TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

私は自分のデスクに座り,書類を淡々と処理していた。


余計な感情は,仕事の邪魔になるだけ。


……はずだった。


「では,こちらの線で進める形になりますんで」


少し離れた会議スペースから聞こえてくる声。

落ち着いていて,低くて,よく通る。


中野 隼人。

さっきまで廊下で欠伸していた男とは思えない。


「この時間帯の防犯カメラ,再確認お願いします。映像,僕の方でまとめますんで」


丁寧で,隙がない。

周囲の視線が自然と集まるのも分かる。


……ほんと,仕事になると別人。


会議が終わり,人が散っていく。

空気が緩んだ,その瞬間。


「はぁ……終わった」


一気に気だるい声。


「切り替え早すぎ」


思わず口にすると,中野は私の方を見て笑った。


「仕事終わったんで」


「さっきまで丁寧だったでしょ」


「仕事中やったからな」


そう言いながら,私のデスクの横に立つ。

……近い。


一歩,さらに近づく。


「……なに」


「恵ってさ」


低くなった声。

自然と,目が合う。


「仕事してる時,綺麗やな」


「……は?」


「真面目な顔」


「からかってる?」


「半分」


「残り半分は」


「本音」


「……仕事中よ。」


「今は仕事終わってる」


「……」


何も言えなくなる私を見て,中野は小さく笑った。



……本当に厄介。

正義は恋を裁けない

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1,159

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚