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花火の音と_

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花火の音と_

1 - 花火の音と_【桃side】

♥

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2023年08月01日

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※ヤンデレ、死ネタっぽいものがあります。

※桃さんに彼氏(モブ)がいます。




「うわ、……さいあく………」

内藤ないこ。高校生にまでなって迷子になっております。

せっかくの彼氏との夏祭りデートだと言うのに……。

最悪だ……。

今年は花火もあるとのことで人がいつもより多い。

人混みにのまれてしまい、気づいたら迷子になっていた。

「うぅ〜……、ここどこや〜……」

同じような屋台が並んでおり、自分がどこにいるかは分からない。

目の前にあるのは、おじちゃんが売っているたこ焼きの屋台と、お面屋。そして、吐きそうなくらい甘々なカップル達。

「花火始まっちゃうし……!」

花火の打ち上げまであと15分ほど。

会場に行ったら居るかな……。

そう思い、会場の方に向かおうとしたとき。


「ないちゃん……?」


子供のような幼さを含んだ中性的な声。

その声は残念ながら彼氏の声ではなく、昔ながらの友人、

「いむ……!?」

いむ_本名、ほとけ_の声だった。

いむは小学1年生のとき、俺が今みたいに迷子になっているときに出会った。

どれだけいむに、どこに学校にいるかとか、どこに住んでるのかとか聞いても教えてくれない。

しかも、いむと会うのは絶対的に夏祭りだけ。

そんな不思議な友人、いむ。

今日もいむは、水色の浴衣と狐のお面をつけている。

「ないちゃん、今年も来てたんだ!」

「いむ〜……俺、また迷ったんだけと……」

「ないちゃん、今何歳なの?ww」

馬鹿にするかのようにケラケラと笑ういむ。

自分より歳下(たぶん)に馬鹿にされて少しぶすくれていると、

また案内してあげるよ、と手を差し出してきた。

「どこに行きたいの?」

「花火の会場……」

こんな会話、最初にもしたなぁ。なんて思い出しながらいむの手を握る。

「実は彼氏とはぐれちゃって……」

ふと、そう零すと、一瞬いむの動きが止まった。

「……ないちゃん彼氏いたの?」

「え、……うん、つい最近でき、た……よ?」

急に止まったいむが心配になりながら答える。

「へ〜……、そうなんだ!」

少し考えこむ仕草をした後、いつものような無邪気な笑顔に戻って、よかったね、なんて言ってくるいむ。

その笑顔が少し引っかかるが、それからは普通に他愛もない会話を交わした。


「ん〜……なかなか着かないね……」

「まぁ、この神社おっきいしね〜」

花火の打ち上げまであと5分ほど。

景色はほとんど変わっていない。

屋台と、大量のカップル。

探しに来るとかしないのかよ、と彼氏に少し苛立ちを覚え始めた頃。

いむが口を開いた。

「あ、ねぇ、ないちゃん!これ知ってる?」

いむは、手で四角を作っており、その隙間から覗く水色の瞳と目が合う。

「狐の窓って言ってね、人に化けてる狐が分かるんだって〜!」

「なにそれwどうやんの?」

「両手で狐作って〜……」

こんな子供騙しみたいなこと信じるなんて可愛いな〜、と思いながらいむの説明を聞き、狐の窓とやらを作る。

それを目元に持っていき、いむを見つめる。

そこに写っていたのは、水色の浴衣と狐のお面を付けたいむの姿。

ではなく、毛先が水色のふわふわの大きな尻尾と耳を持ったいむの姿。

「は、ぇ、……?」

脳が情報を処理する前に、シャンっと鈴の音がなり気づけば俺は、神社の本殿にいた。

「ど、どういうこと……?いむ?なに、それ……?」

俺が指さすのは、さっきまで無かった尻尾と耳。

「あ〜、これ?ふふ、僕ね、この神社の稲荷神なんだよ?」

狐さんだよ〜?、なんて言って、何故か楽しそうに尻尾を振るいむ。

そして、シャン、シャン、と鈴の音を鳴らしながらこっちに近付いてきた。

「ねぇ、ないちゃん?この神社にはね昔、人身御供の風習があったんだって。村の人から一人生贄を選んで神様の元に嫁ぐの、」

「い、いむ……?どういうことなの……?ねぇ……っ!」

灯りがなくて、いむの顔ははっきりと分からないが、纏っている雰囲気がいつもと違って、恐怖を覚える。

いむは俺の腰と肩を抱いて、崖になっている所の縁までいく。

「ねぇっ、いむ!」

必死にいむの腕を退けようとするがびくともしない。

気付けば俺は宙を舞っていた。

「……え」

「ないちゃん、僕のもとに嫁いできてよ♡」

バンッという音と共に打ち上がる花火。

それに照らされ、見えたいむの顔は楽しそうに笑っていた。まるで、俺が死ぬことを望んでいるかのように。

そして俺は、ドンッと音を立てて落ちた。

花火の音と重なるかのように。




桃色の青年を愛おしそうに見つめる一人の少年。否、一人の稲荷神。

「これで、いつでも一緒だね……♡」

「ふふ、やっと僕のものになった……♡ないちゃん、だいすきだよ♡」

その水色の浴衣は赤色に染まっていた。

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コメント

1

ユーザー

時差コメ失礼しますm(_ _)m テラーノベルを読んできた中で1番好きな作品です!!😭後、いつも神作品ありがとうございます!助かってます!!!

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