コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
広い部屋に到底この星の科学技術では作れなさそうなゴツイ転移装置と、悪趣味な玉座が置いてある。 そんな部屋に2人の騒がしい足音が近づいてくる。重そうな両手扉を勢いよく開け、デデデとエスカルゴンが飛び出してきた。玉座に座ったデデデと、その横にいるエスカルゴンは、どちらも大きなモニターの方を見た。モニターから男の声がした。
「ようこそホーリーナイトメア社へ」
「本日はどの……」
「カスタマー!腹が立つことがあったゾイ!」
デデデは男の声をさえぎり怒りを露わにした。
「それはまた、何があったのですか?」
「マホロアっていう奴が、魔獣を倒したゾイ!」
「そのマホロアという奴は、奇妙な術を使ったのでゲス。」
「奇妙な術…」
男は興味を示すように言った。
「そうでゲス、なにせ手から魔法のようなものを出したのでゲス」
「そうだゾイ、カスタマーそいつに対抗出来る魔獣を寄越すゾイ!」
「そうですね…ではこの魔獣はいかがでしょう」
そういうと、転送装置から紫色でカービィに似た形の魔獣がでてきた。
「なんゾイ?弱そうゾイ」
「こちらは魔獣プランク、火の玉や氷など多彩な攻撃ができる魔獣です」
「とっても強そうゾイ!これにするゾイ!」「まぁーた、そんな簡単に決めちゃって…一体いくらかかるのゲスか?」
「こちらの商品、849000デデン です。」
「安いゾイ!」
「ええぇぇぇ!陛下の目は節穴でゲスか?!」
「こんなの高いでゲスよ!」
「よぉーし、これを買うゾイ!」
「また借金が増えるでゲスゥ」
「よーし、村に行くぞい!」
とエスカルゴンと魔獣プランクを連れて城から、出ていってしまった。その様子を扉越しで見ていたメタナイトが、すぐにフーム達に知らせに出向いた。
暖かい日差しの中、今ボクは町に来ている。実はブンが村の友達を紹介してくれるそうだ。ボクは楽しみにしながら待ち合わせだった広場にある大きな木の下で町の人達と世間話をまじわせながら待っていた。 そうしていると向こうからブンの声がした。
「おーいマホロアー。」
ボクに向かって手を振るブン。ボクも手を振り返した。
「ブン、今行くヨ。」
そう言い では と軽く会釈しその場から離れた。ブンたちと合流し軽く紹介したあと、草原でサッカーをすることになった。ボクはフームと一緒に木の下でみんながサッカーをしているところを見ていた。
「ブン、パス!」
「頑張って!」
「これで決まりだァ!」
とブンは足に力を入れて、地に擦り切れるぐらいに強いキックを繰り出した。ボールは1本の木にあたり、跳ね返ってきた。勢いは止まることなく道に沿ってドンドン転がっていく。
「うわぁ〜ボールがぁぁ。」
とブンが転がるボールを追いかけた。するとボールはとある人物の目の前に止まった。
「あ、メタナイト卿だ。」
「メタナイト卿、そのボール俺の!」
メタナイトはブンの方見て、ボールの方に視線を向ける。
「こっちに蹴ってくれよ。」
ブンがメタナイトにお願いすると、ブンが取りやすいように軽い蹴りを入れた。ブンはそれを軽軽しく取りお礼をした。
「サンキュー メタナイト卿。」
その様子を見たフームはメタナイト卿に疑問を持った。
「ねぇメタナイト卿、また何かあったの?」
仮面で隠れて分からないが、なぜだか焦っている様子に見える。
「またデデデが魔獣を注文していた。さっき城から出ていったから、もうすぐ町に来るかもしれん」
「なんですって!」
「今カービィいないのに、どうするんだよ!」
「カービィはいっしょじゃないのか?」
「ええ、ここに来る前にカービィも誘ったんだけど、お昼寝してて起きないから置いてきたの」
「ヨダレ垂らして気持ちよさそうに寝てたぜ」
そう2人が言うとメタナイト卿は考える素振りを見せた。
「分かった…フーム、ブン、私と一緒に先にデデデたちのところに行こう。そしてイロー、ハニー、ホッへ、マホロアは悪いがカービィを連れてきてくれないか?」
「まかせてよ!」
「ワカッタヨ、メタナイト」
「さぁ 時間がない行こう」
こうしてデデデ達に立ち向かうべく、メタナイト卿の作戦で二手に別れることとなった。フーム達は町に、マホロア達はカービィの家に。マホロアは、フーム達が動き出したことを確認した後、カービィの家に行こうと駆け足になった。イロー、ハニー、ホッへ、マホロア、4人でカービィの家を目指し緩やかな道を進んでいると、道の向こうから白いドーム型の先っちょが見えた、もうすぐだと期待したのかイローがスピードを上げた。
「えぇ、走るのぉ〜」
「ちょっと待ってよ〜」
それに気づいたのかハニーとホッへも後に続くように走っていった。予定より早く着くと早速ドアノブに手をかけ、扉を開けた。だが中にはカービィがいない、その代わりに小さな黄色い鳥がいる。
「んあ?せっかくいい気持ちでお昼寝してたのに、誰だあんた?」
「ボクはマホロアダヨ、君がここの人?ココにはカービィが住んでるって聞いたんだケド。」
「カービィなら隣の木で寝てるぜ、俺様の住処を取られちまったんだ。で、ここに住んでるわけ。ちなみにオイラはトッコリだ」
「教えてくれてアリガトウ、トッコリ。」
「それじゃあ早速突撃だぁ!」
とイローが意気込み、カービィがいるという隣の木へみんなで突撃した。カービィは木の大きなうろの中にスヤスヤと眠っていた。まずはハニーがカービィに声をかけてみた。
「カービィ起きて〜」
次にイローがカービィの体を揺すぶってハニーよりも大きな声で言った。
「お〜い、カービィ!」
カービィにはそんな声が届くはずがなく、笑顔を浮かべていた。
「全然起きないや」
マホロアはカービィを見て、もしこのカービィが元の世界のカービィと同じ食いしん坊だったら、美味しそうな匂いで起きるはずと考えた。
「ネェミンナ、イイ匂いがする食べ物をカービィに近づかせれば起きるカモ。」
「それなら起きそう!」
「よし、やってみよう!」
「でも食べ物はどうするの?」
「ククッ それならカービィの家にチョコレートのお菓子が置いてあったカラ、これでカービィを起コソウ!」
「ナイスだよマホロア!」
「やるじゃん!」
「よしじゃあカービィに近づけよう」
そう言ったマホロアはパッケージを破き、お菓子を取り出した、そのままカービィの近くまで持っていく。ほんのりとカービィの周りに甘いチョコレートの匂いが漂う。そうすると匂いでカービィはお菓子にかぶりついた。かぶりついた瞬間、口の中の感覚で目が覚めた。
「カービィが起きた!」
「作戦は成功ね!」
「あとはカービィを連れてフーム達のところに行くだけだね」
「ヨシ!みんな行くヨ!」
マホロア達はカービィを連れて大急ぎでフーム達のところに駆ける。
ようやく町の入口を入り、広場の木が見えてきた。何やら声がする内容はわからないが、どうやら揉めているようだ。
「メタナイト卿、カービィ連れてきたよ〜!」
と、ホッヘが大声でメタナイトに伝える。その声に気づいたフームとブンは顔が明るくなり少し余裕がもてたように見える。 デデデとエスカルゴンは待ってましたとばかりに、フーム達に発した。
「ガッハッハッ カービィが来たところで 何も意味ないゾイ!」
「そうで……チョちょっとまてゲス!」
「どうしたゾイ?」
「あ、あそこ…」
エスカルゴンは僕の方に指を指した。
「ん……ゲェ、マホロア ゾイ!」
「昨日はよくもやってくれたゾイ!」
「…サァ なんのことカナ?」
「しらばっくれても無駄ゾイ!」
「そうでゲスよ!」
「魔獣プランクよ マホロアを倒すゾイ!」
「ちょっとマホロアは関係ないわ!」
「そーだよ、マホロアは関係ないじゃん!」
「最初から目的はマホロアだったのでゲス」
「エッ……」
魔獣プランクはマホロアに攻撃せず、デデデの命令を無視し火の玉を広範囲に打った。慌てて逃げ回る人たちに溢れかえっている。
「おい!ワシの命令を聞けないのか!」
叫ぶデデデに魔獣プランクは余裕な顔で振り返った。思ってない顔つきにデデデは狼狽えた。
「な、なんゾイ……」
魔獣プランクは自信を見せつけるように骨格を上げニタリと笑った。魔獣プランクは攻撃を続けた。あたりは火で散乱している。足元も悪く、高く立ち上がった煙は視界を狭めている。
「みんな落ち着いて!」
「まだ敵の思惑が分からないこそ、焦っていたら敵の思うつぼよ」
「フーム、カービィとマホロアが見当たらない」
「なんですって!?」
「おいおい嘘だろ?」
「さっきまで隣にいたのに…」
「カービィ、マホロアいたら返事して!」
そんな声は虚しく次々と燃え盛る音に消しけされた。
「姉ちゃん聞こえてないみたいだぜ」
「そういえば、デデデ達も村の人達の声も聞こえてこない」
「フーム、恐らくだが火は魔獣を中心に円になっている可能性がある、それも何層に」
「円に?それどういうこと?」
「きっと奴は火で円を作ることで、逃げ道をなくし周りから中を確認できないようにしたんだ」
「それってつまり…」
「円の中心にカービィとマホロアがいる!」
「どうするんだよ、カービィはコピー能力がないし、マホロアも戦えるかわからないのに…」
「いや、彼は戦える」
「どうして言い切れるの?」
「昨日、村にデデデ達が来たみたいだな」
「どうしてそれを?」
「実は城から出ていった姿をブレイドが目撃していて私に伝えてきたのだ、その後デデデが村から去った後を追って待ち伏せし、デデデを止めていたら後ろからマホロア殿が来たのだ」
「それでどうなったんだ?」
「デデデは魔獣を隠し持っていたみたいで、魔獣を使い攻撃してきたんだ、私は彼に危ないから下がってろと言ったのだが、一緒に戦うと断わられ、そして彼の攻撃で場は納まった」
「あれ、マホロアは武器持ってなかったよね 攻撃はどうしたの?」
「おそらく、彼は魔法を使ったのだ…」
「魔法!?」
「魔法っておとぎ話の中だけだと思ってたわ!」
「とにかくカービィはマホロアに任せれば大丈夫だろう、そして私たちはどうにかして火を消せねばならない」
「でもどうするんだよ、火は円状になってるんだろ?俺たちはどこにいるの?」
「多分…ここは中心から3層目だろう」
「3層目ってことは2層目にデデデ達がいるのね」
「ああ、そしてここの外側だがきっと火で囲まわれている。」
「どうしてそう思うの?」
「そなたが注意を呼びかけたが届いていない時があっただろう、その時点で4層目を作られた可能性がある」
「しかし、今なら村の人達と話せるだろう、フーム確認してもらっていいか?」
「ええ、わかったわ」
「みんな私の声 聞こえるー?」
フームの声が聞こえたのか次々と反応し始めた。
「フーム様の声だ!」
「よくぞご無事で!」
「こっちは大丈夫だよ〜!」
「みんなに質問をするわ、そっちには何人いる?」
「えっと、だいたい5人くらいじゃ。」
「5人…じゃあ外の人に消火は頼んだ?」
「頼みましたけど、なかなか進まなくて…」
「この火の量じゃ時間がかかる」
「炎との間隔が広いとはいえ、長い時間ここにいるのは危険だ」
そう言った時、円の中心からカービィの姿が見えたそれもウォーターカービィの姿で。
「カービィの姿が」
「あれはウォーターカービィ」
「これで火が消えるぞ!」
その予感は的中し、周りの火はみるみるうちに消えていった。しかしいざ火の中心だった方を見ると魔獣が倒されていない。魔獣は攻撃された跡はあるが、あまり通ってないようだ。カービィの近くにいたマホロアは魔法陣を出してカービィに吸い込みをさせようとする。
「カービィ コレを吸い込ンデ!」
そう言うと魔法陣から魔力球をくり出した。カービィはそれを吸い込むと高く飛びあげスパークカービィとなった。
「あれはスパークカービィ!」
「やったぁ!」
カービィは魔獣プランクからの氷攻撃を容易く避け、手に力を込めて攻撃する。攻撃から逃げようとするがマホロアがキルニードルで進路を断つ。
「スパークアロー!」
魔獣プランクはレーザーの勢いに押され、そばにいたデデデとエスカルゴンを巻き添えに空高く舞い上がった。
「エスカルゴーン助けてゾォーイ!」
「もうこんなの懲り懲りでゲス!」
2人は泣き騒ぎながら落ちていった。その様子を見て周りは笑い声で包まれ、いつもの村に元通りになった。
「マホロア、おまえスゲェな!」
「ええ ほんと!凄かったわ!」
「アリガトウ、でもボクは魔獣を倒したわけジャナイシ。それに1番凄かったのはカービィダヨ」
「しかし、あの状況でカービィをサポートできたのは其方だけだ。そこで質問なのだが…其方は何故カービィのコピー能力のことを知っている?」
「アッ……」
この時マホロアは戦いに気を取られ、そこまで頭が回っていなかった。マホロアは疲れていた頭を働かせた。