食うものも何もねぇじゃあねぇかよォ〜ッ!

どーしよっかな〜ッ…


「お腹空いた?ジョースケ。」

「嗚呼、腹が減ったぜ。」

「ジョースケ、そんなにお腹減ったのカ。ウーン…」

「…無理すんなよクレイジーダイヤモンド。」


食べ物、何かねぇかなァ…。あったら苦労しねぇんだが…。

探し回る、何処にもなかった。くれなかった。


「…なぁ、クレイジーダイヤモンド。」

「…どうしたジョースケ?」

「…誰も、くれないよな、食い物。」

「…ウン。」

「…そんなに差別されてんのか?」

「…ウン。」

「…そうか。」


『辛いな。』


「…!ジョースケ…」

「…なぁッ、俺ってよォ…生きてたらダメ…なのかよッ。」

「な、泣くんじゃあ…ナイよ…」

「だって…だってよォッ…!俺…何かしたかよッ…!」

「…」


クレイジーダイヤモンドはそっと抱きしめてくれた。何も無い。そんな俺を。


「…守ってアゲラレナイ。オレは弱い。」

「ぐずっ…う…」

「…傍にいることはデキル。」

「うん…」

「…だから、安心シテホシイ。」

「うん…」


そのまま何時間泣いたのかな、もう覚えてもなかった。


このまま、死んでいくのかな。


俺に未来はないのかな。


生きる道は何処にもないのかな。


絶望してしまった、いつもなら、億泰達が慰めてくれるのに、この世界には居ない…。


億泰、康一、由花子、露伴、噴上裕也、億泰の兄貴、承太郎さん、ジョースターさん…。


誰も居ないんだ。


誰か、助けてくれてもいいんじゃあねぇの…?


居ない。


手を差し伸べてくれる人は、この世界には存在しない。


誰か…


「…か!」

「…?」

「…み!」

「…誰、だ?」

「大丈夫か君!」

「…?」


目を開けた、俺はその顔を見た。

ジョースターさんがそこに居た、涙を流したジョースターさんが。


「…仗助ッ!」

「…ジョースター、さん?」

「…仗助ッ!大丈夫かッ!」

「死にそう…です…」

「今、今食わせてやっからな!シーザー!パンかなんかあるか!」

「嗚呼、あるぞ!これだな!」


2人は俺を座らせ、パンを口に運んでくる。


「…食えるか?」

「食べたい…」

「ゆっくりでいいからな…」


背中を摩ってくれる、2人は優しかった。

ジョースターさん呼びも、何故か気が引けた。


「ジョセフ…兄さん…?俺、何して…」

「…食えたな、偉い。」


頭を撫でてくれる。ジョースターさん…いや、ジョセフ兄さんは、撫でてくれた。


「…JOJO、この子がお前の弟なんだな?」

「嗚呼…生きてて良かった。」

「…兄さん、遅い。」

「悪かった…本当に…ゴメン…」

「…んーん、もう大丈夫。」

(JOJOの弟、すごく可愛いな…。雰囲気も優しそうだ…)


シーザーさんは、俺をじっと見ていた。

俺の顔に何かついてるか?


「…JOJO、一旦帰ろう。この子も連れてさ。」

「嗚呼、わかった。」

「…俺、そっち行っていいの?…俺がそこに行ったら、迷惑じゃあねぇの…?」

「…そんなことある訳ないだろ?!俺の弟だぞ?!」

「…うん。」

(良かったナ、ジョースケッ!)


2人に連れられ、城へと向かった。

怖い、恐怖心が本当に出てきてしまう。

怖い。誰も知らない。そんな俺が居ても大丈夫なのかな…?


クレイジーダイヤモンドは傍で見守ってくれている。

それだったら大丈夫だよな。


「…ほら、仗助。おいで。」

「…うん、今行く。」


ボロっちい服のまま、そのまま城へ向かった。

何がしたいのか分からなかったんだけど、でも、兄弟だから助けてくれたのかな。



久しぶりの兄弟と求婚?!

「我が兄弟達よ〜ッ!ただいまぁーッ!」

「おかえりなさい、ジョセフ兄様ッ!」

「おかえり〜。」


ジョルノ、徐倫がそこに居た。

そして俺を見て目を丸くする、久しぶりに出会ったかのような反応。

そう、覚えていた、俺を…ずっと…


「仗助兄様ッ!おかえりなさい!大丈夫ですか…?」

「あ、嗚呼…大丈夫…。ちょいと傷は痛むけどな…。」

「ちょっとお兄ちゃんッ!服どーしたのそれ!」

「ボロっちいだろ?此処に来るのあんまり良くないとか思ってたんだよな。」

「…おい仗助、帰ってたのか?」

「承太郎兄ちゃん…久しぶりだな…?」

「…おかえりだ、こっち来い。」


転生しても、承太郎さんは承太郎さんだった。

嬉しかったんだ。


「…ただいま、兄ちゃん」

「…おかえり。」

「暖かい…」

「…好きなだけハグしろ。」


そうやってギュッと抱きしめてくれている。

ジョナサン兄さんも居た。

自然と兄さん、兄ちゃん呼びが出る。

記憶は多少違うけど、兄弟だった。


「おかえりなさいッ!1人にしてゴメンね。

生きてて良かったよ。」

「…うん、生きてるよ。偉い?」

「偉いッ…!本っ当に偉いよ!」


…暖かいな、これが温もりってやつかよ。

涙止まらねぇじゃあねぇかよ。


「シーザー、仗助、話があるんだ。」

「ん、どうしたんだJOJO?」

「…?どーしたんだよ、ジョセフ兄。」

「…シーザーは婚約者、居ないんだろ?んでもって仗助に惚れてただろ?」

「なんで分かるんだJOJO!」

「…惚れてたんだ、シーザーさん。」


突然だったのだが、悪い気はしなかった。


「…なあ、仗助、オレと付き合ってくれないか。」

「あのッ、初対面でそれは…」

「…わかってる。だから、もう少し慣れてからだ。それでもいいか。」

「あっ、えっ、ハイ…。」

「…ありがとう。」


抱きしめられた。

嗚呼、どうしたらいいんだ俺はッ!!!

クレイジーダイヤモンドに目線を向けた、だが彼奴は逸らしやがった!!!

ふざけるなぁッ!クレイジーダイヤモンドッ!!!


「シーザーさん、俺でいいんですか?」

「嗚呼、お前がいいんだ。」

「…そんなに肩を掴まれても、困るッスよ?」

「…好きだから見つめるためにだ。」

「ええッ…?!」


そんなことを直接言われると戸惑う。

どうしたらいいんだ俺っ!!!!


「兄様ッ!良かったですね!この人なら兄様を支えられますよッ!」

「それ、信じていいんだろうなァ〜?」

「いいのよ!あの人すごく優しいのよッ!」


ジョルノと徐倫は言ったんだ、優しいと。

いまいち信じられないんだが、まぁ、兄弟が言うなら信じてもイイかもしれない。

クレイジーダイヤモンドはグッとサムズアップする。

ふざけるなクレイジーダイヤモンドッ!!!!

お前は俺を助けろッ!!!!なんて思ったけど、悪くないかな…?こんな人生も。

仗助くんは異世界転生をしてしまったッ?!

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