広い宇宙の海に、他の星に負けないぐらい光り輝く船が飛んでいました。その名はローア。
ローアは船長のマホロアを連れて悠々と星を渡り歩いていました。船の中でマホロアは 次はどの星に降り立とうかと、コンピュータの画面に写った外の景色を見て呟きました。
「ローア、次は北東の方にあるコノ星に行ってみようヨ。」
マホロアはローアに呼びかけた。ローアはなにも答えません。しかし、ローアはマホロアの応えに了解したかのように、北東の方へ進んでいきました。
そんな様子の2人の近くに突如、大きな異空間が発生し、天かける船 ローアは飲み込まれてしまった。マホロアはどうにかして脱出しようとするが、空間内の揺れが酷くなかなか難しい、しかし何とか脱出できる経路を見つけて無我夢中で飛び込んだ。飛び込んだ場所は知らない世界、周りを見渡しても自分が知ってる星々はなかった。
しかも、さっきの脱出で無理にこじ開けたため、ローアの母体が少し壊れてしまった。そのせいでボクたちは、光り輝く星に墜落することになった。
電気がチラつく中、ボクはなんとか体を起こして安全確認をし、ここがどこなのかローアに外の様子を画面に写してもらう。そうすると、ローアが不時着したのは草原のようだった。ひとまず安全な場所に落ちたという事だけが、不幸中の幸いだった。確認をしていると、突然後ろのドアが開いた。
のどかな村に突然大きな音が轟く。何事かと近くにいたフームとブン、カービィが音がした方に駆け寄る。草原で墜落していたローアを見つけ、好奇心でブンが中を見ようとする。
しかしフームが止めるがブンは中に入ってしまう。カービィも無我夢中に2人について行く。
なかに入ると、青いフードに大きな耳、白いローブを纏った人物が困った様子で大きなコンピュータの前にいる。
マホロアは後ろから気配がしたので振り向くと、そこには男の子と女の子がいた、その隣には居るはずのないカービィがいた。気づかれてしまったのか3人のうち女の子が慌てて謝る。男の子は自分を見て誰なのか問う。カービィらしき子は、この状況が分からないのか首を傾げる。マホロアはそんな様子にこう答える。
「チョットびっくりしちゃったけど大丈夫だヨ、ボクはマホロアこの船ローアで、旅をしているんダ。キミ達は、この星の人?」
「そうよ、私はフームこっちはカービィ。」
「俺はブン、それにしてもこの船かっけぇな!」
「ありがとう、もしよかったらだけどこの船ローアについて教えてあげるヨ。」
「えっ、いいのか!」
「でもブン、もうすぐ夕飯の時間よ。」
それを聞いたマホロアは、
「そうなんだネ、じゃあ また明日にでも来てヨ。」
「わかった 、また明日な マホロア。」
「じゃあね、マホロア」
「まほろあ〜」
マホロアは静かに手を振る。
そう言って3人はローアを出ていく、その姿をマホロアは見送った。
次の日、3人に出会ったあとローアについて話、ついでに町の中を案内してもらった。
町の中を案内し終えると、緑がいっそうと続く原っぱに腰掛けてブンがこう言った、
「そういえば、どうしてマホロアはこの星に来たの?」
「どうしてでもないのだけど、実はココに来る前に事故が起きチャッテ、それでこの星に不時着しちゃったんダ。」
それを聞いたフームはこう言った、
「もしかして、帰る方法もわからないの?」
「うん、そういう事になるんだよネ。」
「「ええ!」」
と2人は驚く。カービィはわかってないのか、首を傾げる。
「でも、帰る方法がわからないってことは、帰るのは当分先の話だよな。」
「よっしゃぁ!まだマホロアと遊べるな!」
「フフッ、もうブンったら。でも一緒に遊べるのは嬉しいかも。」
「ぽよぉーい!」
「みんな、ウン!ボクもうれしいヨ!」
「よし、それじゃあさっそく遊ぼうぜ!最初は鬼ごっこだぁ、マホロア鬼な〜。」
「えぇ、ボク! マ、待ってヨォ〜。」
「ふふっカービィ行きましょ。」
「ぽーよ!」
そんな4人の姿を見る黒い影が疑いをかけるように、ただ1人に伸びていた。
そんななかデデデ大王たちは、
「おい、エスカルゴン お茶」
「はいはい、お茶でゲス」
「そういえば、フームとブンとカービィが最近見てないんだゾイ」
「フーム達なら、いつも通り村で遊んでるんじゃないでゲスか」
「そうかゾイ?」
「わかったなら、もう呼ばないでね」
「あー忙しい忙しい。」
「待つゾイ!」
とデデデがエスカルゴンの殻を、力強く引っ張った。
「あーもうなんなんでゲスか!」
「昨日、音があった所に行くゾイ!」
「またなんでっ アイッタァァ」
デデデがエスカルゴンの頭を強烈なパンチで食らわせ、エスカルゴンを黙らせた。
「とにかく車を出すゾイ」
デデデはエスカルゴンを引きづり、部屋の扉を開けて出ていってしまった。
時間が経ち、2人は猛スピードで車庫につき、金ピカの異様に長い母体の車に乗って、降りかけの橋だったのにも関わらず駆け抜けて行った。
しかし、その様子をメタナイト卿の側近、ブレイドナイトが見ていたとは知らずに。
鬼ごっこが終えたあと4人は村の広場にいた。
マホロアは旅人ということで、村人たちの注目の的だ。
「ねぇ、また俺のレストランに来てよ。」
「いーや、俺のコンビニもだ。」
「いやいや、わしの羊さんもまた見に来ておくれ」
「そんなことを言ってくれるのは嬉しいナァ、その時はよろしく頼むヨ。」
そんなことを言っていると、向こうからけたたましいエンジン音が鳴り響いてきた。
「あっ、あの五月蝿い音は、」
「うげぇデデデとエスカルゴンだぁ。」
とフームとブンが不快な顔をする、すると周りの人もなぜだかざわつき始めた。マホロアは疑問に思っていると、すぐにそのざわめきの元となるものが現れた。その元となる姿を見た瞬間、僕の考えが確定した瞬間だった。
そんな事を思っているボクの隣で、フームが口を開いた。
「ちょっとあんた達、今度はいったい何の用なの?!」
と、フームは怒ったように言った。それに応えるようにエスカルゴンが言う。
「特にそういう用はないのでゲスが、そこの人民共が集まっているので怪しく見えて来ただけでゲス。」
「そうゾイ」
「まさか、みんなでデモを引き起こそうと考えていたのでゲしょうかね。」
と、ボク達に睨みつけるかのように言った。
「そそ、そんな事は…」
「俺たち旅人さんと話をしてたんだ。」
「旅人ぉ?」
「そなたが旅人かぁ。」
「ア、エット旅人のマホロアだヨォ、昨日からこの村にお世話になってるンダ。」
「おぉ、そうかそうかマホロアかぁ〜、まさか昨日の音の正体がわかるとわ。」
2人はマホロアの方を見て、ウザイほどニヤついている。
「では、疑いも勘違いということでこれにて失礼するでゲス。」
と来た道ではなく、そのまま走りすぎていってしまった。だが、マホロアは背筋が凍った。そんな様子に気づくことなくフームが言った。
「一体なんだったのかしら?」
「さあな、ただの気まぐれだったんじゃねえの?」
「なぁマホロア、マホロア?」
「マホロアどうしたの?」
「エ、アッゴメン実は用事を思い出して、ボク先に帰るね。」
「え、そうなの?」
「わかったじゃあな、マホロア。」
「またねマホロア。」
じゃあまた、とマホロアは手を振り早々とローアのもとえ向かった。あの時の2人を思い出す。あの顔とあの台詞、そして帰って行った方向、おそらくだが昨日大きな音が鳴ったところ、そうローアがある場所に行くのだろう。そう思うと、自然と足が速くなる。そんなことを考えながら走っていると、あの目障りな車が見えてきた。胸の鼓動が早くなっているのを感じる。それは、速く走っているからなのか、はたまたあの2人が何をするのか分からないという、恐怖からなのか。だがマホロアにとってそんなことは、食玩に付いてくるおまけのようだった。気がつくと目障りな車が止まっていた、何があったのかと疑問に思うが、ここで距離を詰めるのにはチャンスだ。
僕はようやく車に追いついた。そこには、ダラダラと文句をつづっている青いペンギンと、その言葉に乗っかるゲスやろうと、メタナイトらしき人物が車の前に立ちはだかっている。
「やっと追いついたヨ。」
ボクは自信満々に言う。それを聞いたデデデが
「もう来たゾイ!?」
「キミ達さぁ、ボクのローアに何する気かは知らないケド、その汚い手を一瞬たりとも触れさせないからネ!」
「ワシの手は汚くないゾイ!」
「もう そういう事言ってるわけじゃないでゲしょうがぁ。」
「というか、私たちがローアに行くことをわかったのでゲスか!?」
「もう怒ったゾイ!魔獣オウグルフよ2人をめちゃくちゃにするゾい!」
デデデがそういった矢先、車から梟のような見た目のオウグルフが飛び出し僕たちに襲いかかってきた。ボクはオウグルフからの攻撃を避けた。
「チョット、急になんなんダヨ。」
「そっちが邪魔してきたくせによく言うゾイ」
「これは不味い、そなたは逃げろ。」
「でも、キミが危ないヨ。ボクも一緒にたたかうヨ!」
「そんな武器もなんにも持ってないあんたに戦えるわけがないでゲショウガ。」
「そうゾイ、この勝負は目に見えてるゾイ。」
「そっちがそう言うのなら、コノ勝負取らせてもらうヨ!」
「魔力球」
マホロアの手から複数の魔力球がうち放たれた、その魔力球はそのまま魔獣オウグルフに当たった。
『うぎゃぁぁぁあああ』
そのまま光に満ちて消えてなくなり、デデデたちは顔を真っ青にしている。
「ま、まさか一撃でゲスかっ、」
「そっそんなの嘘ゾイ!」
マホロアは意地の悪い微笑みを口元に浮かべて、どこか人を馬鹿にしたような顔で言った。
「サァ、次はキミ達の番ダヨ。」
「くそぉ、一旦退却ゾイ!」
デデデはそう言い残し、マフラーから大量のガスを出しながら逃げていった。その姿を見送ったあとボクはメタナイトらしき人物にお礼した。
「さっきはデデデたちを止めてくれてアリガトウ。」
「エッとキミは?」
「私の名はメタナイト、そなたが噂の旅人というマホロアか?」
「そうだけど、ボクに何か?」
「フームたちとなかよくしてもらいありがとう。」
「いや、ゼンゼン。大したことしてないヨ。」
「あれ、なんでボクがフームたちと仲良くしていることを知っているの、ボクとは初対面だよネ?」
「実は昨日フームたちが外から帰ってきた時、私にマホロアのことを教えてくれたのだ。」
「エっそうだったの、疑ってゴメンネ。」
「いや、私も言葉足らずだった、すまない。」
「そしてマホロアそなたは何故ここに?」
「ここに来る前、村の広場に居たんだけど急にデデデたちが現れてネ、村の人たちと話をしていて話の最後で僕のほうを見て、笑ったんダそれもウザイくらいに、それで嫌な予感がしてデデデたちの後を追ったんダ、そうしたらキミがいたわけ。」
「なるほど、だからここにいたのだな。」
「ククッでもそんなこと、ボクに聞かなくてもわかってたヨネ。」
「何故そう思う。」
「だってこんなこと知らなかったら、普通は、車の進行を邪魔しないと思うヨ。」
「さぁな、どうだろうか。」
その話には触れたくないのかメタナイトはお茶を濁す。
「少し話が出来て良かった、ではこれで失礼する。」
メタナイトはゆっくりと歩き出して、帰って行った。マホロアもローアに帰ろうと一歩踏み出した。
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