『担当執事達に愛される日々』〜御奉仕致します、主様〜
SIXTEENTH butler フェネス・オズワルド
今日の朝、フェネスは部屋に来なかった。
何故かと言うと――。
『すみません…いつもの俺の癖が…。』
『そんな落ち込まないでよ。』
私におすすめの本を昨日の夜から書庫で選んでいたら夜通し探していたらしい。そしてそのまま眠ってしまったと。
『それに私の為に本探してくれたんでしょ?』
『それはそうですけど…。起こしに行けなくてすみませんでした……。』
『大丈夫だよ、今日休みだし。』
『ですが…。何かお詫びさせてください!』
『お詫び?』
『はい、主様の執事として情けないまま終わりたくないので……。』
『フェネス…。分かった。そしたら街にお出かけしない?』
『エスポワールにですか?』
『うん。私買いたいものがあるんだ。』
『分かりました、ぜひ一緒に行きます。』
『うん。一緒に行こう。』
私とフェネスはエスポワールへ向かった。
『これとかどうかな?』
『かわいいですね。』
小物ショップを見ていた。
『前に見た時可愛いなと思って。部屋に飾ろうかなこの子達。』
私は小さい小鳥の置物を手のひらに乗せる。
『ふふっ。凄く小さいです。』
『フェネスの手大きいから余計に小さくて可愛いね。これにする。』
『じゃあ俺買ってきますよ。』
『え、いいの?』
『俺からのプレゼントです。』
『ありがとう、フェネス。』
私たちは小物ショップを後にして
エスポワールを歩く。
(主様とお出かけ……凄く楽しい。
まだ帰りたくないな。)
グイッ。
主様の手を引っ張る。
『フェネス?』
『あの、わがまま…聞いてください。
今日だけの、わがままです。』
フェネスは顔を真っ赤にする。
『今だけは独り占めさせて下さい。主様のこと…!』
『っ……!』
ドクンっと胸が高鳴る。
フェネスはそのまま私の手を引いて走り出した。
(俺、何言ってるんだろう。執事としてこんなこと言ったらダメなのに。でも、俺は…。
他の執事に渡したくない。負けたくない。)
俺はそのまま主様の手を繋いだまま走る。
(大人しいフェネスの珍しいわがまま…。
びっくりしたけど、嬉しいな。…私も、まだ帰りたくない。担当執事だと思ってたけど、それ以上の……感情だ。これは。)
フェネスの手を握ったまま私はフェネスの後に着いていく。
しばらく経ったあと。屋敷に帰ったけど、今夜は2人とも眠れそうにない。
『…ドキドキして眠れないよ。』
(いつもなら寝てるはずなのに…。)
『主様……。まだ、ドキドキしてる…。』
(でもこれで少し意識してくれてたら…嬉しいな。)
次回登場する執事
ヒント お酒とギャンブル大好き
(一応1番年上)
コメント
2件
ちょうど屋敷に帰って一通り会話してきたからわかるぞ‼️お父さんだ、、ヒントすぎるかこれ大丈夫かな、まぁいつもありがとうございます屋敷帰ったあとだけ居るみたいに感じる