テラーノベル
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阿部は目黒が気になる。
優しくしてもらったら嬉しい。
この気持ちはなんだろう?
目が姿を追ってしまう。
耳が声を聞きたがる。
そばにいると、落ち着く。
全部引っくるめて「好き」だと思う。
おかしいこと。
変なこと。
間違ってること。
人には言えないこと。
だから、誰にも言えない。
自分の中で想ってるだけ。
「好き」になっちゃって。
「恋」しちゃって。
「偽りの自分」が出来ちゃって。
隠さなきゃ。
誤魔化さなきゃ。
嘘を突き通さなきゃ。
そばにいられない。
話出来ない。
笑い合うことが出来ない。
悩んで悩んで、心に鍵をかけた。
何事もなかった顔をしてる。
いい仲間を演じてる。
そうやって、阿部は半年過ごしてきた。
だが、本人に知られてしまう。
隠してるつもりだったけれど、目が追ってしまいよく目が合う。
慌てて逸らしたのがまずかった。
目黒ー阿部ちゃん、俺に言うことある?
阿部ーないよ。
目黒ーふ〜ん。
阿部ー何?
目黒ーよく目が合うよね?
阿部ー気のせいじゃない?
目黒ーあっ、俺が阿部ちゃん見てるから目が合うのか。
阿部ー何で?
目黒ーさてね〜。あっ翔太くん。
目黒は渡辺の元へ行ってしまった。
あの2人とラウールはよく一緒にいる。
阿部は、高身長の2人に挟まれた渡辺が可愛く見えて、自分も、もっと背が低くなってたらいいのにと思う。
2人を見上げて話す渡辺は可愛い。
ぼんやり見てたら、また目黒と目が合う。
慌てて逸らすがきっとバレてる。
それなら素直に認めるのはおかしいだろうか?
自分は隠し事が上手だと思っていたのに、目黒は軽く見破った。
阿部の態度が不審だったのだろう。
半年、大事に想ってきたけど、目黒にしれたら、終わり。
それに、目黒は渡辺と付き合っている。
聞いたことはないが、あの親密さはそうだろう。
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噛み締めて読んでます