side💚
翌日、レッスンが終わった後も、俺はスタジオの片隅でパソコンを開いていた。
楽屋に戻る前に少しだけ作業を進めておこうと思ったのだが、ふと気づくと誰かが隣に座っていた。
🩷「またそんなとこで仕事?」
💚「…佐久間?」
驚いて顔を上げると、佐久間はニヤリと笑っていた。
🩷「阿部ちゃん、最近俺と話す時間減ったよね?」
💚「そんなことないよ。」
🩷「いや、減ってる!」
佐久間は頬を膨らませて、不満げに腕を組む。
🩷「俺は阿部ちゃんともっと話したいのにさ、気づいたらパソコンとにらめっこしてるし。」
💚「仕事だから仕方ないでしょ。」
🩷「…それは分かってるけど。」
佐久間の声が少しだけ沈んだのを聞いて、俺はパソコンを閉じた。
💚「ごめん。今なら話せるよ。」
🩷「え、本当?!」
佐久間の顔がぱっと明るくなる。
🩷「じゃあさ、今日一緒に帰ろ?」
💚「え?」
🩷「たまにはいいじゃん!阿部ちゃんと二人で帰るの、久しぶりな気がするし。」
💚「…まぁ、いいけど。」
佐久間が嬉しそうに笑う。
🩷「よーし!じゃあご飯行こ!俺、奢るから!」
💚「いや、俺が奢るよ。」
🩷「え?ほんと?阿部ちゃん大好き!」
💚「そんな簡単に好きって言わないの。」
俺たちはそんな軽口を叩きながら、スタジオを後にした。
──こんな風に過ごす時間が、最近やけに特別に感じる。
この時俺は、その理由を、まだ自分で理解できていなかった。
そして、この”特別”な気持ちは、次第に形を変えていくことになる。
コメント
2件
素敵な話ですね✨ 続き楽しみに待ってます😊