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めっちゃ頑張ったし
自分でもよく出来たと思っているので最後まで見てほしいですお願いします😭
ヤンデレ/グロ表現/鬱注意!!
実況者擬人化⚠︎
出てくる人!
名前/青井らっだぁ
好物/唐揚げ
モンドと同級生で幼なじみ
名前/ナ・モンド
韓国人と日本人のハーフ
日本語が時々変なのは韓国人だった頃の名残が出ちゃってるから
らっだぁと同級生で幼なじみ
(ストグラ知らない人はこの説明、読まなくていいです)
monらだ
モンド×らっだぁ
ストグラの設定を引きずりつつあります!
時々この設定を出してる所あります、支障はないと思います!モンドさんとらっだぁさんを知らない人でも楽しめるよう頑張りました!
転生学生パロ。(幼馴染)
お互い記憶はないけどぼんやりと覚えてる感じ?
死ネタ。共依存。無理心中。激重感情。
なんでもあります!なんでもいい人向けです!
キャラ崩壊当たり前です!
(これから始まります!)
「もんど〜アイス買ってきた!半分にするや
つ!」
「……オー。」
らっだぁがニコニコしながら、二人で分けられるようのアイスを持ってきた。
らっだぁとは幼なじみで、小さい頃から良く公園に集まって、遊ぶのが日課になっていた。
母親は韓国人で、父親は日本人。
その間に産まれた俺。モンド。
小学生の頃は韓国に住んでいたが、母親がある日突然失踪して、父親の家に移ることになった。
日本語もある程度話せるけど、韓国語のクセは出ちゃうんだよなー、
らっだぁから貰ったアイスがとけて、ぽたぽた地面に落ちる。 それと同じように、自分からも汗が滴り落ちた
「あちぃー!」
相手も声を漏らすくらい感じてる
あつい、とにかくあついんだ。
今は、真夏日が続いてて、道端に干からびてるカエルがよく転がってるのが見られる季節。
カピカピになったカエルとミミズ みたいな乾いた喉にアイスを押し込む。この温度で溶けたアイスは冷たい砂糖水みたいでおいしい。
「ウマー…」
「お前さ〜奢られる気満々だったろ!」
「たまにはお前が奢れよ!!」
蒸し暑くてイライラしているのか、アイスを片手におかんみたいなことを言ってくる相手を見ながら、奢られたアイスを食べるのはうまい。
まあ奢られる気満々なのも、
奢った事がないのも事実だ。
相手を絆ながら共通の話題をふって盛り上がる。
いつも通り。
らっだぁがツッコンで俺がボケたり。最近ゲームのランクが上がったとか、テストの調子やばいとかクラスメイトのあそこはいい感じだとか
なりふり構わずなんでも話せる相手が居るのは気分が良くて、気付けば周りを見ると太陽が沈みそうになっていた。
ーーー
カーカー
「あ、!もうこんな時間か」
「じゃー俺、そろそろ帰るわ!」
「じゃあね。帰りみち、気をつけて」
最近の話題になった時に、モンドがポロッと漏らした話題。
ここ最近行方不明者が多くなったらしい。ニュース沙汰にもなっていて、こんな都会から離れた田舎に被害が出るとは思わないが、モンドから心配の言葉が嬉しかった。
ネットでも憶測が止まらなくて、他の国に攫われただとか。大犯罪者の人質にされてるだとか。色々不安要素もある。
モンドの母親も関係あるのか、その頃に突然姿を消した。
「そんな心配すんなよ笑」
くしゃりと笑いながらモンドの頭を撫でた。
「っ……やめろ。」
撫でてきた手を振り払いながら、満更でもないモンドの様子をみて。
またらっだぁが笑った。
「またな!」
大きく手を振りながら後ろ歩きで帰って行ったらっだぁを、見えなくなるまで眺めていた。
ぼんやりと、今でも思い出せる。
それが最後に見た彼の───姿だった。
……
…
いつまで待っても来ない。
今日は何か用事があったのだろうか。
……
……昨日の会話のこともあってモヤモヤが止まらない。
もしこのままらっだぁが来なかったら?
「……」
ブランコを漕いで、キコキコ音を鳴らしながら考えた。考えれば考えるほど頭がバカになってきたから、途中で考えるのはやめた。
「…………らっだぁ」
………………
しばらくして、
周りは暗くなった。上を見ると、田舎だからか星が無限に見えた。昼は蒸し暑いのに夜はどこか涼しくて、まるでらっだぁがいなくなった俺の心情を表現してるみたいで、不快だった。
ガサッ……ガサガサっ
「……?だれ?」
音が鳴った芝生の方を見た。
「……もんど、」
「……!!らッだぁっ!」
もう二度と会えないと思っていた所で本人が登場してきた。こんなに嬉しいと思える事はなくてテンションがあがり、
らっだぁに飛びつこうとする。
でもそれを制止したのは他でもない、
らっだぁだった。頭の上に置かれた手が、優しくて、でもはっきりと俺を押しとどめた。
撫でられる感覚が嬉しかったのに、
なんで今は、こんなに辛いんだろう
それに、らっだぁがどこかおかしい。
こんな表情のらっだぁを見たことなくて、どう接せればいいのかも分からない…
よく見ると顔色がひどく青白い。
「たすけて、もんど…」
「……は、?」
絞り出す様に言葉を発した瞬間、目の前の相手は地面に力なく倒れた。
らっだぁは腕を強く抑えていた、そこに目を向けると何かの噛み傷があった。
傷周辺が不自然に青色に変色していて、そこから血が信じれないほど溢れ出ていた。
この顔色の原因は、
恐らく、こんなに血がでてるから……
苦しそうな顔のらっだぁを見て、パニックでおかしくなってた。
瞬きを繰り返す内に、
気付けば目の前には、 救急車があった。
俺の服は血でびちゃびちゃで、ずっとらっだぁの傍に居たのだろうか
自分でもよく分からない。
「……らっだぁは?」
らっだぁが乗せられた救急車はどんどん遠くに行ってしまう。それが怖くて、嫌で、すごく不安だった。
らっだぁは、どうなるんだ?
らっだぁは、なにがあったんだ?
らっだぁは、………………………。
……
。
翌日。気付けば朝だった。
いつ家に帰ってきたか、何も覚えていない。
起きて速攻俺はらっだぁに会いに行った
ど田舎にある病院なんて1つしかなくて、きっとそこに搬送されたはずだ。
受付の人に青井らっだぁの友達です。と言えば顔色を変えて、「………あの子ですね」って特別に通してくれた。でも何故か、変な目で見られた気がした。
病室を教えて貰って、震える手でドアを開けた。
「…………モンド?」
「………………」
らっだぁと、目が合った瞬間。
らっだぁの目が、最初は大きく見開かれて、すぐに震え始めた。
「ごめーーん、モンド、迷惑かけちゃったよな?昨日さ、変な場所で腕切っちゃって、血止まんなくてさ……」
俺は驚いてなにも話せなかった。
相手はビニールに包まれていた、直接触ることもできず、目の前に居るのに、話してる実感がまるで湧かない。
…これが隔離ってやつか……
確か受付の人に何か注意された気がするけど、らっだぁのことしか頭になくて覚えていない。
俺を見て、少し驚いた顔をした相手は慌てたようにまた嘘を重ね出す。
……嘘だ。
そう確信した瞬間
俺は、らっだぁを覆っているビニールに、そっと触れていた。
「…何があったか、話せって言わない。でも、オレに嘘はつかないで。」
「……おまえ、
カッコよすぎるだろ…w」
相手の目を見てハッキリ言うと、
相手は目を少し赤くして。涙を堪えていた。
それに気付いて焦って目を拭いていた。
観念したのか、渋々何があったか話し始めた。
「なんか、見た事ないウイルス?病気?にかかっちゃったらしくてさ、こんなビニールの中で生活しなきゃいけないらしくて、先生たちもみんな重装備で部屋入って来んの……俺も何が何だか分かんねーよ、」
話してる途中で声が震えてきて、
頭を抱え始めて、鼻を啜る声も出し始めた。
目の前にいるはずのらっだぁを。触れられない事が本当に悔しい。こんなビニール今すぐぶち破って、今すぐでも触りたい。慰めたい。
俺はらっだァのためだったら………
でも、そんな言葉掛けれる勇気もなくて、らっだぁに嫌な言葉を言わせただけ。ただ時間だけが進んで行く。
らっだぁと話してて、会話に詰まったことなんて今まで無かったのに……ついに耐えきれなくなって、理由を付けて今日は帰ることにした。
「……明日も来るから」
「………………いや、来なくて、いいよ」
来なくていい、なんて言葉を言われたのは、初めてで心臓がドキリとした。
多分俺にウイルスを移したくないのか、
それとも、こんなみっともない姿を俺に見せたくないのか。
理由なんて聞けなくて。相手とは目を合わせられないままだった。 あんなに光り輝いてたやつが、 面影なんてまるで残ってなくて。
それが胸が締めつけられるくらい悲しくなった。
「……ムリ。」
それだけ言って病室を後にした。
外はまだ明るくて、
今日は何曜だったか、ぼんやりと思い出そうとする。
明日は月曜で学校の日だ。学校ではらっだぁはどんな扱いをされるのか、らっだぁはこれからどうなるのか、不安でしかない…
重い足取りを引きずって家に帰った。
父親は海外に出張中で、家には誰にもいない、俺と、足元にいるこの猫だけだ。
この家にあるのは、仕送りと母親が好きだったペットの猫。それだけ。 毛の色は青で、ふさふさ。オッドアイで片方が黄色、もう片方が薄い青色。その色でじっと俺を見つめてくる。らっだぁみたいで俺もこの猫が好きだ。
優しく撫でながら餌をガツガツ食べる様子を見ると、らっだぁはご飯をちゃんと食べれてるのかなとか、らっだぁのことしか考えられなくなってきた。
なんでなんだろう。
らっだぁの事考えると、考える度に、
胸が満たされていく感じが、する……
……
…
明日、学校帰りにらっだぁの所に寄ろう
それだけ考えて目を閉じた
らっだぁがいない学校は、ぼんやりしてるうちに終わっていた。らっだぁは「熱で休み」ってことになっていて、つまり、このクラスで本当のことを知っているのは俺だけだ。そう思うと胸がなぜか少し軽くなった
お見舞いだし、何か持って行った方がいいかと思って、何となく、唐揚げとらっだぁの好きな飲み物を買った。
……
唐揚げを見せるとらっだぁは久しぶりに笑顔になった。
前の笑顔と一緒でくしゃりと笑いながら美味しそうに唐揚げを頬張るらっだぁを見ると、心が暖かくなって、また胸が満たされていった。
……良かったほんとに。
「もんど、ありがとね〜」
「……ンー。」
「早く元気になれ 。夏祭り、あした行こうよ、一緒に」
「え〜??だって俺、いま隔離されてるんだよ〜…未知の生物の類だしさ〜厳し、……
「オマエが行きたいかどうかを聞いてんのよ」
何かごたくを並べ始めたけど、すぐに遮った。
目を見て、まっすぐ言った。
でも、なんだか恥ずかしくなってきて、先に目を背けたのは俺の方だった。
「その質問だったら、行きたいに決まってるじゃん……」
相手は手を顔にかざしながら言った。
らっだぁは、耳を真っ赤に染めながら。
だけど 断られなくて良かった。ほんとに。
それじゃあ渡すものも、約束もしたし、そろそろ帰ることにした。
「明日も、くる」
「……うん、またな」
らっだぁの声が少し震えて、不安そうに俺を見上げてきた。それがちょっと嬉しかった。らっだぁはもう後が無いんだ
……もう、俺しかいないんだ。
そう思うと、何故か口角が自然にあがった。
一日でも病室に来なかったら、らっだぁはどうなるのだろう。泣くのだろうか。不安で心がぐちゃめちゃになって、俺のことだけでいっぱいになってくれたりするかな?
そんな想像が、頭の隅でふわふわ広がっていく。 自分でもよくわからないけど、嫌な気持ちじゃなかった。
…
家に帰ると、なんとなく テレビをつけた。
新種のウイルスが世界中で流行中、
世界は混沌としてるらしい。治療方法はまだ見つかっていないらしく、専門家達も頭を抱えているそうだ。でも、これから言うものが1番重要らしい。
感染者の症状は、 最初に記憶喪失、やがて凶暴化し、見た目の変化も見られる。凶暴化がピークに達すると、心肺を始めとする全ての臓器の全活動停止。
つまり。身体は死んでしまう。
記憶が全て失われると、人間性の喪失。最後には青いなにか…人間とは呼べない存在 になってしまう。弱点は頭で、頭を破壊するか、頭に空気が届かない様にさせるかのどちらかをしないと殺せない。
有効な治療方法は未だ見つかっておらず、 症状に身に覚えがある人は治療方法開発への協力を…………ピッ。
…………もう、早く寝よう、
…
……
いつも通り、学校の帰り道に病院に寄った。病室のドアを開けると恐ろしい風景が広がっていた。
「…………何コレ」
「あ……もん、ど、」
らっだぁの病室は、酷い事になっていた。
なにもかもがめちゃくちゃで、花瓶は倒れ、花びらは床に散り散りになっていた 。
窓にかけてあったカーテンも引きちぎれてて、ただの布切れになっていた。
「どうしたの、これ」
「……………………ぁー。そのー、」
倒れてる花瓶を立てながら言った。
気まずそうに手錠で繋がれた手で。
難しそうに顔を掻きながら、全然目を合わせてはくれない。
何か、言いたくないことでもあるんだろうな。
別に、言いたくないことを無理やり聞き出すつもりはないけど。
「言いたくないならいい。」
それだけ言って横の椅子に腰を掛けた。
いつも通りどうでもいい学校の情報をペラペラ話しただけ。
それと、今日の祭りの話もした。
最後に、祭りの最後に花火があるからそれだけでも一緒にみたいと伝えた。らっだぁは黙って聞き続けてた。
申し訳無さそうに目を伏せる様子をみて、
今日は難しそうかと思った。だから、優しくフォローしてあげようとおもって、
「まあ、今日行けなかったら、来年またいけばいいじゃん」
そう言った瞬間
「えっ……!?ぁ。」
らっだぁの口が止まった。さっきまで受け答えも、相槌もしてくれたのに。
ただ目を丸くしていて、それ以上なにも話してはくれなかった。驚いた顔で見つめてくるだけ。
まるで、
らっだぁだけ時間が止まったみたいに。
少し話をした後に病院の先生に呼ばれた。らっだぁは不安そうな顔をして、今日はそこで病室を後にした。
「……らっだぁ、また来る。」
「!!!…うんっまたな!」
かわいい。
……ほんとに何故か、不意にそう。思った。
少し病室から離れた所で、
病院の先生から、らっだぁの話を聞くと
「もう、来ない方がいい。」
と言われた。
「は?ナンデ?」
「国からの申請で新種のウイルスにかかってる人は完全に隔離されることになった。しばらくしたら、その病人専用の病院に移送する事になってさあ、ここからは絶対っに言っちゃダメな話だけど…言うな?そこでは耐え難い拷問らしき実験が行われるらしくて、でもー俺なら……」
「……ってことハ、
らっだぁとはモウ会えない…ってこと?」
後半の話なんてもう聞きたくなくて、先生の会話を無理やり遮った。その先生は気まずそうにしながらコクっと頷いた。
滝汗が止まらない。目の前が暗くなる。
らっだぁと、もう会えなくなる? そんなの嫌に決まってる。
何も言わない俺を見て、相手は何を思ったのか、_の居場所を耳打ちで教えてくれた。
「え。な、……」
「あ、そうだ。今日、祭りの最後に花火があるらしいな。」
困惑してる俺から離れると、 くるりと首だけを後ろに回して、 手は服のポッケに突っ込んだまま。
「最後の祭りになるぞ〜楽しめよな〜」
それだけ言って手を振りながら病院の奥へと。相手は消えていった。名前も姿もなにも、もう思い出せない。ただの他人になんでここまでしてくれるのかと、不思議に思った
確か、この病院の院長で同じ顔を見た気が、
そんなことより、
俺は、らっだぁの、為なら…
夜。作戦を決行した。
もう既に暗くなった病院の階段を登る
らっだぁの病室まで、あと、もう少しだ
病室の前に来て、かチャリとドアを開けた。さっきの人に教えて貰ったのは鍵の居場所だ。深夜帯で働いてる人は全員ガムテープで縛っておいた。監視カメラも全部破壊して。何故か犯罪に慣れてる自分の体に驚きながらも犯行を続けた。
これは、何罪になるのだろうか。
「……らっだぁ、オハヨ、」
隔離用のビニールシートを予め持って来た刃物で破いた。意外と脆くて簡単に切れた。
らっだぁの前でパーカーを脱いでらっだぁにかける。今日の夜は少し冷えてる。
らっだぁは驚いた顔をしながら俺を眺めてた。まるで夢を見てるかのような。ぼんやりと。
俺はそんならっだぁは無視して…
自分の為に。
らっだぁの重々しい手錠に鍵を刺して、外した。その間もぼんやりと俺を見てくるらっだぁを担いで、そのまま家の方向まで持っていく。
「らっだァ、知ってる?今日は、花火があるんよ、 一緒に見にいこ」
「うん。知ってる。今日本当は…モンドと、、一緒に。夏祭り行きたかった…」
「おれも、おまえと行きたかった」
こんなに密着してるのに聞こえてこない心音も、夏なのに驚くくらい冷たい体温も全部無視した。
気付かないフリをした。
でも俺は今、この状況が怖いくらい幸せに感じて、 俺が代わりにらっだぁの心臓動かしてやるし、らっだぁの体温が上がるまでいくらでも、お前を温めてやるよ
だから、だからさ、
?俺を許してくれない
「俺を許してくれない?」
こんな自分勝手に、らっだぁをなんも相談無く誘拐みたいな事をしたことも、らっだぁが断っても断らなくても、夏祭りに連れて行くつもりだった事も。らっだぁは苦しかったのにそれを利用して自分の欲求を満たしてた事も。俺の罪全部。許してくれないかな。
なんて……都合のいい事ばっか言ってるオレが、 1番……「いいよ 全部許してあげる。」
「え。」
「モンド。オレね、
正直俺以外の物全部捨てて、俺だけのためにこうなってるモンドみてさ、俺すげー嬉しい」
ギュッと後ろを抱きしめられた
ヒンヤリとらっだぁの腕が当たる。
「モンドがどんな極悪人になっても。
自分勝手でも。俺をこれから殺しても」
最後の言葉を聞いた瞬間、俺の心臓が跳ね上がった。いままで止まらなかった、進む足を少し止めて、後ろを振り返りたくなる。
らっだぁには、
全て、お見通しなんだ。
「何しても。何でも。許してあげる。」
また弱々しく俺をギュッと抱いてくれた
嗚呼、そっか、俺らはお互い。
居ないともう生きれないんだ。
しばらく歩いた。病院から結構離れてきた、もうここからは急ぐ必要はない。らっだぁをひとまず、芝生の上に下ろした。
不思議そうな顔で、らっだぁは俺を下から眺めてる。瞳は濡れたように光って、まるで何かを待ちわびている様だ。
なにをされるか分からないのに、されるがままで。それとも、これも、あれも、
こいつは全部分かってるのか?
「もんどっ、もんど!俺ねすっごく嬉しかったよ。モンドが花火今日見れなくても、来年見ようって言ってくれたこと!すげぇ嬉しかった」
病院とは違う、喋ってるのは一方的にらっだぁだ。昔は俺も、これに笑いながら返していたなぁ、だなんて今更ながら思い出した。
なんで、全部壊れてしまったんだろう
ぼんやりと空を眺めてると、らっだぁも何かを察したのか、ふと口を閉ざして空を見上げた。
そのタイミングだった。
ヒュー〜ーーーー…ドンッっ!
耳に爆発音が突き刺さる。
空がいつもより異様に綺麗で、明るい。
夜なのに今は昼なのかと勘違いするくらい周りも空も、らっだぁも明るい。
花火の光が、まるで世界の終わりを告げる合図みたいに目の前に降り注いでいる。
その様を見ながららっだぁの方を向いた。
………………ドンッどんっ
「らっだぁ……────。」
声が震えた。
届いたかな。オレの声。
気が付くと、 目の先にはらっだぁの、細い首があった。 俺の手が、そこに回されていた。
それを絞めた。自分の手で。
苦しそうな瞳と目が合う。でも悲痛の叫びは花火の音で全部かき消されている。
それに、こんな深夜だ。来ないんだ。
誰も来るはずがない。
それを分かってるのか、抵抗をする気なんて元々ないのか、抵抗をしない相手を見ると、 やっぱり、分かっていたんだ。
こうなる運命だってこと。
くしゃり。
そう笑ってる。
この状況でたしか、笑ってた
……俺が?
それとも、らっだぁが?
もう、区別が付かないんだ。
目の前が涙で、霞んでよく見えない。
ぎゅぅ〜…ー〜〜~~ぅ‐
力を。何となく強めた。
ニュースを見た、あの日から決めてたんだ。
らっだぁが、らっだぁじゃ無くなってしまう前に。記憶も笑顔も声も。見た目も全部。
らっだぁじゃ無くなってしまう前に、俺の好きならっだぁが幻想になるくらいなら。
俺が全部終わらせてあげようって
愛してるから、
愛しているからこそ、こんな風にしか出来なかったんだ。ごめん、ごめんならっだぁ。
「……っ、ごめん」
絞り出すような声。それを聞いたらっだぁの顔から笑顔は消えた。らっだぁの肌に涙が1つ落ちた。
これで全部、終わる。全部、全部、
全部、これで終わり。
きっと、らっだぁとはもう話せない。
見れないし
触れられないし
笑え合えないし
らっだぁの温もりも匂いも、全部
全部なにもかも全部全部
────全部。
全部俺の前から消えてなくなる。
それでも、いいのか?
…………も……
……もんど…
「…モンド。あいしてる」
掠れた声が耳に届いた。
それを聞いても喉が詰まって、身体がただ震えるだけだった。手が、もっと強く締まる。
それとも、緩んでいるのか。
もう、俺でも、分からない。
花火が上がるたび、空が白く、青く染まる。
らっだぁの顔が、俺の涙で歪む。
世界が、俺の全部が音を立てて崩れていく。 らっだぁは俺の全部なんだ。全部だったんだ。らっだぁが居なくなったら俺の世界は無くなるのと一緒なんだ。
だからこのまま、
最後までらっだぁのままで、殺し…………
でも、俺はほんとにそれを望んでいるのか。
……
どうする?
モンドは、らっだぁを殺す?殺さない?
「オレは……」
俺は、モンドは、ただ、
こいつの首に顔を埋めて 震える声で呟いた。
……………ドンッ
読んでくれてありがとう!
あなたなら、モンドはどうすると思いますか?