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どうも‼wakaです。今回はキリトsideから始まります‼結構長そうなので前後半に分けたいと思います。

それでは、どうぞ‼


キリトside

彼女の傍付きが、焦ったように俺達の部屋に入って来たのは、4時半を告げる鐘の音が窓の外の風のうねりと共に聞こえた時だった。彼の一言で、不安が一気に膨れあがる。

ユ「え?ミオがいない?」

素っ頓狂な声を上げるユージオに、彼は言った。

フィ「そうなんです。ミオ先輩、俺が掃除しに来るときは必ずいて…」

彼の焦った声は、今まで一度も聞いた事が無かった。それは、次に彼が放った言葉のせいでもあるだろう。

フィ「さらに、ロニエとティ―ゼもいないんです。いつもなら一緒に3人でお三方の部屋に向かうんですが、今日は寮にも図書館にもいなくて…」

ユ「なんだって⁉」

キ「で、俺達の部屋にもいなかった、と」

俺達の親友の傍付き――フィルは、俺の言葉にゆっくり頷いた。じわじわと、しかし確かに不安は大きくなっていく。俺は、先程まで手入れをしていた黒い剣をテーブルに置き、壁に掛かっているレインコートを羽織った。

キ「何か嫌な感じがするな。ちょっと探してくるよ」

そう言って、部屋の扉を開けようとした時だった。

コンコン、と控えめなノックがドアから聞こえた。

ユージオ、フィルはほっと息をつく声が後ろから聞こえる。俺も安堵の息を漏らすと、ドアを開けた。

キ「良かった、大丈夫だ――」

ったか、と続けようとしたが、俺は言葉を吞み込んだ。目の前にいる少女は、俺達がよく知っている焦げ茶と赤ではなく、薄茶色の髪の毛だった。後ろで、フィルが叫んだ。

フィ「フレニーカッ‼」

この子がフレニーカか。まるで小鹿のように体を震わせ、顔には全く血の気がない。

フ「フィル…。あ、あの…キリト上級修剣士殿とユージオ上級修剣士殿でしょうか…?」

小さな震えた声に、俺はしっかりと頷いた。

キ「ああ」

フ「わ…私は、フレニーカ・シェスキ初等練士です。ご、ご面会の約束もなしにお訪ねして申し訳ありません…」

今にも消え入りそうな声で言うフレニーカに、フィルがこちらに歩きながら尋ねた。

フィ「フレニーカ。ミオ先輩とロニエとティ―ゼがいないんだ。なんか知ってるか?」

フ「あ、あの…」

フィルに詰め寄られてさらに震えている。俺はさらにフレニーカに近付こうとするフィルを制した。

キ「フィル。一度落ち着け、フレニーカが何か言おうとしてる」

フィ「…すみません」

そして、フレニーカに視線で続きを促すと、フレニーカは胸の前で両手を握り締め、続けた。

フ「…あの、ミオ上級修剣士殿を含むお三方には、この度私とウンベール・ジーゼック殿のことでご尽力を賜りまして、心より感謝しております。それで…これまでの事情はもうご存じのことと思い省きますが、ジーゼック殿は本日の夜間に、私に、その…この場では少々説明の難しいご奉仕を命じられておりまして…」

フレニーカは、蒼白な顔面でさらに言った。

フ「わ、私、このようなご命令が続くくらいなら…いっそ、学院を辞めようと思って…そうティ―ゼとロニエに打ち明けたのですが、それを聞いた2人は直接ジーゼック殿に嘆願すると言って、寮を出て行って…さらに、丁度そこにミオ上級修剣士殿が通りがかり、ミオ上級修剣士殿もティ―ゼとロニエと共に行ってしまって…」

ユ「なんだって⁉」

キ「ミオも⁉」

フィ「クソッ、だからいなかったのか」

掠れ声で叫ぶユージオと俺。悪態をつくフィルに、フレニーカはさらにビクッと体を強張らせた。

きっと、ミオは丁度通りかかったのではない。あいつは、俺達の運命を知っている。このティ―ゼ達の出来事を知っていたとしたら、絶対に見て見ぬふりはしない。だから、あえて初等練士寮を通りかかったのだ。ティ―ゼとロニエに何かあったら助けられるように。あいつは――ミオはそういうやつだ。

今にも涙が零れ落ちそうなフレニーカは、さらに両手を強く握りしめた。

フ「でも、待っていても一向に戻ってこないので、私、ど、どうしていいか…」

俺の相棒は厳しい顔でフレニーカに尋ねた。

ユ「2人…いや、3人が上級修剣士寮に向かったのはいつ…?」

フ「あの、3時半の鐘が鳴ったころだと思います」

既に1時間が経過していた。俺の中で焦りが生まれる。そして、1つの記憶が俺の脳裏に蘇った。


ミ「もし、ティ―ゼとロニエと私がいなくなったら、絶対にライオス達の部屋にいるから。だから、できれば黒い剣を腰に吊って、ロニエたちを助けて。もしその場にフィルとかフレニーカちゃんが居たら、教官とか先生を呼んでくれるように頼んで?」

キ「それが…俺達が公理教会に連行される直前の話か…」

ミ「そう。まぁそのせいで連行されるんだけどね。だからよろしく、キリト。ってかまず、ライオスとウンベールが悪いんだよ‼ああ、ムカついてきたぁぁぁ‼」

キ「とにかく落ち着けよ、ミオ」


キ「ユージオ。ミオ達はライオス達の部屋にいる」

ユ「分かってる。僕も行くよ」

ユージオと視線を合わせ、頷き合う。俺はミオの言葉通りに2人に話しかけた。

キ「フィルとフレニーカは、教官を呼んでくれ。できるだけ早く」

フィ「分かりました」

フ「は、はい‼」

こっちの方も大丈夫そうだ。部屋の灯りを消し、ユージオと共に自室の扉を閉める。フレニーカ達と別れると、俺達は今出せる最速でミオ達がいるであろう部屋に向かった。


身体が、動かない。

視界が、薄暗い。

頭が、働かない。

私……確か、ティ―ゼちゃんとロニエちゃんと一緒にライオス達の部屋に抗議しに行って…それで…。

なんだっけ。

ああ、そうだ。縛られたんだ。だから身体が動かないのか。

今は、私は戦力外だな。とにかく、ユージオが来るのを待つしかないか。それで、隙あればこの縄を解いて、ユージオに加勢する。

絶対にティ―ゼちゃん達は、守るから。

早く。傷が深くなる前に、早く。

助けに来て。

ユージオ。


キリト(19歳)

左腰に黒い剣(夜空の剣)を吊り、ライオス達の部屋に向かっている。ミオからは大まかな事を聞いていた。それでも、やっぱり心配になっている。

ユージオ(19歳)

左腰に青薔薇の剣を吊り、ライオス達の部屋に向かっている。昨日まではいつも通りに話していた少女たち3人が突然いなくなって、一番SAN値大ピンチ。

ミオ・マルウィス(19歳)


読んでくださり、ありがとうございました!ここの展開は結構迷いましたね…。引き続き頑張って行こうと思います‼

よくあるトラ転したら最推しが話しかけて来たぁ‼・改(※新しい方です‼)

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コメント

1

ユーザー

ミオさん…大丈夫かな…このままだと…うう…キリトが探しに行かないパターン… 。ユージオの右目の封印は…?どうなるか。。後編も楽しみです!待ってます!

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