TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
病みセカ

一覧ページ

「病みセカ」のメインビジュアル

病みセカ

1 - えむねね

♥

22

2022年11月12日

シェアするシェアする
報告する


最近思うように歌えない



「寧々ちゃーん!!」

いつもと同じようにえむが学校の門からわたしに手を振る

控えめに振返したあといつもと同じようにセカイに行く

いつもと同じように

今日はそれがなかった

メールをすると、「今行くよー!☺」と返ってきた

今日は用事で来れなかったらしかった

セカイでもいつも通り練習が始まった

でもやっぱり

思うように歌えない

「今日もきれいな声」

えむは褒めてくれるけど

わたしは納得いかなかった

いつもと違うことは類も分かっていた

「疲れているんじゃないかな?」

類は言った

そっか

疲れてるのかな

それを聞いたえむはなぜか悲しい顔をしていた

次の日からもえむは学校に迎えに来なくて

抱きついてきたり、ハイテンションで私と話すことがなくなった


なんで?


つまらない子だと思われ始めたのかもしれない


わたしは、えむと違って冷たく返してしまうことがよくある

でもえむは顔色一つ変えず不満も言わずわたしの友達で居続けてくれた


今は違う


えむは


わたしを避けてる


「もうちょっと…いい反応できないの?」

「…そっか、そうだよね…あんまり面白くないね」

「…趣味が違うのかな…?」

昔に仲の良かった子たちはそう言ってもう話しかけてこなくなった

仲の良かったはずだった

えむもそうだ

もう避けられ始めてしまった

「…早いなぁ」

セカイから一足先に帰ってきたわたしは

少し暗くなった道でしゃがんで 涙を流した


「セカイに…行かなきゃ」

そう思ってもスマホの画面を開けない

えむの顔が浮かぶ

わたしを

蔑むような顔のえむが

セカイに行ったらえむはいつかこんな顔をするかもしれない

呼吸がうまくできない

「ごめん、少し体調が悪いみたい」

司にメールを送って足早に家に帰った


大丈夫 えむはそんな子じゃない 大丈夫

ベッドの中で何度も何度も唱えては呼吸を落ち着かせた


だったらなんで関わってこなくなったの?

学校に来なくなったのはどうして?説明がつく?

こんな考えが邪魔してくる

えむも疲れてるから少し大人しくなっただけ

そう

きっとそう

「………」

セカイがあって

仲間がいて

人前に出られて

歌えて

こんな幸せなことってないのに

どうしよう


すごくしにたい






「はぁ」

自分のお歌に不満を感じてた寧々ちゃんに、類くんは疲れているのかもって言った

だから、あたしが無駄に振り回しちゃだめだと思ったんだ

寧々ちゃん疲れてるなぁってあたしも思ってた

疲れすぎてたいちょう崩しちゃったり、お歌が歌えなくなっちゃったりしたら嫌だったから

だから

もう寧々ちゃんの学校にお迎えに行ったり

大声で話しかけたり

いきなり抱きついたり

しないようにしてた

それでも寧々ちゃんはどんどん体調を崩してるようだった

あたしがもう少しはやく気づいてあげたら

寧々ちゃん

体調崩さなかったかな?

つらいおもいしなかったのかな?

寧々ちゃん優しいから

「邪魔」

って

あたしに言えなかったのかな?

あたしが

もっと








結末はあなた方の妄想に任せます

loading

この作品はいかがでしたか?

22

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚