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◆風磨 side
元貴が隣で寝返り打つたびに、ベッドがやわく揺れる。

その揺れを感じるたび、

「ここにいるんだな」ってのが妙にリアルで、ちょっと笑えてくる。


「なに笑ってんの?」

元貴が低い声でぼそっと言う。


「いや、すげえ落ち着いてんなー、って笑」

軽く言ったけど、

そのくつろぎが、正直ちょっと嬉しい。


逃げる気ゼロじゃん…みたいな?笑


だけど元貴って、完全に気を抜くとふっと距離置くタイプだし、

俺はそれ分かってるから、緩く首根っこ掴むみたいな距離を保ってる。


「にしてもさ」


「ん?」


「大スターが俺の横で寝てんの実感無いわー。」


「え、なにその今さら感。風磨くんが呼んだんでしょ?スターじゃないし!」


図星。

その“平然と返す感じ”が逆に胸のどっかを掴んでくる。


「呼んだけどさ、来ると思ってなかったし」


「でも…来たよ?」


軽い返事。

でもそこに“信頼”が混じってるの、俺だけ気付いてる。


こういう時の元貴って、

逃げないけど、静かに“預けてる”。

俺はその感じを逃したくない。


「……なぁ元貴」


「なに?」


「今日、さ……その…一緒に寝る?」


言った後に沈黙。

すぐ返ってくると思ったのに返ってこない。


元貴が小さく息吸うのが分かる。


「……別に、いいけど」


その“いいけど”が

“帰りたいわけじゃないよ”って意味なの、

俺には丸見えなんだよ。


だからこそ、逃がしたくねぇ。


触れたら戻れない夜

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