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『担当執事達に愛される日々』〜御奉仕致します、主様〜
THIRTEENTH butler ナック・シュタイン
私の朝は悲劇から始まる。
朝起きた私はナックのいる3階執事部屋に向かっていたのだ。
(猛獣ということなどすっかり忘れて。)
『……おい。前にもあんたに言ったはずだよな。寝起きの俺に会いに来るなって。』
『っ…。』
『それなのに会いに来たってことは…何されても文句言えねぇってことだよな?』
ナックは私が部屋に来た途端私をベットに押し倒した。
(に、逃げられない。ナックのベットから出口まで遠いし、今日は逃がす来なさそう…。)
ナックは私の両手を絡め逃がさないように押し付ける。
『な、ナック……。』
痕が残らないように優しく押し付けられてるのはわかる。でも、それでもナックの力には適わなかった。
(と、とにかく今はここから逃げないと。メガネ、スペア…。ルカスの机の引き出しとラムリの机に…あるはずなんだけど…。どの道無理だな。)
『考えごとか?随分余裕なんだな。
これから俺に喰われるのに。』
ナックは私の首筋に噛み付いた。
『いっ…!』
『あんたの綺麗な肌に傷をつけちまったな。俺のもんだっていう印を。』
『っ……。』
(これ以上はダメだ。私の心臓が持たない。)
私は渾身の力を振り絞り起き上がりナックに頭突きする。
『ナック起きてー!』
ゴチんっ!
『いってぇ!』
その隙を見てルカスの机からスペアのメガネをナックにかけて急いで逃げた。
『わっ!』
『ナックごめんまたね!』
𑁨(˙ᗜ˙ 𑁨) =͟͟͞͞ =͟͟͞͞ ダダダダ
『今、主様がいたような…。
それに、手の感触が変なような…。』
数時間後。
私がナックのいる3階執事部屋から出てきたことを見ていたルカスに一部始終を察しられてそれをナックに伝えられた。
ご飯を食べ終わったあと、私は2階の自分の部屋に戻ろうとして、血相を変えたナックが床にめり込むくらい私に土下座をした。
『……。』
『あの、顔上げて?』
『いえ、できません。主様に対してそんなことをしていたのは事実ですし、それに…首元の……』
『これくらい大したことないよ。』
『主様の綺麗なお肌に傷を……』
(すごく反省してる…。)
『なんとお詫びをすればいいか……。』
『うーん…あ。そしたら、今日の夜、安眠サポートして欲しいな。』
『え?』
『夜の見回りは他の執事にお任せして今日は私と一緒にいて欲しいの。』
『そんなことでいいのですか?』
『うん。私がナックと一緒にいたいの。』
『主様……。』
『私の部屋でゆっくり休んでいいからさ。』
私は主様を見つめる。
(なんて優しい方なんでしょう。優しい主様の安眠サポートをできるなんて私は幸せです。)
『かしこまりました。このナック、主様の安眠をお守り致しますね。』
そして、夜――。
『おやすみ…ナック。』
『はい。おやすみなさいませ。』
『…すー。すー。』
『ふふ。可愛らしい寝顔です。』
(……本当に無防備な方です。いくら担当執事とはいえこんな簡単に眠ってしまうなんて。)
『私は無防備な貴方の前でも猛獣になることだってあるんですよ。私だって……。男ですから。』
チュッと首筋にキスを落とす。
『ん……。』
『ふふ。夢の中でも私と出会えますように。』
次回登場する執事
ヒント 虫さん見ると悲鳴をあげる
(マジで可愛い)