テラーノベル
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私は正直、ヨネ…桃梅花魁なことが嫌いだ、いや、大嫌いだ
私と同じ頃に入ってきて、ヨネが入ってくるまでは、何もかも上手くできた、私が花魁になると、みんな口を揃えて言っていたものだ、それなのに、なんだい、あの子が入ってきた途端私には、興味が無くなったように、接し、花魁になったら娶ってくれると言っていた、男にすら捨てられた。
すまんが、俺は桃梅花魁を娶ることにしたよ。
だが、ヨネはそれをキッパリと断り、ずっとここで、色んな男たちに口説かれては、断るを繰り返している。
正直、あんなヤツ放っておくのが1番だと頭の隅では分かってはいたが、それがどうしても出来なかった。
私は、客引きや、やり手(女郎を連れてくる人)として女将さんの手伝いばかりで、何が花魁だ。
そんな、重いからなのか、それとも、ヨネが着けている、紅珊瑚の帯留めのせいなのか。(まぁ正直どっちでも良かった)
ある日に、ヨネ…桃梅花魁の手伝いをしろと、女将さんと、秋助の旦那に言われた時は、天と地がひっくり返るかと思った。
だが、これは月が来たとも思った。
ヨネが着けている、紅珊瑚の帯留めを盗めば、どんな顔をするのか…
私がヨネのせいで苦しんでいるんだから、アイツも苦しめばいいのよ…
寝ている時に、取ればいいと思う人もいるだろう、だがダメなのだ。
寝ている時に取ろうとしたところ、気づかれ、旦那さんちに私が怒られ、頬を思いっきり引っぱたかれてしまった。
その時ですらも、哀れんだ目で見ながらも、手では紅珊瑚の帯留めを撫でていた。
その時思った。絶対に取ってやる、と
だから、驚きながらも、月が回ってきたのだと思った。
だから、ヨネがどこかへ行った隙に、そっと帯留めを懐に忍ばせ
戻ってきた時に、お帰りなさいませと、本当はいいたくなかったが、一応は花魁なので言うことにした、
だが、本当の事件はここから始まることを、誰もわかっていなかったのだ。
帯留めですらも…
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