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今日は教育相談の日だ。これは一人ずつ空き部屋に呼ばれ、先生と一対一で困りごとだったり相談事だったりを話すものだ。まぁ順番が回ってくるまでは教室で自習なので私はあまり好きなことではない。
クラスメイト「咲乃ー。次いいよー」
「おっ、もう私の番?」
だが今回の待ち時間は短く感じた。
ガラッ「失礼します」
堀田先生「おっ、坂井か。座れ、座れ」
そして教育相談が始まった。でもこれといって悩み事は無いのですぐ終わるだろう。
堀田先生「…よし。悩んでることはないみたいだな。最後に先生に言っておきたいことはあるか?」
「うーん…これからもよろしくお願いしますとかですかね…」
堀田先生「ははっ、なんだよそれ。……じゃあ先生からいいか?」
「えっ?は、はい…」
先生から生徒へ言いたいことってなんだろ。なんかやらかしたっけ…
堀田先生「坂井、篠田と付き合ってるらしいな」
「っ⁉な、なんでそれを…」
堀田先生「見てれば分かるよ。そこで一つお願いがあるんだ」
「お、お願い…?」
堀田先生「あぁ。今度の学年の道徳の授業でLGBTQ+についての学習をするにあたって、坂井から話をしてほしい」
「はぇ⁉」
道徳の授業で前に立って彩希とのことを話すのか⁉いやいや無理だ。そんなこといくら学習であってもしたくない。
「い、嫌です…」
堀田先生「そこをなんとか!お願いだ!」
「いや、大人の人にもそういう人はいるじゃないですか!なんで子供の私に…」
堀田先生「……先生な、中学生の頃すごく仲良かった奴がいるんだ。そいつとは毎日遊ぶくらいな」
「それとこれと何が関係するんですか…」
堀田先生「卒業するときにゲイだって言われたんだよ」
「っ…」
そこで何となく予想がついた。
「…ひどいこと言っちゃったんですか?」
堀田先生「……あぁ、気持ち悪いって言ってしまってな…。もちろん今はそんなこと一切思ってない」
「その後どうなったんですか…?」
堀田先生「…その後はそいつとはそれっきりになった。今も連絡さえしてない」
「……」
堀田先生「だっ、だから!みんなには先生みたいに友達を失ってほしくないんだ!同年代の子の話なら受け入れやすいかと思って坂井に頼んでる…」
堀田先生はいつも明るくて優しいから生徒から大人気だ。でもそんな人でも昔は理解できていなかった。
「…わかりました。少しだけですよ」
堀田先生「ほっ、ほんとか⁉ありがとう…!」
「でも彩希の名前は出さないし、彩希は前に立たせないでください。私だけで十分です」
堀田先生「わかった。じゃあ頼んだよ」
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