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演技めちゃ私の好みに刺さりました✨続きが楽しみです!いい栄養素になりました!
💎くんやっぱりすごいな、、 2人の演技は私にも刺さりました(( リメイク版もやっぱいいよねぇ!💞 続き楽しみです♪
めっちゃ展開面白かったです! 前のと結構内容変わってた(((( 続き楽しみです♪
注意事項は第一話の冒頭部分をご確認下さい
今回痛々しい描写がございます
ここまで大丈夫な方のみどうぞ
「っ…」
甲高い銃声が絶え間なく耳に響く
物陰に隠れているホトケの前では、リウラと長髪の男が激しい銃撃戦を繰り広げていた
両者一歩も譲らない戦い
…どちらかが死ぬまで、終わらないのだろうか
「(…あの長髪の男、誰だ…?)」
リウラと対等にやりあっている男
裏社会のトップであるリウラは、当然銃での戦いに優れている
過去に『ボスを出せ』と敵組織に言われた際本当に単身で乗り込み、組織丸々一つ壊滅させてしまったという話…というか伝説があるリウラ
そんな彼と対等に渡り合えているのだ
只者ではない
「(此処はダイスの本部…警備にあたっている構成員も勿論いる筈だけど…)」
「(そういう人達の目も潜り抜けてこの拷問部屋まで来たの?)」
この男一人で乗り込めてしまう程、警備は甘かったのだろうか
「(…警備が甘すぎたか、この男が強すぎるだけかのどっちか)」
「(後者じゃありませんように…)」
ホトケは冷や汗が滲む手を強く握って、そこでリウラの勝利を願うしかできなかった
今この場で自分が出来ることなんて何一つない
そんな無力感に苛まれるホトケの耳に、荒い息遣いが届く
「…っ…ふーっ」
「(…あの子 疲れてるーーーー!!!)」
息を荒くし、汗を拭うリウラ
もう数十分は動き続けているから当然ではあるのだが…
「あれ?もう疲れとんの?」
「(こっちは体力オバケなのかよ…)」
全く疲れている気配のない男
身長はリウラとほとんど同じだが、体格は男の方がガッチリとしている
どちらが先に倒れるかは一目瞭然
「(…あの男もしかして)」
グラーブの人間か?
タイミング的に有り得なくもないが
「(でもあんな奴ウチには居ない)」
それかダイスに個人的な恨みがある人間か?
それにしてはノリが軽いというかなんというか…
どこかで雇われた個人営の殺し屋なのか
「…っwなんや、もう駄目なん?w」
「(でも、あんな凄腕なのに長髪の殺し屋の噂なんて聞いたことない…)」
正体隠したり、任務遂行の場面を見た人間全員消したりするタイプの殺し屋なのだろうか
「(仮にそうなら僕も相当ピンチだけどね)」
「っひゅーっ…ふーっ…」
ぴちゃりと汗が床に垂れる
「まぁボスってゆーても所詮は子供やな」
ニヤリと余裕そうな笑みを浮かべる男を、リウラは冷たく睨みつけた
「…相手俺だけだと思ってる?今頃、異常を感じた構成員が着々と集まっているだろうけど」
リウラが挑戦的に言い放つも、男は表情を崩さない
「ほぉー…そりゃぁ凄いなぁ」
「じゃあソイツら来る前にお前殺せば良いってことやな!」
「っあ゛っ!?」
次の瞬間
リウラの足に、深々とナイフが突き刺さっていた
「あ、そのナイフ神経毒塗ってあるから。動くと余計しんどくなるで」
「ッい゛っ…かひゅっ…」
足を庇いながら床で藻掻くリウラを嘲笑うかのように、男は銃を突き付ける
「ごめんなぁ。毒結構苦しいやろ」
楽にしたるから、と笑って男は引き金に指をかけた
「ちょーーっと待ったぁ!!!」
そんな殺伐とした空気の中、突然馬鹿でかい声が拷問部屋に響いた
「その人を殺すのは僕を倒した後にしてくれない?」
にまりと笑って物陰から出てきたホトケ
そんな彼を一瞥して、男はすっと目を細める
「…命知らずな奴っちゃな」
「大人しくしとるんなら逃がしてやろう思ったんに」
男はリウラの額に向いていた銃をホトケに向ける
「名前くらい覚えといてやるわ。名乗れ」
「ホトケ・ラリマー20歳。ダイスの構成員志望です!」
銃を向けられているのにも関わらず、にこにこと微笑んでいるホトケ
「…お前肝座ってんなぁ。ただ馬鹿なだけか楽観的すぎるだけか…」
「ありがとうございます♡」
「褒めとらんわ」
先程の空気はどこへ行ったのか
緩み始めた空気をもう一度締めるように、男は言葉を継ぐ
「今の状況分かっとる?俺、いつでもお前を殺せるんやけど」
「分かっています」
「お前…ホトケっつったっけ。そんな傷だらけで俺と戦えるとでも思っとるん?」
「思っていません」
怯えも焦りも感じていないような声音に、男は訝しく思う
「ただ…その人を殺すのは辞めてくれませんか」
「悪いけど俺、依頼主に依頼されてコイツ殺しに来とんのよ。仕事やねん」
「ひとつ賭けをしましょうよ」
“賭け”
その言葉に反応したのか、男は瞳をぱちくりさせる
「賭け?」
「ええ、簡単なもんです」
「貴方が今この状態で銃を撃って、僕が死ななかったら僕の勝ち。死んだら貴方の勝ちです」
「…正気か?お前」
「その代わり、僕が勝ったらその人は助けて下さいね」
「…」
床に伏せ、虚ろな目をして浅い呼吸を繰り返すリウラ
毒がかなり回っているのだろうか
「勝てると思っとるん?言っとくけど容赦せんからな。普通に眉間に叩き込むからな」
「ええ、それで結構です」
「お前が死んだら直ぐにソイツも死ぬからな」
「それで良いです」
もう準備は出来ていると言わんばかりに、すっと目を閉じるホトケ
呆れたような視線を向けながらも、男は銃を構え直す
「馬鹿みてぇな賭けやな」
男が、ぽつりと呟いた
銃声が鳴り響く
「なぁりうら」
「お前さ」
「とんでもねぇ奴に好かれたな」
「俺もそう思ってたとこ」
長髪の男にそう受け答えしながら
リウラは足から玩具のナイフを抜き捨てた
「とんでもねぇ奴って僕のことですか?」
「お前以外誰がいるん」
「ありがとうございます♡」
「褒めてねぇよ」
ホトケのことを気に入ったのか、男はけらけら笑いながらそう返す
そんな二人を冷たい目で見るリウラ
「此奴の肝の座り具合と頭の良さを舐めていた」
「でも良かったやんリウラ。こんな使えそうな新人来てくれるなんて。俺は大歓迎やけど」
「…非常に残念だけど、合格ね」
「やったーー!!」
「はぁ!?コイツ合格してもうたんかよ!!」
「まろ居たんか」
「こんな奴入隊試験なんて受けさせないでさっさと処せば良かったんに…まぁアニキの演技見れたから良かったけどさぁ…アニキ今日も最高に格好良かったわまじ天使だわ本当にありがとう」
「ん、ありがと(適当)」
突如乱入してきたイフと仲睦まじそうに話し始める男
またまろが暴走してる…と呆れ気味のリウラ
取り敢えず嬉しそうなホトケ
カオスである
「っていうかいふくん、この人誰?」
「いふくんって何やねん…この方はアニキな。お前なんかと話すようなお方じゃねぇから立場わきまえろクソボケ」
「正式名称聞いてるんですけど???」
「まろ落ち着け…この人はユースケ、通称アニキ。大体の人はアニキって呼んでる」
「ユースケ・アンバーな。よろしくほとけ」
「よろしく…え?アニキ?いふくんよりも年上なのこの人?」
「お前一気に地雷踏み抜いたな」
「悪かったなチビで」
無事(?)抜き打ち試験が終わったホトケ
晴れてダイスの一員となりました
「とても不本意だけどこれからよろしく」
「正直リウラさんの苦しんでる演技刺さりました」
「きっしょ」
二人が互いを本心を知るのは
もうちょっと先の話
登場人物紹介part3
ユースケ・アンバー
とある幹部の護衛
殺し屋
頭脳戦には弱い
実はイフよりも年上
次回:構成員ホトケの初仕事
ギリセーフ
閲覧ありがとうございました