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光「オレさ、赤葦京治って名前すげー好きなんだよね。」
そう言いながらも木兎さんは歩くのをやめない。
光「前さ、京治って父ちゃん母ちゃんの名前から貰ったって言ってたじゃん、なんかすげー愛情籠った名前だなって思った。」
こんな話してどこに向かってるんだろう。
光「それにあかーしって呼ぶとオレに色んな顔見せてくれるから。」
そうなのか、自分でもそんな表情豊かなタイプじゃないと思っていたし、よく友達にも表情が乏しいって言われてたのに。
椿「…急にどうしたんですか?」
光「…」
また黙りだ、今日は調子が狂うな。
光「…ごめん」
椿「はい?」
急に口を開いたと思うとまたこれだ。
椿「さっきからどうして謝るんですか?」
光「…」
椿「黙り込まないで下さい。言葉にしてくれないと分かりません。 」
光「…ごめん、だってオレが、あかーしをッ」
椿「は?」
光「オレがあかーしに好きって言っちゃったから、余計なこと言わなかったらあかーしは今頃結婚とかして美人な奥さんと子供と幸せな家庭築いて、オレなんか忘れて幸せだったんじゃないかなって。
最近よく考えるんだよ…あかーしを殺したのは、あかーしとあかーしの家族の幸せを殺したのはオレなんだって。」
前世とは違う流暢な日本語とその内容に驚いた。
それにこんなネガティブな言葉にも。
もちろん疑問も浮かぶ。
椿「…木兎さんが殺した?俺を?」
私の顔を見た木兎さんの表情が歪む。どんな顔しているかは自分でも分かっている。
でも、好いた相手にそんなこと言われてこんな顔するなと言われても無理がある。
椿「笑わせないで下さい、何が殺したですか…」
光「あ、あかーし?」
椿「否確かに俺はアンタに殺されたかもしれない、アンタが俺を選んで生きていたらを俺死ななかった。 」
言われてみればそうだ、俺は木兎さんに殺された。
あんなこと言われなければ一生忘れていた恋心を木兎さんがおもいださせたから。
椿「…そうですよ。どうせ俺の事選ばない、バレーバカな癖に好きなんて言って。」
…こんなこと言っても、間違いなくあの時俺は心の底から嬉しかった。でも、どんなに思い焦がれても次の日に離れ離れなんて、
椿「ほんッとに酷い」
光「うん…ごめん」
俺がどんなに醜い顔をしても、それを見てもやっぱり足を止め無い。
でも
止まれよ、ちゃんと止まって私を見ろよッ!
足を止め木兎さんの服の裾を思いっきりつかみ私に向かわせる。
こうして見上げるともう私は赤葦京治じゃないことを実感する。前までこんなこの人の目を見るのに首をあげないで良かったのに、声だってもっと低かったのに、ずっと近くであなたを感じれたのに。
嗚呼こんな中途半端な赤葦京治なら、
ちゃんと殺して下さいよ。