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智日.🍼💙
2,215
39
3080🩷🤍
柔太朗side.
夜。
いつも通り
ベランダに出て
夜空を見上げた
静まり返った街
椅子に腰をかけ
ぼーっとしていた
すると、少し遠くから
テラスドアの開く音がした
(、めずらし)
そう思いつつ、また
のんびりする
そうのんびりできたのも束の間
「はぁ~、、、」
と
大きいため息が聞こえた。
(ちょっと気になる、)
少し間があって、足音。
手すりに寄りかかる気配がする。
迷ってから、声を出した。
「あの」
「……はい?」
思ったより近い声。
「隣、ですよね」
「たぶん。すみません、うるさかったですか」
「まあ、静かなんで」
正直に言うと、向こうが小さく笑う。
それだけで、少し空気がゆるむ。
「隣、いつから住んでました?」
「先月です」
「そうなんすね」
少し沈黙。
でも気まずくはない。
「俺、勇斗っていいます」
唐突な自己紹介。
一瞬遅れて、
「……柔太朗です」
「じゅうたろう?」
「はい」
「珍しいですね」
「よく言われます」
かすかに笑い声。
「柔太朗さんは、よく出るんですか」
「わりと。静かなんで」
「一緒です」
「そうなんですね」
「部屋にいると落ち着かなくて」
「わかります」
今度はちゃんと、同じテンポで返す。
「勇斗さんは仕事?」
「はい、芸能界で一応やってます」
「すごいっすね」
「ありがとうございます、柔太朗さんは?」
「大学生」
「そっか。なんか落ち着いてるから社会人かと思った」
「それ褒めてます?」
「半分」
「半分か」
また笑う。
顔は見えないのに、
名前と立場がわかっただけで少し距離が縮む。
風が吹く。
街は相変わらず静まり返っている。
「……隣にちゃんと人いるって、今日初めて実感しました」
勇斗が言う。
「三年住んでて今さらですけどね」
「今さらです」
静かな夜。
だけどいつもとは違う
少し暖かい