テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「なぁセイちゃん、今度ここ行かへん?」
ライブのリハ終わり、ナオがスマホを見せてきて、行きたいところがあると誘ってきた。
「うん?あーナオちゃん好きそうやなぁ(笑)」
「え、いい?」
「うん、ええで?」
「やった〜♡セイちゃんだ〜いすきっ」
いつものようにナオが甘えてきて、可愛いなと思う。
やり取りを見ていたであろうエイキが、笑いながら口を開いた。
「セイちゃん、負けたわ。(笑)」
「え?なにが?」
「俺それ誘われてないもん」
「そうなん?ナオちゃん」
「え〜?だってエイキ忙しいやん」
「ナオちゃん俺別に暇ちゃうで?」
「そんなこと言ってさー、俺よりセイトなんやろ〜」
「え〜拗ねんでやぁ、かわいいなぁ?よしよしよし〜♡」
相変わらず、姫してんなぁ。と笑っていると、リュウキとカイリュウの楽しそうな声が耳に入る。
「いや本当にあれおもろかったな〜!カイリュウまじでやばかったもん」
「しー!しーっ!言うな言うな!」
「いやだってお風呂入ったときも言うてたやん(笑)」
「お前言うな言うてるやろ!」
……お風呂?
気になって聞き耳を立てた。
「あの時お風呂長すぎて逆上せたもんな(笑)カイリュウと入ってなかったら俺しんでたかも」
……は?カイリュウとリュウキ一緒に風呂入ったん?いつ?どこで?は?
「セイちゃん、聞いてんの?」
「っ、えぇ?」
聞き耳を立てすぎて、全然話を聞いてなくて怒ったナオにアホな声を出してしまった。
「もうええわぁ」
「いやごめんってナオちゃん、聞いてるで?」
「聞いてへんかったやん!」
「ごめんって、もっかい教えてや」
機嫌を取るようにヨシヨシすると、もーっ!と言いながらもすぐに顔が明るくなったナオちゃんにホッとしながらも、カイリュウとリュウキの話になぜかモヤモヤしていた。
リュウキに向けて嫉妬心のようなものがフツフツと沸いている事に自分でも気付いていた。
“友達”と確認し合って以来、カイリュウとはメンバーとして、友達として接しているけどどこかぎこちない。前よりも、カイリュウは俺に話しかけることがなくなった。
それは多分お互いに、完全に前には戻れないからだと思う。正直、少なくとも…俺は。
あれ以来、どうしても、カイリュウの事が友達の1人と思えない。いやもちろん友達なんやけど。でも、あの日の顔を、キスをした感触を思い出しては、その枠に入れたくないと思ってしまう自分がいる。
でも、それはカイリュウが望んでいない事やから。
先に”友達”と線を張られたから。
カイリュウが踏み込まないなら、俺も踏み込んじゃダメや。
そう思っているのに、本音を言えば、カイリュウの事が気になって仕方ない。
もう1回、俺と向き合ってほしい。
***
(KAIRYU視点)
「やった〜♡セイちゃんだ〜いすき」
おー、よかったなぁセイト。
上手くいってそうでよかったわ。
ええんや、これで。
ナオヤを囲んでセイトとエイキが相変わらずナオヤを取り合っている。
はは、まぁ、良かったけど。
……ここですなよ。そんな話。…いや今の無し! いや、ほんま良かったわ。
あれ以来、セイトとはお互い”アレ”には触れへんように接してる気がして、どこかぎこちない。
でもこれでいい。そう思う自分と、
お前だけずるいんちゃうん、なんであんなことしたか、俺知らんままやねんけど。
という気持ちが時々出ては、蓋をした。
ナオヤと上手くいってそうなところを見ては、良かったなという気持ちと、俺にキスしたくせに、という気持ちが交互にきて、自分を見失う前に蓋をした。
……正直に言うと、まだ少し腹立つ。
だって意味わからへん。なんも思ってへん奴、友達に俺はキスなんかせえへん。
酔った勢い?そんなもんで片付けんなよ。
なんて、あいつの顔を見ると思ってしまうから。今は少し距離を置いてる。
じゃないと自分がどうにかなってまいそうで、怖いから。
「ナオちゃんごめんて、もう1回教えて?」
ナオヤを撫でるセイトが見える。
あの手を、最初に掴んだのは俺だったのに。
……あぁ、あかんあかん!外の空気、吸ってこよ。
***
(SEITO視点)
「セイちゃ〜ん、ちょっとおいで?」
「どしたん?」
「いいから、ちょっと」
ナオが手招きして、誰もいない所に誘導される。
「なに?」
「……あんたさぁ、カイリュウの事好きやろ?」
「っ、!は、え?えぇっ?!」
「アホ、声でかいねん」
誰にも聞こえないような小声で、そう聞いてきたナオに心底びっくりして大きいリアクションをしてしまった。
「ナオにバレてへんとでも思ったん?アホやなぁほんま」
「いやぁ……って、いやいやいや!ちゃうよ、好きちゃうよ、!」
「いやバレバレやで?セイちゃん最近ずっとおかしいもん」
前お泊まりしたときなんかあったんやろ?と、ズバッと当ててきて、まじで占い師なれるんちゃう?と茶化すと今そんなんええわ!と怒られた。
「で、なにがあったん?ナオちゃんに言うてみ?」
「え、、えぇ〜、、」
「あんた怒るで」
「怒らんといて……いや……その……酔った勢いで、、キス、してもうた「キャーーー!!」「ちょ!!ナオちゃん!!声でかいから!!」
「あ、ごめん(笑)」
キャーキャー普通の恋バナのように聞いてくれるナオちゃんに少し気持ちが軽くなる。
「ほんでほんで??」
「いや、俺が一方的にしてもうただけで、なんかカイリュウようわからへんけど怒ってて。謝って、もうええから友達でいてくれって」
「言われたん?」
「うん……」
「ほんで落ち込んでんねや」
「……なんでわかんねん??」
「せやからバレバレや言うてるやん」
バシバシ俺を叩きながら話すナオちゃんに、閉じ込めていたものを出せてなんだか泣きそうになる。
あー、やっぱり俺、これって。
「ナオには素直になりや?…ほら、カイリュウの事好きなんやろ?言うてみ?」
「……え、いや、……好き、なんかな、?」
「はぁ〜???あんたなんやねんそれ、そんな言い方やったらカイリュウも嬉しくないで?」
「いや、だってカイリュウは俺とは友達でいたいって…」
「……なぁ。あんたほんまアホやな?」
はぁ〜。と深いため息をつくナオちゃんに、え?なんで?と俺は頭に?を浮かべた。
「さっき、セイちゃんと話してるときナオは確信したけどなぁ」
「なにを?」
「はぁもうあんた…せやから、カイリュウはセイちゃんの事気になってんやって。さっき、セイちゃんがナオのことヨシヨシしたやろ?……カイリュウすごい顔してたで。」
「え…っ、ほんまに、、?」
「もうっ、あんたアホやからこうやってナオちゃんがわざわざ身体張って試してあげたんやろー?!全部作戦や作戦!」
「えっ?!そうやったん?!あれ嘘?!」
「もうそんな事はどうでもええからカイリュウと話してきぃや!さっき外出てったから今やで?」
「う、うん……っ、ありがとう、ナオちゃん…行ってくるわ、」
ナオちゃんに知らぬ間に背中を押され、外へ向かった。